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カテゴリ:健康
リハビリテーション病院では骨折手術後、脳卒中後、パーキンソン病などの慢性疾患患者さんの機能回復のためのリハビリを中心に診療を行っている。
骨折手術後の患者さんで合併症が無い患者さんは所定のリハビリが終了したら2-3か月で退院できるが脳卒中や慢性疾患などでは入院が長期になることが多い。 脳塞栓で入院してきた84才女性を例に挙げて紹介する。 以前から心房細動があり、7月14に大腸がん手術を受けている。1人暮らしで8/20に倒れている所を息子に発見されて県立中央病院に搬送された。MRI検査で右中大脳動脈が閉塞していることが分かり、機械的に塞栓除去術を行って成功したが閉塞していた期間に血液が流れず酸素供給が出来なかった右前頭葉部に病巣が出来てしまっていた。 左片麻痺で左手、左足が動かず言語障害があり、呑み込みが出来ないので鼻から管を入れて栄養していた。リハビリ継続目的で9/6に当院に紹介されてきた。入院時は機能が残っている右手で鼻管を抜いたりしないように右手にミトンという大きな手袋をはめてもらっているがそれが煩わしいので「これを取り外してくれ」と大騒ぎしていことが印象深い。 以後も回診の度に「これを取って」と言われたが次第にその回数が少なくなり言葉がかなりはっきり言えるようになってきた。最近では「回診に来てくれてありがとう。先生もお元気で」などとこちらをねぎらうようなことも言ってくれるようになった。 麻痺足の左足も少し動くようになってきた。最初は暴れたり騒いだりするだけだったが最近は色々なことが分かるようになってきて回診が楽しみになってきた。 脳卒中には大きく分けて脳出血、脳梗塞、くも膜下出血がある。脳出血は高血圧などがあって脳の血管が破れて出血するもので、障害を受けた神経支配領域に沿って麻痺が起こる。脳梗塞は血栓などが脳の血管に詰まってその支配領域に沿っての麻痺がおこる。これには心房細動などがあって心臓の中に血栓ができてそれが脳の血管に運ばれて脳塞栓を起こす場合と動脈硬化が進んで脳血管に血栓が出来る脳血栓がある。 ここで紹介したケースは心房細動があったことより、心臓で出来た血栓が脳に運ばれて塞栓を起した脳塞栓と思われた。血栓や塞栓は発症から数時間以内なら機械的にそれらを取り除いて再開通し機能を取り戻すことが出来るが本例では時間が経っていたものと思われ塞栓を取り除いたが症状は軽快しなかった。 外科的処置が出来ない脳出血や脳梗塞の治療は主としてリハビリテーションである。時間はかかるが気長にリハビリを行うことによって歩けるようになったり口からものが食べられるようになったりする。 本症例も口から食べられるようになったり歩けるようになることを願ってリハビリを続けていきたいと思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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