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今が生死

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2022.05.17
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カテゴリ:感動したこと
庭のブルースター

脳梗塞後の96才女性患者さんを受け持っている。比較的に軽症だったので車いす乗車や歩行器訓練などが順調に行われ退院してもいい位までに回復した。
回診の度に「いつ退院できますか」「先生早く退院させて下さいと」言われる。一般病院は医師が退院OKを出したら退院できるがリハビリ病院では医師だけでは決められない。理学療法士、看護師、地域連携室やケースワーカー、医師などで話し合いをして決めている。
この患者さんの場合は入院前は一人で暮らしていて今度退院してもやはりそこで一人暮らしすることを考えているのだと思われるが、ケースワーカー達はそれは無理だと考えている。
施設に入れるか、家族と同居して家族に支えてもらう必要があると考えている。患者さんからみると毎日の回診時に医師の私に「早く退院させて下さい」と言っているが一向に実現しないので医師に不信感を持っているかも知れない。
私は「早く退院したいと言っていることを会議でスタッフの皆さんに言いますからね」と毎日同じ返答をしてきたが患者さんにしてみれば「この医者に言っても何の効果も無い」と段々打ちひしがれてきた。
所が昨日の回診では小学1年生の曽孫が入学式で桜の木の下で撮った写真を見せてくれながら嬉しそうに孫の事やその子供(曽孫)の事を話してくれた。
昨日ばかりは「早く退院させてください」とは言わなかった。曽孫の立派な小学生姿を見る目には涙が滲んでいた。私も改めてその小学一年生の写真をみたが、小学一年生と言うだけでジンとくるものがあった。
小学1年生の姿を見るのは親が一番嬉しいと思う。いや親以上に祖父母が嬉しいかもしれない。患者さんの場合は曾祖母になるがやはり大変嬉しそうだった。
小学1年生と言うのは親にとっても祖父母にとっても曾祖父母にとっても特別な存在なのだなと思った。患者さんは入院していたので曾孫の入学式には出れなかったが曾孫の立派な姿を写真で見て心を動かされたのだと思う。
この4月、日本中に多くの小学1年生が誕生した。大人たちに祝福された旅立ちである。立派な大人になって日本や世界をリードしてもらいたいと願う。





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Last updated  2022.05.17 22:57:08
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