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今が生死

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2025.01.17
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カテゴリ:感動したこと

冬でも咲いている庭のパンジー

交通事故後のリハビリで入院している63歳の男性がいる。オートバイに乗っていて交差点で乗用車にぶっつけられて転倒し、両大腿骨、胸椎、腰椎を骨折して歩行できない状態だったが、リハビリにてようやく立ててこれから歩行訓練を始めようかという段階で、骨折に関しては順調な経過をたどっていたが、血液透析のシャント音が聞こえなくなってしまった。
血液透析をしている患者さんは、腕の動脈と静脈に管を入れてシャントをつくり、そこに針を刺して体内の血液を透析器に誘導し、透析器内で綺麗にした血液を再度人体に入れてそれを繰り返すことによって、生体の腎臓と同じように体内の血液を綺麗にするので人工腎臓とも呼ばれる。
通常週に3日透析しなければならないのでその時間は透析室に通わなければならないが、それ以外の時間は自由に生活できるので、腎臓を悪くした人にとっては命を救ってくれる大切な装置である。そのためにはシャントが常に開通していなければならないが、この患者さんのようにシャント音が聞こえなくなった時にはシャントが閉塞して血液透析できない状態で命にかかわることで大ピンチである。その時はシャントを再造設してくれる大病院に送ってなんとか再造設してもらって透析を続けることができた。ところが2週間もしたら再度詰まってしまい大病院に相談した。大病院の話では「今までにもう10回以上シャントを作っているがいずれもダメになってもう作れそうなところがないですが何とかしましょう」とのことだった。自分の身に起こっていることとして想像してみた。交通事故だけでも色々な所を骨折していて大変な苦痛である。それなのに今度は透析のシャントが詰まってしまい、そのシャントを作る所がないという。この先どうなるのだろうかと不安にかられて落ち込んでいるだろうと思いながら、その状況を患者さんに説明したら「くよくよしてもどうすることも出来ないので成り行きにまかせます」と笑顔で答えてくれた。
どんなに落ち込み、不安に駆られているだろうと思っていただけに救われた。結局大病院に転院して、首の静脈に長期透析用のカテーテルを挿入してそれを使って透析することにしたとのことだがそれも永久的なものではない。しかしなにが起こってもこの男性なら大丈夫だと思われ、頼もしく思った。






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Last updated  2025.01.18 13:15:25
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