今が生死
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妻の友人が送ってくれたシクラメン義理の姉が亡くなったので「年賀状は失礼させて頂きます」というハガキを出したら何人かからお電話をいただいた。昔お世話になった90歳の先生からは「身内の方の喪中のハガキをみて君自身はどうなのかな、元気かなと思って電話しましたよ」と電話を頂いた。「おかげさまでなんとか元気で、まだ勤めています」とお答えした。先生は「3~4年前から夫婦で散歩をはじめて随分元気になれたので君たちにもお勧めするよ」と言われたので「私達も散歩を始めようと結構何度も言っているのですがまだ始めていません」とお答えした。我々の共通の友人の消息も教えて頂いた。思いもよらない人が亡くなっていることを聞いて、驚いたり悲しんだりした。昔私が随分お世話になり、今までずっと尊敬してきたM先生から最近消息がないのでどうしているのでしょうかね?と聞いてみた。その先生は横浜の病院に勤めていたが、患者さんがなくなりそうな時はどんな夜中でも病院に駆けつけていたとのことだっだ。額が広く元気そのものの先生だった。元気ではち切れそうなイメージしかなかったが、1年くらい前から認知症で施設に入っているとのことだった。信じられなかった。あの元気いっぱいでいつも私たち後輩に優しい眼を注いでくれていた先生が認知症とは!!驚き、愕然としてしまった。しかし自分も高齢になりいつ死ぬか分からない年代になった。認知症にだっていつなるか分からない現実がある。あのように人格高潔な先生だって認知症になるのだから、私がなっても驚くことはない。そう思ったら心が少し落ち着いてきた。
2024.11.28
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サルビアガラニチカ(メドーセージ)一般職員も自分自身も気が付いていなかったが、よく考えてみたら私が当院で最高齢者になってしまっていた。非常勤で名誉職の先生が私より数か月高齢だが常勤職員の中では私が最高齢者だった。廊下を歩いていると容易に追い抜かれてしまうし、先方を歩いている職員を見ると足取りは軽いし早い。自分はどうしてこんなにのろくてよたよた歩いているのだろうかと考えたら、自分の半分も年齢を重ねていない職員が主体の職場なので、彼らはサッサと歩いているのだと気が付いた。気がつかなかった方が良かったのかも知れないが、看護師たちは私を最高齢者とは思っていなかっただろうし、私もそうは思っていなかった。歩き方や歩く速度で初めて年齢差に気が付いた。意識すれば歩き方だって彼らに負けないと思う。今後は歩き方に気をつけようと思うが、逆に考えると歩き方を除けば全て彼らと同等、若しくは彼らより能力がある(自己判断なので思い上がりがあるかもしれない)ようなので、歩き方に気を付けて彼らに負けないようにしようと思った。
2024.11.15
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アメジストセージ(サルビア レウカンサ)昨日87歳のパーキンソン病の男性患者さん宅に訪問リハビリに行ってきた。理学療法士は毎週リハビリ施療に通っているが医師は3か月に一回リハビリ施療が効果をあげているか確認するために訪問することになっている。今回で3回目の訪問だが相変わらず寝たきりで、予定されていた白内障の手術も全身状態不良で中止になり、眼もほとんど見えないみたいで、いよいよ人生の終焉を迎える頃なのかなと思ったが、話を聞いてみたら食事をする部屋やトイレに奥さんが連れて行き介助しながら食事を食べさせたりトイレをさせたりしているとのことで、できるだけ今までの生活スタイルに沿うようにしているとのことだった。車椅子でなく今度は歩行車でトイレに行けるようにしたいとも言っていた。プロの理学療法士も手を取ったり両肩で各腕を支えて歩行訓練を行おうとしているが中々困難で歩行器歩行は難しい現状だが、土日手伝ってくれる息子さんやヘルパーさんの力を借りて不可能と思えることも出来るようにしてしまう奥さんなのでやってみて下さいとケアマネさんが激励していた。目がほとんど見えなくて耳も殆ど聞こえない中で何とか意味を汲みとって意志の疎通を図り、患者さんが満足するように介護している奥さんの行動をプロのセラピストも賞賛しており、「奥さんから自分の方が教えてもらうことが多い」と言っていた。近く一泊旅行で富士山が見える河口湖に行ってくるとのことで眼も見えない患者さんにどうして富士を見せてやるのかなと思ったがご夫婦のコミュニケーションの中で決まったことだと思う。私が最も感心したのはケアマネさんが教えてくれたことだが、数日前に、寝ダコの重症化したものである褥瘡が出来ていたのを奥さんと息子さんでマッサージしたり塗り薬を変えたりして治してしまったとのことである。ケアマネさんによると、今までにも何度も褥瘡が出来たがその都度奥さんと息子さんが協力して治してきたとのことである。褥瘡は一度出来ると治すのは困難で、私達も大変苦労している病気だが、出来る度に治しているとはすごいことで、その方法を教えてもらいたいと思った。パーキンソン病で85歳以上に生存するのは稀で、肉体的にも精神的にも困窮の極致にあると思われる患者さんと精神的交流を保って、QOLが向上するように日々努力しながら、一方では自分の仕事である琴の師匠として、琴教室も別の部屋で続けているというのだから凄い人だなと思った。
2024.11.09
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三重の友人から数十年前に送ってもらったアブチロン(チロリアンランプ)。山梨でも冬の凍りつく寒さの時以外は常に咲いている。でも数十年前には何度か寒さが厳しい冬があり、枯れて瀕死の状態になったことがあるが、妻がコモで囲って救命してくれた。最近は暖冬で何時でもずっと咲いている印象がある。私はリハビリ病院に勤務する老医者である。毎朝出勤時ガラスドアに写る自分の姿を見ながら登院している。背中が曲がり腰も曲がっている。廊下を歩く時殆どの人に追い抜かれている。老人だから仕方ないのかもしれないが、廊下を見渡すとあちこちで患者さんがセラピストに付き添われながら必死で歩行練習などを行っている。皆さん殆ど私と同じ年齢の方々だが背筋がピンとしている人が多い。私は毎日仕事で廊下や階段を歩いており、スマホでカウントしてみると約5000歩前後歩いている。でも一生懸命訓練を受けている患者さん達と比べると、自分はあまりに自己流で背中を丸めて安易な崩れた歩き方をしていると思った。姿勢が悪いことを自覚していたので、胸を張り、腰を伸ばして歩くことにしようと思った。職場をリハビリの場にしようと思ったが、自宅に帰ってきても同じことだ。職場よりも猫背で歩いていることが多い。家でも胸を張り、腰を伸ばして歩く習慣をつけようと思った。齢をとれば腰が曲がり、猫背になるのは当たり前と言われてきたが、今の時代では高齢になっても背中がピンとしている人が増えてきた。自分もそれを目指して頑張ろうと思う。
2024.10.23
ニラの花明け方急に気温が上がるので汗びっしょりになって5時頃目を覚ましてしまう。6時25分からのテレビ体操までは時間があるので、医学講演を聴くことにした。7月の内科学会講演会の講演のウエブサイトを5000円支払うと9月21の正午までは聴けるので申し込んでおり、既に5つの演題を聴いていて6つ目としてポリファーマシイ(薬の処方しすぎ)の講演を聴いた。ご高齢者は10種類以上の薬の処方を受けている人はざらで、その副作用が問題になっており、厚労省でも指導に当たっているとのことだった。5種以上の薬服用者では薬の有用性より、副作用の不具合性の方が明らかに多くなるとのことだった。転倒して骨折する割合も5種類以上服用している人の方が多かった。それなのに10種類以上の薬を服用している患者さんが一杯いるとは医者の勉強不足もはなはだしいと思うが、医者だけの責任でもなさそうだ。患者さんの方から具合が悪かったらすぐ薬を求められ、もういらないかと思う頃その薬を減らすとやっぱり具合悪いと再投与を求められて、薬を減らすことができないケースもあるようだ。また高齢になると血圧管理で循環器内科、整形外科、眼科、皮膚科、泌尿器科など様々な科を受診しているケースが多い。内科で3種類、整形外科で2種類、皮膚科で1種類、泌尿器科で2種類、骨粗鬆症で2種類とあっという間に10種類になってしまう。内科の医者がお薬手帳をみてこれでは多すぎると考えて減らそうとしても他科の薬を勝手に減らすことができず、10種類、20種類と増えてしまうことになってしまう。各科の医師が、私が昨日の朝聴いたような講演を聴いて、薬を少しでも減らすよう努力してもらいたいと思った。
2024.09.20
シュウメイギク(秋明菊)私達の患者さんは殆ど高齢で腰も曲がっていれば背中も曲がっている。自分もほぼ同じような体形で年齢も皆さんとほぼ同じくらいなのであまり気にしないできたが、出勤時、車を駐車場において病院に入ろうとするとガラス戸があり、いやでも自分の姿が映る。背中が丸くなっていることは以前から知っていたが、腰も曲がっていることをそのウインドガラスは教えてくれた。歳だから仕方ない面もあるがテレビで努力すれば少しは改善することもあるとのことなので、挑戦してみようと思っている。
2024.09.17
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ハクチョウソウ(白蝶草)白い蝶が飛んでいるように見える老人になると体力が衰え、能力も、意欲も衰え、疲れやすくて何とかしたいとサプリメント(健康食品)に頼る人が多いがその効果のほどは分からない。それでも宣伝文句につられて服用者はうなぎのぼりで健康食品発売会社は大きなビルを建てて興隆している。健康食品は医薬品ではないので綿密な治験の必要はなく、効能効果が如何にもあるように書くとそれにつられて多くの老人は高い金を払って購入するがその効果は学問的には実証されなくてもよいとされている。健康食品もそれ程助けにならないなら、老人は衰え、衰弱し、すぐ疲れてしまう状態になってしまうのは仕方のないことで、諦めるしかないのであろうか?昨日83歳の男性がリハビリ外来を受診した。今までに3回脳梗塞や脳出血をしており3回目の発作は3年前で80歳の時だった。2回目までは比較的軽い発作だったのか3回目発作(80歳)まではゴルフや音楽活動をしていたとのことである。ゴルフは70台で回り、独学で覚えたピアノやドラムやサキソフォンを自由自在に演奏していたとのことである。80歳でゴルフ70台というのはとてつもなく上手で素晴らしい成績である。ゴルフのスコアは少ないほど成績がよく、多くなるほど下手ということになるが私は110~120で比べものにならない。ピアノも何でも弾けて私が発表会で苦労したベートーヴェンの月光もスラスラと口ずさんでくれた。殆どの曲が頭の中に入っているので何でも弾けるとのことだった。老人とは体力が落ち、能力も衰えるものと思っていたがその方は少なくとも80歳までは全然能力は衰えていなかった。「音楽の先生だったのですか?」と聞いたら「いえ、税理士でした」とのことだった。個人差があるので何とも言えないが、齢とったから能力がないと決めつけることはできないと思った。その方は脳卒中を80歳までに2度もしている。私はおかげさまでまだ脳卒中にかかっていない。ゴルフで70台は無理でも努力すれば100台くらいにはなれるかもしれない。月光だって口ずさめなくても楽譜をみれば、何とか弾けるまでになれるのではないかと思った。年寄りだから駄目だと思わず、80歳でもそれだけの能力を発揮した人がいるのだから、希望を持って挑戦して行こうと思った。
2024.08.17
今朝のツルバキア・ビオラセア今朝、病院に来たら私の受け持ち患者さん二人が新たにコロナ陽性になっており、全部で7人になった。幸い重症者はいないが、病院では密着してのリハビリ指導とか、入浴とか、相部屋での睡眠等感染機会が多く、一般社会より感染率が高い。治療薬はあるが直ぐに完全に治してくれるというものでなく、1日か2日早く治るという程度のものである。他の病院も同じような状況らしいが、次々とコロナ陽性者が出ると、気がめいってしまう。うつむきながらトボトボと廊下を歩いていたら、感染対策委員の看護師とすれ違った。「次々と陽性者が出て大変ですね」と声をかけたら、「仕方ないですね」と明るい声が帰ってきた。声の調子で人は元気になったり落ち込んだりするものだなと思った。その声で私の心は少し元気になった。感染対策委員は病院全体の感染者数を把握しているので、さどかし落ち込み、暗い気持ちになっているだろうなと思ったが、元気な声で「仕方ないですね」と言われ、確かにそうだと思った。くよくよしても始まらない。仕方ないことは仕方ないこととして、受け入れ、気持ちは明るく保ち、しっかり受け止めていかなくてはいけないなと思った。多くの病院で同じようなことが起こっていると思われ、目に見えない敵は人類をふるい上がらせようとして次から次に襲いかかってきている。医療者も患者さんも一般の方々も「仕方のないこと」は仕方のないこととして、必要以上に落ち込まないで明るく振舞っていく必要があると思った。
2024.08.05
スイカの雌花、花の根元にスイカの縞模様を有するふくらみがある。受粉が成功した場合は右のように実が残って膨らんでいくが、未授精の場合は黒色になって腐って落果する。またコロナが増えてきて当院では面会絶対禁止になっている。外部からの面会者を介しての感染や入浴担当看護師が自宅で感染して病院で患者さんの入浴介助の際感染させてしまったケースなど様々だが、一人陽性になるとその部屋の患者さんは濃厚接触者として、全員検査して5日間はリハビリも休みになる。医師の回診も無くなる。感染者は隔離され、発熱などの症状をチェックし、1週間経過したらコロナの検査をして陰性なら隔離を解くことにしている。その間回診はないが、看護師からの報告を受けて症状等に対する適切な指示を出している。幸い私の受け持ち患者さんでは重症者はおらず、それほど大きなダメージは受けていないが、陽性者の隔離や面会禁止など患者さんに苦痛を与えており、早く感染者ゼロの状態に戻って貰いたいと願っている。
2024.07.25
ボタンクサギ、向かって左が蕾、右が開花したところ連日暑い日が続いている。体調管理には十分気を付けたいものである。ある健康情報誌を読んでいたら、旅行は認知症予防の最良薬と出ていた。また脳を活性化させストレス予防にもなると書いてあった。人々は旅行にははそのような効果があるだろうなと漠然と理解していても実際に旅行するとなるとおっくうだとか、以前旅行に行った時、疲れて健康に良いという実感はなかったという声を聞く。旅行には大旅行、小旅行、団体旅行、個人(家族)旅行など様々な旅行があるが、現在の自分の体力を考えながら、自分にあった旅行を計画なさるのが良いと思う。旅行は認知症予防や、精神のリフレッシュに有効である等のことが医学的に実証されているが、金がかかることや休日を取らなければならないことや一緒にいく仲間を誰にするかなどの問題がある。それらを何とか工面して楽しい旅行をすることは心身の健康のために大いに価値あることだと思う。次は食生活である。まず食べるものの量が消化能力を超えていると消化不良を起こし、胃腸障害その他さまざまな体調不良を起こす。腹八分目を心がけることが大切である。食べ物の内容は炭水化物、たんぱく質、脂肪、ビタミン、等をバランスよく食べることが大切で、中でも生で食べられる果物、野菜はビタミン、ミネラル、植物繊維などを豊富に含んでおり、体をスムーズに動かしてくれるだけでなく、便秘予防にも効果がある。さらに抗酸化物質が含まれており、慢性疾患リスクを減らし、心臓病や脳卒中予防にも効果がある。3番目は体を動かすことである。筋トレやストレッチ、ジョギングなど様々な運動形態があるが、これらの中から自分に合った運動を週に3~4回するのが良いと思う。ウオーキングマシンを購入して自宅でウオーキングしている人もいるが、できれば実際の道を歩く方が周りの景色も観れるし、外の空気も吸えるし、健康になるための行動をしていることが実感できるのではないかと思う。やると決めたら1週間の内何日間かは必ず体を動かして健康体を作ると決意する事が大切である。4つ目は健康に対する考え方の確立である。考え方というのは誰でもこの地球上で健康に生きる権利があると自覚することである。この世には生まれたばかりで前途洋々たる未来が見える人と、全盛期を過ぎた今は死ぬべき時の前哨戦だと思っている人もいる。役立たたずになってしまったので早くおさらばして、若い人たちに全てを譲ろうと考えている人もいる。私はこの地球は皆のもので若い人の為とか障害者等の為だけでなく、全ての人のためにあるのだと考えている。。どんな人でも健康になり、幸せになっていいのである。自分はもう老人で健康にならなくてもよい、次の世代に健康も幸せも譲るという考えは、愛情あふれて合理的のように思えるが、地球は一部の人達の為にこの地を提供しているのではない。全ての人に健康になる資格と権利があるのである。その考えがあって初めて自らの健康を確立できるのではないかと考える。
2024.07.22
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ムラサキゴテン朝6時10分から25分までの15分間「今日の健康」を放映している。最近は認知症について解説しており、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症等が紹介されていたが、本日は前頭側頭型認知症について説明してくれた。あまり聞きなれない認知症だが社会に大きな影響を与えており、もっと人々に知ってもらいたいと講師の先生が言っていた。全国で1万2000人位いて平均発病年齢が55歳とかなり若くして発病する病気で9割が70歳未満である。前頭葉は欲望をコントロールして倫理的に正しい行いをするようリードし、思いやりを司る領域なのでそこが故障して委縮してしまうと万引きとか痴漢行動などが悪いこと、恥ずかしいことと感じられなくなり、平気で犯罪を犯してしまうとのことである。車の運転をしていてもわき見運転をして、交通道徳、標識を守らずこの病気の人の75%は交通違反や交通事故を起こしているとのことである。側頭葉は漢字とか芸術に関係する領域だがその部分が故障して委縮が起こると、漢字の意味が分からなくなったり、誤った読み方をするようになるとのことだった。いずれにしても突然変なことをするようになり、おかしいなと思うが まだ若いし、まさか病気とは気づかれないことが多いとのことだ。会議中突然いなくなって帰ってこなかったり、毎日午後2時になるとコンビニに行ってチョコレートを買ってくるとか、今まで真面目な人だったのに急に電車内で痴漢行為をするようになったとか、良いことと悪いことのけじめがつかなくなってしまうとのことだった。毎日、痴漢やあおり運転、万引きや自分勝手な行動等何らかの反社会的な事件が起こっているがそれらを起こしている人達の大半は前頭側頭型認知症の人達かもしれない。ロシアのプーチンさんもそうかもしれない。その病気の予防や治療のために各国とも全力をあげて対応してもらいたいと思う。
2024.07.12
ローゼンセマム医療機関にはそれぞれの役割があり、急性期の病院、その後を引き受けるリハビリ病院、慢性疾患を診る慢性期病院などがある。急性期病院では手術を行うことが多く、その後のリハビリを当院で受け持たせていただいている。骨折手術後でも基礎疾患に認知症や、脳卒中があり、骨折よりそちらの病気の対応が主の患者さんもいる。前医で褥瘡をつくってしまってから転院してくる患者さんもいる。褥瘡が一番できやすいのは尾てい骨部で、骨が出っ張っていてベッドとこすれて壊死に陥り、皮膚に穴が開いてしまう。一度それができると治すのは非常に困難なので、こまめに体位変換したり、おしりにクッションを入れたりして予防に努めている。当院で褥瘡を作ることはまれだが他院からは褥瘡を作った状態で送られてくる患者さんが結構いる。褥瘡予防管理を十分やって頂けなかったのかと前医を責める気持ちになることがあるが、病気の状況などで褥瘡予防管理が十分できない事情があったのかも知れない。褥瘡持ちの患者さんを紹介してくれる病院は、決まった病院に多い傾向があるが、全ての病院で褥瘡予防対策を徹底してもらいたいと心から願っている。
2024.07.01
庭のストケシア金曜日の夕食後しばらくしてから激しい腹痛が始まって耐えきれない状況になり、横になると少し軽快するのでやっとの思いで風呂に入って二階に上がって寝てしまった。時々このような痛みに襲われるがその後下痢が始まって下痢を出してしまうとその後はよくなるのでいつもと同じ所謂急性胃腸炎かと思ったが下痢がなく、痛いだけであった。土曜日の朝は痛みが止まっていて治ってよかったと思ったが、また夕方頃から痛くなり、夕食は食べられなかった。痛みが尋常ではないので、いつもの急性胃腸炎とは異なり、腸閉塞とか癌とかもっと重い病気かも知れないと思った。もう高齢なので覚悟はしているが、いよいよ最後の時が来たのかもしれないとも思った。明日はピアノのレッスンがあり、2週間後には本番の発表会がある。そのどちらも無理なのかなと思えたが前日寝て起きたら軽快していたので土曜日も何もしないで寝てしまった。日曜日の朝は痛みがなく日中排ガスも排便もあり、これで治ったかなと思ったが月曜日の明け方痛みで目を覚ました。朝食は少し食べられた。出勤する時、妻が「あまり痛いようなら帰ってきなさい」といってくれたが勤めとはそんなものではないのでのんきなことを言っていると思いながら家を出た。幸い激しい痛みはなく、午前中の任務を終え昼食を食べたが殆ど食べられなかった。今昼休みでこれを書いているが、レントゲンでも撮ってもらおうかと考えている。腹痛にしろ、歯痛にしろ、胸痛にしろ痛いのは耐えきれない。適切な検査と痛み止めを考慮していこうと思う。
2024.06.24
サルビア6時25分からテレビ体操をしているが、それより早めにスイッチを入れると「今日の園芸」や「今日の健康」などの番組を放映しており。最近は認知症に関する番組が続いていた。2回視聴したが1回は認知症カフェのこと、一回は認知症家族の会(介護者の会)のことだった。カフェは全国に8000くらいあるが自治体や病院、篤志家などが主体になって開かれており、患者さん、家族、看護師、医師、役場職員など誰が参加してもよく、原則参加費無料とのことだった。私が以前勤めていた病院でも開催しており、月に1~2回開催し1時間半から2時間くらい菓子などを食べながら患者、介護者、看護婦、役場の保健師などが色々な話をしていた。一般に介護者が大変と思われているが口に出せなくても患者さんも大変だと思う。患者と家族の気晴らしの場所として全国でその数が増えているのはいいことだと思った。私がかって勤めていた病院ではお茶菓子代として参加費150円位を徴収していたが、少しでもお互いの気持ちがほぐれるなら安いものだと思った。認知症家族の会も沢山あるらしい。全国都道府県全てにその支部があり、参加は自由で参加費は無料のようだ。ネットで認知症介護者の会○○県で検索すれば連絡先が分かるはずですとのことだった。一人で苦しまないで、同じような患者を介護する人たちで話し合い、少しでも心を軽くして患者さんに対応していくことで患者、家族の関係が好転した例も数多くあるようだ。講演会なども開催されているのでそれらの会と連絡をとり、苦しんでいるのは自分だけではない、と明るい前向きな気持ちで生きてもらいたいと願う。
2024.06.18
チェリーセージ先日猫背についての番組があった。猫背には首が前に曲がっているもの、背中が前に曲がっているもの、腰が曲がっているもの、お腹が前に突き出ているもの等があるとのことだった。出演者の一人が遺伝しますかと聞いていたが遺伝するとの明らかなエビデンスはないとのことだった。曲がってしまった背骨は治すことはできないですか?の質問には脊椎は臼みたいな小さな骨が積み重なったもので真っすぐの一本の骨ではない。一本の骨が曲がってしまったのなら治すことはできないが、臼の様な小さな骨を支えている靭帯や筋肉が猫背の形に骨を並べているのでその気になれば治らないことはない。普段の日常生活での姿勢が悪いことが猫背の原因なので姿勢を正しくすれば治らないことはないとのことだった。基本は人々は座っている時間が多いので座る姿勢を正す必要があるとのことだった。椅子に座ったら姿勢を正して座る姿勢を心がけることが大切とのことだった。道を歩いていてふとウインドガラスに写る自分の姿を見て、あまりに猫背なのに愕然とする。歳を取ったら仕方ないのかと思っていたが、座る時正しい姿勢で座ることを心がけたら治るかもしれないとのことだったので、心がけてみようと思った。
2024.06.13
バラは結構長い間花を咲かせている。今も咲いている赤いバラと白いバラリハビリ病院に入院してくる患者さんは骨折、中でも大腿骨頸部骨折が多く、その手術後のリハビリ患者さんが多い。自宅、もしくは施設に入っていて転倒して骨折するケースがほとんどで、転倒したら殆どのケースで大腿骨頸部を骨折する。加齢に伴い同部の骨が弱体化してきていることと転倒した時同部に力が加わり易いためと思われる。昔は年齢や体力等様々な条件があり、簡単には手術が出来なかったので寝たきりになり、廃人になってしまうことが多かった。ところが今では90歳以上でも殆ど即座に手術してくれてリハビリ病院に送られてくる。合併症が無い限り3か月もすれば独歩又は杖をつくなり、歩行車を用いて退院していく。手術は殆どが人工骨頭置換術で翌日からもう歩いてよいと指示されることが多い。骨折部に金属棒を入れて骨接合術が行われることもあるが、その場合でも寝たきりにならないように手術後早期にリハビリが開始されている。 骨折しても廃人にならなくて済むありがたい時代になり、医学の進歩をしみじみと感じているが、骨折しないに越したことはない。高齢になると筋力が衰えバランス感覚が鈍くなり、容易に転倒してしまう。布団の上で転んで骨折したり、廊下や居間で何かにつまずいて転倒することもある。高齢になったら壁伝えに歩いたり、何かにつかまりながら歩くようにした方がよいと思われる。
2024.06.12
ラムズイヤー(子羊の耳)葉が柔らかくフアフアしているのでこのように呼ばれる。この頃毎日のように私の受け持ち患者さんが入院してくる。昨日入院の方は83歳男性でパーキンソン病とレビー小体認知症の患者さんで誤嚥性肺炎後のリハビリ、今日入院は80歳女性でアルツハイマー型認知症で大腿骨頚部骨折後のリハビリ入院だった。お二人とも呼びかけても殆ど反応がないくらい認知症が進んでいて、リハビリといってもやれることは少なく、褥瘡の進行を遅らせ、治せるものなら治してやれるように体位変換等を行ってやるのが精いっぱいの印象であった。昨日入院の人は耐性菌の感染もあり、リハビリの度に感染防御服を着なければならず大変だが早速今日から理学療法士がリハビリを開始してくれていた。合併症のない骨折とか脳卒中の患者さんのリハビリなら所定のリハビリを行えばよいが多くは認知症を合併しており、そちらの方の管理が大変なことが多い。今日入院女性は骨折するまで自宅でご主人が介護しており骨折が治った後もし可能なら再度自宅でご主人で介護できたらと思っているとのことだった。お二人とも認知症が進んで人生の終末期を迎えているように思われるが、お二人のご家族からは少しでも命を長らえてもらいたいというお気持ちが伝わってきた。医師や病院の役割は少しでも患者さんを健康にしてやることだが、それをしてやれそうもない患者さんを受け持った時は辛い。それでも患者さんにとって一番いい状態はあるはずなのでそれを目指して頑張っていきたいと思う。
2024.06.07
イトバハルシャギク(糸葉春車菊)今日のラジオ番組「話題のアンテナ・日本全国8時です」の話題はセカンドオピニオンであった。今まで治療を受けている医師がいるけれど別の見立てがあるかもしれないと思って他の医師を受診して意見を聞くことである。アメリカではかなり一般化されているが日本では今見てもらっている医師に失礼になると思ってあまり利用されておらずある調査では19%位の利用にとどまっているとのことだ。現在では何科も細かく専門分化されており、今診てもらっている医師とは別の専門の医師に診てもらいたいと思うこともあるかも知れないが、多くの場合はそれは言いずらいのでそのまま診てもらっていることが多い。そこでそのような患者さん向けにセカンドオピニオン外来を作ったり、オンラインでセカンドオピニオンを引き受けてくれる病院もあるとのことだった。セカンドオピニオンが必要な場合は、手術が必要な場合とか、がん治療でどのような治療法を選ぶかのケースが多いと思う。いま診てもらっている医師が気の回る人なら、必要な場合は、この病気でこの状態ならあの医師が最適だろうと紹介してくれるが、そうでない場合はその医師のおっしゃる通りの治療を受けるか、セカンドオピニオンに意見を聞くことになる。そこで上述のセカンドオピニオン外来とかオンライン外来などを利用することもあるかもしれないが、それらはまだ一般的ではない。要は医師が自分の限界を知っていて、この病態ならあの病院、あの医師がよいと勧めてくれる雅量があれば一番いいのだと思うが、実際にはまだ料簡の狭い医師もいる。病気になったらよく勉強していて料簡の広い医師を選ぶのが良いと思う。
2024.06.04
サツキ今、回診を終えてきたところである。ほとんどがご高齢の方で骨折や肺炎後の廃用症候群、脳梗塞後で食事が食べられるようになった人、まだ食べられなくて鼻管や静脈を介して栄養している人、認知症の人など様々である。実際のリハビリの主体者は理学療法士や作業療法士、言語聴覚士さん達だが、看護師や医師の役割は全身状態の管理や激励である。鼻管や胃ろう、経静脈的栄養で何年も命を長らえている人もいるが、そういう人は激励しようにも何の反応もないので戸惑うが、意識のある人たちと同じように激励させていただいている。意識のある人は1日1回のこの回診を心待ちにしてくれていて、特に認知症の方はその傾向が強い。自分も入院患者さん達とほぼ同年代なので、患者さん達の苦しみが良く分かる。骨折は3か月、脳卒中などは6か月と入院期間が決められていて、その後は自宅に帰るか施設に入るか決めなければならない。脳卒中や認知症は施設がベストだが、家に帰る場合も含めて受け入れてくれる家族の態度によって患者さんの幸福度は変わってくる。施設は金がかかる、自宅退院は介護が大変だとして退院間近になっても、行き先が決まらず、宙ぶらりんで不安な状態に置かれる患者さんもいる。高齢になれば病気は付き物で、家族さんたちにしてもいつ自分達が入院患者さん達と同じような立場になるかもしれない。患者さんの配偶者やお子さん達やご兄弟の方は、将来自分達が同じ立場になるかもしれないことを思って、厄介者と思わないで、患者さんにとってどうしてやることが一番いいかを考えて退院先を決めてもらいたいと思う。
2024.05.21
アルテッシモ(バラ)小林製薬の紅麴サプリ、悪玉コレステロールを低下させるとするコレステヘルプ服用者で腎臓機能障害の患者が続出して大きな社会問題になっている。近年、病気になってからでは遅いので予防医学の重要性が叫ばれ、ビタミンやミネラル、タンパク質、良質の脂質、記憶力を回復させる物質などを含有するとする健康食品を摂取する人が増えている。2019年の20歳以上の男女についての厚労省調査では体調が悪いので服用する人もいるが大半の人(70%位)は健康維持、増進の為に服用しているとのことである。その調査で何らかの健康食品を摂取している人は男性3割、女性4割弱摂取しているとのことだった。それを摂取したために本当に健康が保たれ、増進できたかの科学的実証は行われていない。アメリカでは成人の約8割は健康食品を摂取しているとのことで、日本でもその摂取率はさらに上昇していくことが考えられる。昨日の朝の教育テレビ「今日の健康」では肝臓に良いとされる健康食品「うこん」やハーブを摂取して肝炎を起こした症例の報告があり、サプリメントと病院で貰った薬を一緒にのんでいてやはり肝炎を起こした症例の報告もあった。「このサプリメントは健康によいです」との宣伝につられて、多くの人に利用されているが、医薬品と違って効果の実証や副作用の提示などは求められていない。今度の小林製薬の問題を受けて何らかの規制をすることが検討されているが、何と言ってもそれを摂取する各個人の選択眼が問題になる。摂取する場合は、昨日の「今日の健康」でも言っていたが、医師や薬剤師に相談してから摂取するのが良いと思われる。
2024.05.04
赤いバラ アルテシモ2000年度に21世紀における健康づくり運動としてスタートした健康日本21はほぼ10年ごとの改定を経て本年4月より第3次健康日本21が始まり2035年まで続く。第3次の基本ビジョンは「全ての国民が健康で心豊かに生活できる持続可能な社会の実現」であり、その実現のために4つの基本的な方向が示された。1)健康寿命の延伸と健康格差の縮小ただ生きているだけでなくほどほどの日常生活ができる状態の延長と、貧富や家庭環境の差などによる健康格差を少なくしていく。2)個人の行動と健康状態の改善適正体重の維持、BMI18.5以上25未満、野菜摂取量の増加・平均値350g以上、運動習慣者の増加、国民の40%以上、睡眠時間の確保6~9時間(60歳以上は6~8時間)、純アルコール摂取量男性40g以上、女性20g以上の者10%以下に減らす、20歳以上の喫煙率12%以下に減らす。糖尿病有病者1,350万人以下に減らす。COPD(慢性閉塞性肺疾患)の死亡率を人口10万人当たり10人以下にする。3)社会環境の質の向上健康的で持続可能な食環境づくりの推進、居心地がよく散歩したくなる街づくりの推進、など健康を個人の責任だけに帰するのでなく、社会全体で取り組んでいく姿勢が示された。4)ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり子供や高齢者、女性などライフコース(年代や性別)に合わせたきめ細やかな健康づくりの指針、例えば女性では痩せすぎの予防、過量飲酒者の減少、骨粗しょう症検診受診率の向上等が示された。健康日本21は厚労省が決めて各都道府県に発令して目標値に到達するように指導する内容である。第1次では胃がん検診、大腸がん検診、乳がん検診の受診率の向上など、個人の健康意識向上が中心だったと思われるが第3次では健康づくりが個人の努力はもとより社会環境の整備にまで広がってきたと言えよう。国の通達文章は長文で難解だ。表やグラフも難解である。市町村がどれだけその本意を理解してくれるか分からない。私は上記4項目に絞ってサマリーを書いたがそのバックとなる書類は膨大である。もっと分かりやすくして市町村だけでなく一般の人にも公表してもらいたいと思う。この4月から第3次健康日本21が始まったことを知っている人は余りいないと思う。市町村に対する締め付けが大きい内容だが、当然のことながら個人が努力しなければ達成できないものが多い。新聞、テレビで宣伝すべきだと思う。
2024.04.28
ハナニラ○○市医師会報に小生の書いた「リハビリテーション医療に従事して」が掲載された。医師になったばかりの時は2年間6か月づつ内科、小児科、皮膚科、病理検査科をローテートして、その後郷里の○○市の国立病院で循環器系を中心に内科全般の入院患者さんの診療で5年間勤め、その後神奈川県の大学病院に移ってからは胃カメラなどの消化器系検査などを主に担当して5年間働いて博士号を頂き、その頃郷里の山梨に医大ができたので草創期の消化器内科に入局した。大学に4年間務めた後厚生連健康管理センターに出向して検診業務に20年間従事して退職し、求めに応じてxx市の急性期病院に勤めることになり、内科全般の患者さん達の診療に12年間従事した。このような経過を見てくると、ある医師の専門科は大学卒業時までに決まっている訳ではなく、大学を卒業してから入局する医局や自分の希望で好きな科目を選んで専門にしていく経過がお分かり頂けたと思う。xx市の急性期病院を退職したあと、しばらく家にいたが誘ってくださる人がいて今のリハビリテーション病院に勤めることになり、4年が経過した。今まで循環器科、消化器科、検診科、総合科などで働いてきたが今度はリハビリテーション科という新しい分野で、骨折、脳卒中、パーキンソン病、その他の指定難病のリハビリを行う病院で、理学療法士その他が、機能回復のために専門的治療を行っている所である。毎月、理学療法士、作業療法士、言語聴覚療法士、看護師、医師、ケースワーカー達がリハビリの進行状況について話し合い(カンファレンス)を行い、その結果を医師が家族との面談で伝えている。一般病院だと診断から治療、退院後の入居先など殆ど全て医師の責任で行うが、リハビリ病院では多くの職種が関わり、医師の権限や責任が分散されて医師の責任が軽くなった印象だが、飲み込めなくて鼻管から栄養を入れていた人が言語聴覚士や看護師による訓練で飲み込めるようになったり、多発骨折で寝たきりになるかも知れないと思われていた人が、杖を突きながらでも歩けるようになった時の喜びはチーム全体の喜びであり、やりがいのある仕事だと思っていると書かせて頂いた。
2024.04.18
ピンクの芝桜昨日は日曜日で休みだった。休日ということで気のゆるみもあったのか天気は良かったのに体調はすこぶる悪かった。食欲がなく、気力がなく、何もする気が起こらず、屋内を歩くのもよぼよぼ、よたよたで、いよいよ寿命が尽きる時が来たのかなと思った。そして月曜日の朝が来た。毎朝6時10分に目覚まし時計をかけておくが、起きた時の脱力感、倦怠感、力の無さは今までの日々と同じだった。でも昨日は出勤しなくて良かったが、今日は出勤しなければならない。車に乗った時にギアチェンジされ、病院に着いたら昨日の脱力、絶望状態の人間から別人になっていた。廊下の歩き方から違った。患者さんの回診でも相手の様子を把握し、きちんと激励してやることが出来た。先日の受け持ち検討会議でブログ仲間のだいちゃんの奥さんが褥瘡持ちとのことなので、多発骨折で褥瘡がある85歳女性を私が受け持つと申し出ていたので、本日その患者さんが入院してきた。在宅療養後しばらく経過してからの入院で、骨折は既にほぼ治癒していたが、術後のリハビリが十分行われておらず寝たり起きたりが十分できず、歩行ができない状態だった。これからリハビリで歩行器とか杖を使ってでも歩けるように訓練していくことになるが、褥瘡があるとそのリハビリにもかなり影響を与えるのでその褥瘡を詳しく観察した。2月頃からそれが出来始め、近医受診して軟膏を貰って塗っていたとのことである。今日の診察ではかなりよくなっており、あと数日で治るところまで改善していた。だいちゃんの奥さんは既に半年近く経過しており、治癒に時間がかかっている。基礎疾患とか骨折の部位や状態によって褥瘡の治り方は違うので実際に診察しないと何とも言えないが、だいちゃんには3か月で殆ど治った人もいるので基礎疾患などの違いで治癒が早かったり遅かったりするが希望を持って介護にあたって下さいと激励してやる予定である。昨日と今日を比べてみた。日曜で家の中にいると気が緩んで、だらしない格好でぐうたら生活しているが勤めに出ると周りからの眼もあるので、気持ちでも、能力でも格段に良い状態だったと思った。残り少ない人生、日々、楽しく充実した人生になるよう心掛けて行きたい。
2024.04.08
【中古】 運動脳 新版・一流の頭脳/アンデシュ・ハンセン(著者),御舩由美子(訳者)価格:847円(税込、送料別) (2024/4/7時点)楽天で購入今スエーデン人のアンデシュ・ハンセン氏が書かれた「運動脳」が話題になっている。運動が健康に良いことはほぼ通説になっているが、本書はどのように効果があり、どのくらいの運動をしたらよいかを具体的に示しているので、納得できる。著者は精神科医なので、うつ病や無気力病、学力低下、認知機能障害など全てに効果があるとしている。うつ病だからと言ってどんなに良い薬を飲んでも、家の中でじっとしてしていたら症状は改善しない。運動をすることによって無気力病は改善し、生き生きしてくる。そんなに効果があるというなら運動の方法はさぞかし難しいのではと思われる方もいるかもしれないが至って簡単なものである。それは①1日30分の運動で良い。サイクリングでもジョギングでもウォーキングでもよい。有酸素運動で酸素を取り込む運動なら何でもよい。②その運動によって脈拍数が増加するものが良い。③毎日行うように習慣化することが大切この3つさえ満たされた運動をしていれば、必ず脳は満足し、健康になって幸せになるというのだ。そんな簡単なことで今までの悩みが解消されるとはとても思えないとおっしゃる方は多いと思われるが、運動するとアドレナリンなどのホルモンが分泌され、脳の海馬は成長し、人類がサバンナに住んでいた頃の原始脳に戻ることや改善治癒した具体例なども示してくれるので、興味のある方は一読をお勧めする。
2024.04.07
エンドウの花、妻が昨年11月頃苗を植えてその後雪も降ったりして何度か枯れかけたこともあるが最近暖かくなってきて遂に花を咲かせた。2018年本庶裕先生達がノーベル医学生理学賞を貰った。それは従来の抗がん剤は癌細胞を殺すけれども正常細胞をも傷みつけるので副作用が問題になっていたが、副作用のない抗がん剤の理念を確立したところにある。本庶さん達は癌細胞が出すPD-L1がPD1と結合して人体のT細胞からの攻撃を逃れていることに着目し、抗PD-L1,抗PD1薬が免疫チェックポイント阻害薬として癌治療に使えることを発表した。要するに人体内にある白血球の一つであるT細胞は病原体や癌などの異物が体内に入ってきたり、生じてきたら直ちに攻撃して食べてしまうが、癌は上記PD-L1という物質を出してPD1と結合して膜を作ってT細胞からの攻撃から逃れてぬくぬくと成育してしまっていたので癌が身を護るために出すPD-L1に抗体を結合させて癌を丸裸にしてT細胞に攻撃してもらうようにする治療法を発明したのである。いまやその治療法は癌治療の主役になりつつある。しかしこの免疫チェックポイント阻害薬を用いても良く効く場合とあまり効かない場合があった。そこで近畿大と京都大のグループが、肺がんの多くを占める非小細胞がんの患者に対し治療開始前に患者の血液を採取して調べたら、PD-L1やPD1の濃度が低い場合は効果が大きいが、濃度が高い場合はあまり効果が無いという結果を4/1のアメリカ科学雑誌に発表したとのことである。いまや抗がん剤の主役となりつつある免疫チェックポイント阻害薬について最も効果のある使い方等について役立つ研究と思われた。異物である癌細胞を何故私達の体内にある自衛細胞であるT細胞がやっつけてくれないかがわってきたが、今後は彼らがT細胞から逃れるためにかぶっている保護膜を完全に剥がすにはどうしたらよいか益々の研究を望むものである。
2024.04.03
小林製薬の健康食品紅麹コレステヘルプを摂取した人が腎障害を起こし、血液透析しなければならなくなった人や死者も出ているという。紅麹は真っ赤な麹で酒や味噌等を作る時使用すればコレステロールを下げて、血圧も下げ、活性酸素を抑制して老化予防になるとして小林製薬は発酵食品会社に販売したり自社でサプリメントして販売していた。今回被害報告が出ているのはサプリメントに関するものだがお酒や味噌その他の原料として販売したものも自主回収を行っている。紅麹を作る過程でシトリニンという成分が混入してくることがあり、これが腎障害を起こすことは知られていたが、小林製薬の調査ではシトリニンは含まれていないとのことでそれとは別の有毒物質が産生されたか混入された可能性があるとして調査している。健康志向の高まりで健康食品(サプリメント)を摂取している人は極めて多い。健康になりたくて高いお金を出してサプリメントを買って飲んでいるが、健康どころか腎障害を起こして透析したり死んだ人も出ているとは大事件である。現在サプリメントの有害性についての審査はあまり厳密に行われていないので、今回の事件を機に、あらゆるサプリメント製品について有害物質の有無について事前に厳密な調査をするシステムを導入するべきだと考える。
2024.03.26
ビオラポーリング博士は二つのノーベル賞(化学及び平和)受賞でも有名だがビタミンC の研究でも有名である。ビタミンCを食品やサプリメントから多く摂取することによって癌の予防や免疫力を高め風邪などにかかりずらくなると説明している。医師たちは野菜などの食品から必要摂取量を摂取すれば十分としているがポーリング博士はサプリメントなどからもっと多量に摂取することによって多くの病気を予防することが出来ると対談書「生命の世紀への探求」の中で述べていた。
2024.03.15
本日撮影したレンギョウ,家内が20年位前に友人から頂いたもの「生涯健康脳」を読み終えた。従来は青年期までに脳は出来上がってその後は次第に脳細胞や神経線維は減少していくだけであると信じられてきた。しかし最近の研究では次第に脳細胞が減少していくことは事実だが左右の側脳室の中にある海馬という部分は生活状況によっては高齢になっても成長することが分かってきた。そこで脳に栄養を与える良い生活習慣と脳を委縮させてしまう悪い生活習慣について説明してあった。〇脳に良いことでは有酸素運動が脳を活性化させるとのことである。有酸素運動というのはサッカーやラグビーのように激しい運動でなくウォーキングのような軽い運動でしっかり呼吸をしながら継続的に酸素を体の中に取り込む運動で、これが脳に対して最もよいとのことであった。1日30分の歩行で十分とのことである。次に良いのはウォーキングしながらしりとりしながら歩くのである。有酸素運動をしながら頭を使うことになり脳を活性化させることが出来る。次は睡眠で十分な質の良い睡眠は認知症の原因になるアミロイドβを洗い流してくれてストレスを取り除き記憶力も高めてくれる。7時間は睡眠時間を確保したいが、よく眠れるように昼間日光にあたるとか寝る時間や起きる時間をいつも一定にすることも大切である。脳を活性化させるために運動と並んで大切なことが知的好奇心で、見たい、聞きたい、知りたい、してみたい、行きたいなど様々なことに興味を持ちいつもワクワクときめいている状態は脳にとても良い。趣味を持つことは脳にとって素晴らしい効果が期待できる。人との交流、コミュニケーションは脳を健康にして認知症予防になる。音楽を聴いたり演奏したりすることは脳にとって大変良い。■反対に脳に良くないことでは飲酒が上げられる。アルコールの摂取量が多い人ほど脳の萎縮が見られるので飲まないにこしたことはないが飲む人は控えめにすることが重要である。肥満は脳が委縮して認知症のリスクを高めるので、肥満度24(体重㎏/身長m2乗)未満を保つようにしたい。糖尿病、動脈硬化、高血圧は認知症リスクを高めるのでしっかり治療する必要がある。ストレスは海馬を委縮させるので、ストレスに耐えられるように自分をコントロールする力をつける必要がある。以上脳に良いことと悪いことを具体的に例を上げて説明してくれてあった。酒については私は毎晩飲んでいるので認知症になりたくなかったら止めた方がいいかなと思い始めている。
2024.03.03
【中古】【全品3倍!3/1限定】生涯健康脳 / 滝靖之価格:218円(税込、送料無料) (2024/2/28時点)楽天で購入瀧康之さんの生涯健康脳を読んでいる。表紙カバーの裏に「幸せに生きるということは脳を健康に保つということと同じです。そして嬉しいことに生涯健康脳を保つ方法は日常生活の中で簡単に出来ることがいっぱいあります」と書いてあり、本文の中で生涯健康脳を保つ方法を目次の形で列挙していた。脳の最高の栄養素は知的好奇心楽しい、嬉しいが脳を元気にする知的好奇心を刺激する趣味を持つ新しいことをすると脳が活性化するコミュニケーションが脳を健康にする有酸素運動が脳を活性化させる反対に脳を不健康にする事はストレスは海馬を委縮させる大きな心の傷は海馬も帯状回も委縮させる(海馬は側頭葉の後方部組織で記憶に重要な関りをもており、齢とってからでも成長を続けていると言われている組織である)おっしゃりたいことは、ストレスとか心の傷は脳を委縮させるので、失敗してもくよくよしないで早めに気持ちを切り替えて、知的好奇心を刺激する趣味などに没頭するのがいいみたいだ。
2024.02.28
遂に認知症の薬レケンビが2023/12/20にエイザイから売り出された。製薬会社の人がその薬を使って下さいと病院に説明に来た。治療法はレケンビを2週間に一回点滴で投与する方法だがプラセボ(偽薬)との比較では明らかに効果はあるみたいだが、点滴したら認知症がケロリと治るには程遠いようだ。対象は軽度の認知症で認知症の進行をある程度抑えるが元の様な正常脳になるというところまではいかないようだ。治療の原理は脳内に老廃物であるβ蛋白が蓄積することによって発病するという考えから、それが蓄積しないように抗体を注射して異常たんぱくに抗体を結合させて老廃物の蓄積を防ぐというものだが、最初からそんなにうまくいくものではないと思った。これから改良を繰り返したり、使用法を変えてみたりして認知症が治る薬になってくれることを願っている。
2024.02.26
縁側に置いて避寒していたゼラニウムが咲き始めた現在65歳以上の高齢者の内、認知症の方は602万人おり、65歳以上の人口の約6人に一人が認知症になっている。年齢別に見ると60歳代だと30人に一人、70歳代だと5人に一人、80歳代だと3人に一人、90歳代だと二人に一人以上と年齢が上がるにつれて増えている。長命化して80歳以上、90歳以上まで生きる人も増えてきたが、3人に一人とか二人に一人は認知症では長命化しても幸せではない。そこで日頃からの認知症にならない心がけが必要になってくる。その大切な要点を脳科学者の瀧康之さん達は5つのポイントとしてアドバイスしている。その5つとは1.糖尿病、高血圧、動脈硬化症などの生活習慣病について予防に努め、既に病気にかかっている場合は治療を行う。2.適度の運動を習慣化して体力弱化を防ぎ、酸素を体や脳に取り込む。3.何事にも真剣に取り組んで達成感を味わう。やり遂げた喜びを感じながら生活する。4.地域や同好仲間やSNS等で多くの人と楽しく交流する。5.旅行とかガーデニングとか囲碁や将棋、音楽やダンス、習字など自分が好きなことに没頭して絶えず好奇心を持ちながら暮らす。口で言うのは簡単だがこれらを習慣化して実行していくのは大変だと思うが、要点は好きなことに没頭することだと言われているので、何でもいいので好きなことを見つけて打ち込んでいけば5つのポイントを満たしていくことになるのではないかと思われる。私も心がけて行こうと思う。
2024.02.23
昨日の新聞に東北大学加齢医学研究所の瀧靖之先生が子どもの能力を効率的に伸ばすには脳の発達の順番に合わせて習いごとをしていくのが良いと述べていた。視覚や聴覚が発達る0歳児は図鑑や絵本や音楽に触れさせ始めるのに適しており、運動野が発達のピークを迎える3~5歳頃はスポーツや音楽演奏、バレエ等に良い時期ではないかと述べていた。語学の獲得は早ければ早い方がよいとは必ずしも言えず10歳頃までに始めるのが効率的という報告があるとのことだった。将来の可能性を広げていくのに欠かせないのは「知的好奇心」を育てることだと強調していた。知的好奇心とは、「これはなんだろう?」「どうなっているの?」「どうしてこうなるの?」と自ら興味を持ち、それについて「深く知りたい!」と主体的に探索したり、没頭したりできる力で、もっと簡単にいえば、ものごとに興味を持って、ワクワクする気持ちを味わわせてやることで、わくわくした気持ちが記憶と密接に結びついて忘れられないこととなるとのことだ。伸びる子に育てるには早くから子供の好奇心を育て上げることが重要で山野や公園などに行って自然にふれることも重要だと述べていた。好奇心を育て、適齢期に合わせて習いごとや情操感を育て、しなやかでたくましい子供を育ててもらいたいものだと思った。瀧靖之先生は脳科学の成果を実用化させるために多くの著書を書かれている。その中に「生涯健康脳」という著書がある。今までは脳はいったん成長が終わった後は脳細胞は減少するばかりで抜け殻のようになって生涯を終えていくと信じられていたが、最近の研究で脳内にある海馬という部は高齢になっても神経細胞を増やしていることが分かったとのことである。従ってその気になれば、生涯成長を続ける健康な脳でいられるのだ。その具体的生活法は、近年の脳科学研究により、脳の活性化を促し、将来的な認知症のリスクを下げる方法が明らかになってきており、その中でも特に有効な3つの生活習慣があり、それはすなわち、「好奇心」「有酸素運動」「コミュニケーション」を心がけることとのことだ。その具体的方法については大体推察できるが詳しい内容については本日早速この本を買って読んでみようと思っている。
2024.02.22
土曜日に久しぶりに山梨大学医師会講座を聴きに行ってきた。長期にわたってコロナが猛威を振るっておりウェブサイトを介して在宅参加の学会や講演会はあっても会場に集まって講演を聴く機会は殆どなかったので今回県医師会館で直接講演が聴けるということで参加してきた。医大の専門の先生が3つの演題について講演して下さった。1)肝細胞癌の治療、2)頭頸部癌治療の実際、3)肺がん診療の実際と展望の3題であった。1)の肝細胞癌については私も消化器内科医なので長く携わってきた癌で、B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスによって肝炎になり、一定の期間経過後肝硬変になり、その肝硬変に癌が出来てくると理解していた。ところが第一線からしばらく離れていたらその様態が随分様変わりしていたのに驚いた。ウイルス性肝炎→肝硬変→肝癌はむしろ少なく、アルコール性肝炎、脂肪肝性肝炎などが肝硬変になり、そこから肝がんが発生してくる方が多いとのことで晴天の霹靂であった。その治療法も免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療が主体になっており、2)3)の講演でも免疫チェックポイント阻害剤による治療が行われていて治療成績が向上しているとのことだった。今まで抗がん剤というと癌細胞をやっつけると同時に正常の細胞もやっつけるので副作用が大きく、あまり大きな成果はあがっていなかった。ところが免疫チェックポイント阻害剤(オブジーボ等)は副作用が少なく、かなりの成果を上げているとのことだった。癌が出来ると我々の体内にある白血球(T細胞)が異物だとして攻撃して殺してくれるはずなのに癌が生き残ってどんどん大きくなっていく。何故なのかを研究して日本の本庶裕博士が癌が白血球から攻撃されないようにチェックポイントと結合してしまうからでその結合を阻害する薬を注射すると癌は丸裸にされてしまい白血球に殺されてしまうことを発見してノーベル賞をもらった。その原理を応用した薬が免疫チェックポイント阻害剤であるが、理屈は分かっていたが実際面ではそれ程成果は上がっていないと思っていたが、今ではかなり成果を上げつつあるとのことで癌治療に光明がさし始めていることが実感できた。講演会に出席しなければ時代から遅れてしまうものだなとしみじみ思った。
2024.02.20
ヒガンバナの葉の時期、周囲は寒さで全て枯れているがこのヒガンバナだけは瑞々しい葉を茂らせている。今患者さん家族への病状説明が終わったところである。病気になる前は80歳の患者さんと70歳代の奥さんの二人で暮らしていた。娘さんは遠くに嫁いでいる。近々に退院期限が迫っていて自宅に帰るか施設を探すかで話し合った。患者さんは白血球が減ってしまう骨髄の病気で感染に罹りやすくなり、腸炎になったり肺炎になったり腎盂炎になったりして高熱を繰り返していた。今度も重い肺炎で40度の熱が続き、回復は難しいと思われていたが、メロペンという抗生物質が奏功して熱が下がり、酸素吸入もしないで済むようになり、食事も食べられるようになって車いすで色々なところにも移動できるようになった。トイレにも行けるが自分で大小便をすることはできない。おむつで対応するのがいいだろうということになっていた。看護師が「奥さんおむつ交換できますか」「お風呂に入れてやれますか」と聞いていた。奥さんも糖尿病や心不全があり、体が弱いとのことで介護で奥さんも倒れてしまうことを心配して施設入所を勧めていた。しかしご主人は絶対家に帰ることを主張しており、施設入所はまず受け入れてくれないとのことだった。それなら自宅退院して入浴などはデイサービスに行って入れてもらうようにしたらいいと思ってそのように話したら今までもそういうことがあったがデーサービスは絶対行かないと言って入浴やトイレ、体の清拭は奥さんの仕事で大変だったとのことである。そこで私に役割が回ってきた。ご主人が絶対家に帰ると言っているなら、私(医師)が患者さんに「どうしても自宅に帰りたいなら、デーサービスとかヘルパーさんを活用するようにしなさい。そうでないと自宅には帰れません」と何度もかなり強い口調で言って下さいと頼まれた。お安い御用だが、ご主人はそれを了解したふりをして、実際にはどこにも行かず奥さんにそっくり面倒を見てもらうことになったら奥さんの健康が心配だ。毎日の回診の中で、そこだけは必ず守ってくれるように話していくつもりである。
2024.01.19
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高齢になると次第に目や聴力が悪くなってくるが案外気づかれていないものに嗅覚がある。私も数年前から漠然とは感じていたが、秋に松茸を食べた時に妻がいい香りと言っていたのに自分には全く匂わなかったので嗅覚が無くなってしまったのだなと思った。視力や聴力と違ってそれが無くなったからといって別に日常生活には大きな影響はない。ご高齢者ではとっくに無くなっているがそれに気づいてもいない人が相当数いるのではないかと思う。先日耳鼻科を受診した時に嗅覚がなくなったことを話したら、「最近匂いの復活に匂いのトレーニングが有効との報告があるので試してみますか」と言われたので「お願いします」と言ったら匂いを綿に染みさせたユーカリ、レモン、バラ、クローブの4本の試験官を渡された。朝夕10秒ずつ嗅いで下さいとのことだった。今日で5日目だが最初は全く匂わなかったが少しずつ分かるようになり、今日はかなり分かるようになった。最初から失われた嗅覚は戻らないだろうと思っていたが、もしかしたら戻ってくるかもしれないという期待が湧いてきた。嗅覚なんてあってもなくてもいいと思っていたが、松茸を食べる時匂いも分かった方がいいし、ガス漏れの時気づくこともできると思い、治るものなら治したいと思っている。
2024.01.14
やっと1月6日に左下一番奥の2本インプラントの歯が入った。歯を抜いてからだと11か月、土台を埋め込む工事(ねじくぎを骨に埋め込む)からだと8か月かかり随分長い期間がかかった。その間その部分には歯が無い状態なので随分辛い思いをしてきた。こんなことならインプラントなどしなければよかったと何度も思った。数か月前に仮歯を入れてもらった時はやっとここまで来たかと喜んで噛んでみたら噛めることは噛めるが今まで歯がなかったところに歯が入ったので唇や口腔粘膜をかんでしまい痛くて仕方なかった。本当の歯が入っても同じ状態なのかと心配したが一昨日それを入れて貰ったら多少粘膜を噛むが仮歯の時よりずっと良い状態でほぼ正常に噛めるので満足である。長い長い辛い期間があったことも忘れてインプラントにして良かったと思った。医学同様歯学も進歩したものだと思う。でも私より遅く別の歯科医院で工事を始めた人が私よりかなり早く仕上がって費用も安かったとの話を聞いて、費用のことや完成期間などを前もって調べて治療してもらえばよかったなと思った。今インプラントにしようかどうしようか迷っておられる方は、歯科医院によって多少の工事期間の長短はあるがいずれにしても長期の忍耐期間が必要で、費用もかかるが、完成した暁にはかなり具合がよいので、予算が許すなら造ってもらったらいいと思う。自費診療なので治療費や工事期間を良く調べて比較検討してお願いするのが良いと思う。
2024.01.08
ポトス医学の歴史を紐解くと最初は腹痛や怪我など病気になった人たちを分業的、専門的に診療する役割を担う人が現れそれが次第に内科、外科などに分化され、それがさらに細分化され、今ではおびただしい数の診療科に分かれている。内科は循環器、消化器、腎臓、神経、糖尿病内科、内分泌内科など限りなく細分化されている。外科も同様に細分化され、さらに内科、外科以外に、眼科、耳鼻科、皮膚科、産婦人科、精神科など数えきれないように細かく分かれている。ある人が病気になっても何科を受診していいのか分からない。そこでそれらを統括する総合診療科というのも出てきた。現在はストレス社会で精神を病んでいる人が多い。そこで日本内科学会雑誌の12月号は「内科医が支えるメンタルヘルス(精神の健康)」を特集に組んでいた。このストレス社会にあって、うつ病やその予備軍が増えている。それらの人はまず精神科受診を考えるが、精神科と聞いただけで怖気づいて受診を諦めてしまうことが多い。そこで内科医等が精神症状を拾い上げて、適切な対応をしていくことが必要になってくるという内容であった。精神科と言えばうつ病やパニック障害、不安神経症、統合失調症などが思い浮かぶが、その診断のきっかけは不眠や食欲不振、疲労感などが手掛かりになることが多い。現在心療内科や心のクリニックなど心の悩みを聞いてくれそうな科もあるが、一般内科でもいいと思う。患者さん側からみたら自分の悩みをよく聞いてくれる医院を選ぶことが大切だと思う。医師側からみたら、それが今月号の特集だが、患者さんの話をよく聞き、目には見えない病態の深みを探り、患者さんの苦しみを取り除くにはどうしたらよいか糸口を見つけ出してやることが大切だと述べていた。それには常に自分自身が体験し学んでいく必要があり、病気を治すのは患者と医師の共同作業であり、患者の苦しみの源まで降りてゆく基本姿勢がある人が良医なのだろうなと思われた。
2023.12.21
三重県の友人から送ってもらった最高においしいマコトミカンサンショウアルツハイマー型認知症はアミロイドβという物質が脳内にたまることによって発症するということが分かってきた。その蓄積を防ぐには青魚に含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸や緑茶に含まれるカテキンなどの摂取が効果的と考えられていたが今度日本のエイザイとアメリカのバイオジェン社が共同開発した認知症の薬レカネマブは免疫学的方法である物質をアミロイドβに結合させてアミロイドβを取り除く画期的な薬である。認知症者は120万人位いると言われているがそれを治す薬は今までなかった。基本的治療法は2週間に一回1時間かけて点滴して1年半治療する方法である。年間298万円かかるとのことだが保険が効くので年収に応じて1割負担乃至3割負担になる。高額療養制費度の対象にもなっており、その制度も使えば一割負担の高齢者の場合、年間14万4千円位になる。月にすると1万2千円で認知症の治療が出来ることになる。副作用も報告されており、そう簡単にこの薬で認知症が治るのかまだ分からないが、これを契機に認知症の薬が次から次に改良されて認知症が治る時代に早くなってもらいたいと願っている。
2023.12.14
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庭で咲いているガーベラ(今朝撮影、寒さで葉が枯れかけてきた)10年ぶりに健康日本21の第三次案が厚労省から11月27日に発表された。運動、食事、休息、環境など各部門について来年度(令和6年度)からの詳細な目標設定がなされた。ここでは運動部門について紹介する。運動を習慣化している人はそうでない人に比べ有意に長命であり、健康寿命が長いことから、運動について3つの目標が設定された。1. 日常生活における歩数の増加。目標は8000歩だが65歳以上の高齢者は6000歩と定められた。今ではスマホで簡単に歩数が計測できるので目標値に向かって努力して貰いたいとのことである。2. 運動習慣を持ってる者を増やす。現在運動習慣を持っている人は少ないので、現役世代は30%、65歳以上は50%を目標にする。運動の内容についても言及され、筋肉を増やす筋トレにも触れていた。筋トレについてはスポーツジムなどで行う場合は週2~3回、もしくは隔日行うことで筋肉を休ませながら行うのが良いらしいが、自宅で行えるスクワットとか腕立て伏せなどは自分で強度を変えながら行えるので、毎日でも良いとのことだ。スクワットはお尻や大腿部、下肢の筋肉が鍛えられ、誰にでも簡単にできて10回x3セット位が理想だが体力に応じて1セットでも2セットでもいいらしい。また座る時間が長ければ長いほど健康に良くない。座る時間を短くすることも健康日本21の主目標である。3.運動やスポーツを習慣的に行っていない子供を減らす。現状では1週間の総運動時間が60分未満の子供が男の子8%、女の子14.4%(小学校5年生)いる。これは男女によっても、学年によっても異なるので男女別、学年別の目標を定めて指導していくとのことだ。高齢になると筋肉量が落ちて、転倒骨折、フレイルやロコモティブシンドローム、認知症、生活習慣病(高血圧、糖尿病、心臓病、脳血管障害等)等になる人が多くなる。筋肉量を増やすことによってそれらの病気にかかる率が減少することは統計学的に示されている。スクワットは金もかからないし、容易に筋肉量を増やせるよい方法なので高齢者は習慣化するとよいと思う。ルーマニアのクルジュ・ナポカ市では、バス停に専用発券機が置いてあってその前で20回スクワットをすると無料の乗車券が出てくるとのことで、健康と旅行の一石二鳥で市民に喜ばれているとのことだが、その費用は民間企業が出しているとのことだ。市民の健康の為なので市で予算化してもいいと思った。厚労省は細かな字や図表で健康日本21を提言したが読む人は稀で、実効は少ないと思われる。スクワット何回、歩数何千歩など週単位もしくは月単位でスマホで記録してそれを役所に持参すればクーポンとか商品券を配布してくれるようにすれば、歩数を増やしたり、スクワットをする人が増えると思われる。空念仏を難しい言葉で何万語も連ねるより、実効性のある政策で示してもらいたいと思った。
2023.12.06
長い長い物語である。本年2月4日に左下の奥歯を抜いた。以前から抜けていた歯と合わせて2本インプラント歯を入れてもらうことにした。抜いてしばらく置いた5/8に歯肉の下にモクネジをねじ込む手術を受けた。ねじ込んだ後そのネジを隠すように歯肉を縫い合わせるのに何針も縫うので時間がかかり麻酔が切れる頃かなり痛かった。それから4か月後の9/26日に歯肉を切開して先にねじ込んだモクネジの頭に金属を取り付ける手術が行われた。その術後の写真が上図の左側の写真である。それから1か月後の11/4に仮歯の型を取って11/18に仮歯を入れてもらった。それが上図の右の写真である。12/2に本当の歯の型をとってもらえるとのことで、その後歯が入るので抜いてから約11か月かかって歯が出来上がるとのことで、随分時間がかかるものだと思う。抜けた歯に対する対策としては取り外しのできる部分入れ歯の方法がある。私も作ってもらったが中々噛みずらく、食後取り外して洗わなくてはならず面倒だった。私の両親のように総入れ歯にすると噛みやすいみたいだが、まだかなり自分の歯が残っているので、すべてを抜いて総入れ歯にするのは忍びないという気持ちがあった。そこでインプラントを思いつき、年齢制限があるのかと思って聞いてみたらCT写真をとって顎骨がしっかりしていれば年齢には関係ないとのことでインプラントを入れてもらうことにしたが、今にして思えば他の選択の方がよかったかなと思う。歯を抜いてから歯が入るまで長期間歯無しで過ごすのは辛い。良く噛めないので2.5kg位体重が減った。私のように明日をも知れないような高齢者の場合、長い忍耐の時間をかけてやっと歯が出来上がったら、死んでいたということもありうるので、いくら骨がしっかりしていても無謀なことのように思えた。超高齢者は総入れ歯か部分入れ歯の方が良いかもしれない。これから1か月後くらいには仮歯でないインプラント歯が入るのでそれを使ってみて、耐え忍んだ甲斐があったと思えるか否かまだ分からない。しかし、現時点では長期に渡っての歯がない生活は極めて辛かったので、もっと別の選択をした方が良かったなと思っている。
2023.11.22
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義兄から頂いた菊を地植えにしたもの、末広丸?県医師会報告に医の倫理に関する設問形式の問題が連載されている。今月号には66歳男性が腰痛で受診したがPSA値が高く精査の結果脊椎に転移した前立腺がんと判明した。その結果を娘さんに話したら「父がそれを聞いたら気落ちして死期が早まるに違いない。父には進行前立腺がんであることは絶対告げないで欲しいと懇願された。今後の対応で適切なものはどれか」を聞く問題で6つの選択肢から一つを選ぶ問題だった。Aは娘の意見を尊重して病名は告げない。Bは娘に病名を軽率に話したのがいけない。それは医療倫理に反することで今後は家族に最初に知らせることはしない。Cは患者に進行前立腺がんと告げるのは酷だから前立腺肥大症と告げてがんの治療を行う。Dは転移癌であっても治療できる可能性があるので娘さんにその状況をお父さんに話してくれるように説得する。Eは病人は本人であり、娘の意見は無視して進行がんであることを本人に話す。Fは患者本人に正しい病名を伝えないと後で訴えられた時に敗訴するのでまず本人に正しい病名と進行状態を正直に伝える。病名告知については昔は殆ど回答Aのように家族の希望もあり、患者にがん病名は告げないで治療が行われてきた。しかし最近ではほとんどの場合家族にも本人にも正しい病名を告げてがんの治療を行っている。病名を告げなければがんの治療ができないからである。しかし本設問のようなケースもたまにある。この設問の正解はDで娘さんに現実を受け入れてもらってそのことをお父さんに話してもらって本人、家族ともどもに力を合わせてがんに立ち向かっていくようにするのが正解ということであった。私も丁度同じようなケースの患者さんを受け持っている。腎臓がんが骨に転移したために骨折してその後のリハビリで入院したが娘さん達は絶対がんの転移で骨折したとは告げないでもらいたいとのことでそのようにしている。当院に転院してくるまでには、手術してもらった病院でもそれを押し通してきたとのことなので、今更それを明らかにしても得るところは少ないので、普通の骨折と同じように対応している。ケースバイケースで柔軟性があっていいと思う。要は医師や医療従事者が患者さんや家族の状況を良く把握して、患者さんにとってどうしてやるのが一番良いかを考えて対応していくのが良いのではないかと思う。
2023.11.17
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玄関で咲いているくちなしの花今日は昼に用事があって外に出ていて12時半の会議に遅刻しそうになって階段や廊下を息せき切って走っていて会議場に向かう出入口の所に手で開閉する柵があるが、急いでいたので手でしっかり開けないで細く開いているところから急いですり抜けようとしてつまずいて倒れそうになり、弾みで対側の壁に相当な力で突き当たってしまった。頭と手首と胴体がぶっつかったことを感じた。時間ギリギリで会議の席に着いたがその時はどこもそれ程痛くなくてよかったなと思っていた。頭を打ったその時は何でもなくてもしばらくしてじわじわと出血して急性硬膜下血腫で亡くなった中学の同級生がいるが、自分もそうなるかもしれないという不安はあったが、強い頭痛もなくまずまずと思って会議終了後立とうとしたら右の側胸部の激しい痛みに襲われた。衝突した直後はアドレナリンが出ていて痛みを感じないが、少し時間が経ってから痛みを感ずることはよくあることである。以来ずっと痛みが続いている。肋骨骨折しているのかもしれない。あるいは肝臓、腎臓などの内臓が傷ついたのかもしれない。明日仕事に行けないかもしれない。会議に間に合おうと無我夢中で走ったりしなければよかったのにと思った。肋骨骨折ならまだいい。もっと大きな怪我になったかもしれない。会議に遅れても別に死ぬようなことはない。これからはきちんと冷静な状況判断をしようと思った。
2023.11.13
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季節外れだがブルースターが庭でひっそりと咲いていたので思わず日曜日10/22に写真をとった。日本医師会は生涯教育シリーズとして定期的に血液疾患とか精神疾患とか循環器疾患とかを特集して解説の単行本を刊行している。今回は「リハビリテーション診療の最新版」という326ページの豪華な本を送ってきた。最初にリハビリの原点や歴史が概説されており、続いてリハビリの対象疾患、治療法、地域リハビリテーション、災害リハビリテーション、難病やがんのリハビリテーション、など内容は非常に広範囲にわたっていた。1920年頃に肢体不自由児や結核療養所で運動リハビリが開始された。その後は傷痍軍人の骨折、切断後のリハビリが行われ、次第にポリオ、リュウマチ、脳卒中などのリハビリが行われるようになり、次第にその範囲は広がって今では国指定の難病や心疾患、呼吸器疾患、精神科疾患、がんなど、あらゆる分野でリハビリが行われるようになってきた。リハビリの目的は障害者を訓練したり教育したりすることによって能力の可能性の最高レベルに達するようにすることとされているが、一般的には骨折などで入院してきた患者さんについては、骨折以前の能力まで回復することを目標にリハビリを行っている。実際にリハビリを担当するのは国家資格である理学療法士(PT)、作業療法士(OT),言語聴覚士(ST)で一人の障害者にこれらのセラピストと看護師、医師、ソーシャルワーカーなどが加わってチームで治療していくことになる。例えば脳梗塞の患者さんが入院してきたらPTが麻痺側四肢の訓練と歩行練習などを行い、OTが塗り絵とか包丁の持ちかたとかトイレ動作指導などを行う。STは嚥下訓練や発生訓練などを行い、医師や看護師は体調管理を中心に行い、月に一回はスタッフ全員でカンファレンスを行ってリハビリの進行状況を確認しあって、今後の方針を立てていくことになる。私がリハビリ病院に勤務する以前は、リハビリなんて大したことはないと思っていたが、来てみたら大変重要な任務だということに気が付いた。脳卒中や転倒などで骨折した方々が早期に社会復帰できるよう、他のスタッフと協力して最大限の援助をしていきたいと思っている。
2023.10.24
昨年蓄膿の手術(右蝶形骨洞に孔を開ける手術)を受けたが孔が塞がってしまったということで再手術の為10/11に入院して、10/13日に全身麻酔で約2時間かかって手術して、本日10/18に退院してきた。術後しばらく鼻出血があったが今は殆ど出血はなく、明日から通常業務で出勤する予定である。術直後主治医から妻に手術が終わった旨電話があったとのことで妻がその時「また塞がることがあるでしょうか?」と聞いたら「その可能性が全くないわけではない」とのことだったとのことで妻は「もしまた塞がっても手術は大変だから手術しない方がいいね」と言ったので「私もそのつもりだ」と答えた。最初の手術の時も自覚症状は全くなかったが蝶形骨洞は目や脳に近い部だから手術しておいた方が良いかなと思って手術したが今度また同じように塞がってしまっても症状があるわけではないので手術はしないでおこうと思っている。今度は個室に入れてもらえたので手術から退院日まで時間があったので「法華経の智慧」と「自律神経失調症」を読み切り「こころは遺伝子でどこまで決まるのか」を半分読んだところで帰ってきた。いずれの本も益するところが大きかったので読後感をこのブログで紹介しようと思っている。
2023.10.18
今自律神経失調症の治療の所を読んでいたら温泉の効果が書いてあったので紹介する。温泉の効果は三つあり、一つは温熱作用と水圧,浮力による機械的作用で疼痛の緩和や筋肉の緊張弛緩,末梢循環の促進に働く。二つ目は温泉に含まれる化学的作用で末梢自律神経や循環器,内分泌系を刺激する。三つめは自然の中でのストレス緩和作用があり自律神経失調症には特に有効とのことだった。私も温泉に行ってみたくなった。
2023.10.17
最近は西洋の薬に混じって漢方薬を処方する医師が増えてきた。風邪の時の葛根湯、足のつれに対する芍薬甘草湯などは明らかな効果が自覚出来るので患者さんの方から希望されるので処方するがそれ以外では処方することは少ない。自分でも飲んで見たが大量の顆粒で飲みずらい。しかも食前に飲まなくてはならない。処方する側から患者さんを虚と実,陰と陽などと分別しなければならない。しかも効果があるのかすぐは判らない。しかし漢方をよく勉強すると心と体は一体であり病人を全体としてとらえ一部の症状も全体から見た不調和と考えて全体を治療するとのことである。西洋医学とは考え方が違うが必要な人には処方して行こうと思う
2023.10.16
シュウメイギクいよいよ明日午前中仕事をして午後入院になる。本来は入院の前日、つまり本日の12時にコロナ検査を受けに手術する病院に行かなければならなかったが、忘れてしまって3時過ぎに、今から行ってもよいかと電話したら、明日入院時間の1時間前に着いて検査を受ければよいことになった。その分早く行かなければならず、予定が狂ってしまうが仕方ない。アメリカでは蓄膿手術は日帰りだとのことだが、日本では大体1週間入院する。留守中私が勤務している病院の受け持ち患者さんのことが心配だが、在勤の先生方によく頼んで行こうと思う。昨年5月も同じ右蝶形骨洞蓄膿の手術を受けたが、術後すぐに開けた孔がふさがってしまった。今度が再手術だが、無事手術が成功し、孔がまた塞がってしまわないように祈りながら手術を受けようと思う。
2023.10.11
家内が新しい所に植え替えたからか、今の時期に庭の中程に白いアジサイが咲いていた明後日蓄膿の手術のために入院することになった。蓄膿症は副鼻腔炎とも言われ、副鼻腔にはいくつかの洞があり、CT検査を受けたら私の右蝶形骨洞に膿が溜まっていると言われて、症状は何もなかったが膿を貯めている状態は良くないことだろうと思って、昨年5月、骨に孔をあけて膿を出す手術を受けた。ところが2~3か月後CT検査を受けたら開けた孔がふさがってしまっていた。別な所に孔をあける再手術を勧められたが、特別症状もないのでそのままにしていた。しかし今年の7月頃から不眠、食欲不振の症状が出てきたのでもしかしたら関係あるかもしれないと思って2回目の手術を受けることにした。手術を受けてもまた塞がってしまうことはないですか?と聞いたら「絶対ないとは言えないが、今度は別の所に孔をあけるのでその可能性は低い」とのことだった。何はともあれ12日に入院して13日に全身麻酔で手術を受けて18日に退院して19日から勤務する予定である。家内は手術に反対だが、入院が決まったらその準備をしてくれている。
2023.10.10
先週インプラントの2度目の手術を受けて本日糸を抜いてもらいに行ってきた。糸を抜いてもらえば後は木ネジの上に人工歯を取り付けてもらえればいいので長かったけれど約半年で人工歯が入ると期待していたら、これからさらに4か月このままの状態で人工歯をつけるのは4か月先だという。歯を抜いたのは2月4日なのでこれからさらに4か月というと来年の2月4日になり、まるまる1年かかる。それで済めばいいが実際にはもっとかかるかもしれない。高齢者だとインプラントを作り始めて噛めるようになるまでに死んでしまうこともあると思った。今木ねじの頭が歯肉の上に出ている状態だが「こちらで噛んでいいですか?」と聞いたら駄目だという。反対側で噛んでくださいとのことでこれからまた約半年、不自由な生活を送らなければならない。今までも反対側で噛んできたがその反対側もあまり丈夫ではないので、柔らかいものしか食べられず栄養失調気味になり、様々な体調不良をきたしてしまった。こんなに長い期間不自由な生活をしなければならないとは知らなかったのでインプラントを選んだのは考え物だと思った。高齢者なので、部分入れ歯でしっかりしたものを作ってもらえばよかったのにと思った。
2023.10.03
ヒガンバナ最近特に老化を実感するようになった。階段の上り下りは勿論、廊下を歩くのも軽やかに歩けなくて着ている白衣さえ重く感ずるようになった。もういよいよかなと感ずることもある。今、病棟回診を終えてきたところだが、患者の皆さんは、意識のない患者さんを除けば皆さん暖かく迎えてくれた。ある患者さんは「先生のご健康はいかがですか?」と私の身を案じてくれた。入院している患者さんは私と同年代もしくは私よりご高齢の方が多いが、回診ではその人たちに喜びと勇気と希望を与える役割が我々にはあると思っている。それなのに白衣が重い、歩くのが大儀だ、食欲がない、薬がないと眠れないなどという状態では患者さんを激励してやれることもできない。食欲がなくてもきちんと栄養を考えて必要なものは無理してでも摂取し、体力に自信をつけるためにウォーキングをしようと思っている。ウォーキングについては「やらなくてはいけない」と気づいていながらいまだに実行していない。患者さんの前に、よれよれぐたぐたの身をさらすわけにはいかない。アジア大会のテレビも見たいが、それより自身の健康であり、患者さん達の健康である。3日坊主にならないように継続したいと思う。あまり体がだるかったら、リポビタンDも飲もうと思う。体調管理は自分の為だけでなく患者さんのためでもある。意志を強く持とうと思う。