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ご覧になっている方も多いかもしれませんが、現在ニューヨークでは国連総会が行われています。テロの問題、国連改革、特に安保理改革など、世界的に多くの問題が議論されている中、今年はミレニアム宣言が出されて5年目、そこで宣言についで出されたミレニアム開発目標(MDG)の中間報告を行おうというのも、今回の国連総会の大きな議題の一つであります(違う話題のほうが目だって、あんまり大きく取り上げられていませんが)。本来はこの開発、貧困削減の問題にもっと光が当たって欲しいのですが。
そんな中、ベトナム政府も自分たちのミレニアム開発目標への取り組みをまとめようと、ベトナムミレニアム開発目標報告を作成しました。今回のレポートは政府主導で作られたので、どうしても「これは達成しました、これも達成しました」といった論調になりがちになってしまったのが玉に瑕。ただ、こういった外部に広く公開するレポートである分野を批判的に検証するということは、政府内の微妙なパワーバランスを円満に保つ際に、なかなか簡単ではない作業なのかもしれません(まあ、それは理由にはなりませんが)。ともあれ、何とか国連総会前に完成したことにはほっとしています(自分の組織もこれを支援していたので)。英語かベトナム語しかありませんが、ご覧になりたい方は来週くらいにはネット上でも見られるようになると思いますので、またお知らしいたします。 確かにこうやって直接政府の人と仕事をしていると、ベトナム政府の人がどういうロジックで、どのように仕事をしているかわかるような気がしました。例えばある決断(簡単なものではレポートの表紙をどうするか、難しいところではレポートの内容についてなど)、誰に決断を仰いで、誰の決済を取っているかなどなど。確かに多くはその人たちの肩書きによるところが多いのですが、それよりもむしろ人間関係のほうも大きいのかなあとも感じました。ただ、あまり理解しすぎると相手に対して同情的になってしまい、せっかくの客観的に見られる立場である外部の視点が少なくなってしまいます(例えば何か至らないことがっても「いやいや、難しいよねえ、しょうがないよねえ」と妥協的になってしまう)。そのバランスが自分にとっては難しいです。 まあ組織の問題は、よく見ると自分の組織でも十分同じように当てはまることで、組織がある程度大きくなると、バックグランドはどうあれ、ある程度官僚主義になってしまうのかなあなどと、人のことばかり話している場合ではないなあと感じました。そして、外国人の立場で、国際機関と相手国政府の間に立って働くことは、そのバランスを取ることはなかなかに難しいことだなあというのも肌で感じたミレニアム開発目標レポートでした。また機会を改めて内容についても、今回はそのプロセスの話でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年09月16日 17時02分31秒
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