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Re Habilis Ation <Auferstehungs>

Re Habilis Ation <Auferstehungs>

癒しの環境研究会HPより

癒しの環境とは
癒しの環境研究会代表世話人 高柳和江
(日本医科大学医療管理学教室助教授) 

 本来、医療は自ら治す力、自己治癒力を高めることが役割であり、医療提供者はこのためのサポートを患者に提供するのが仕事である。人間の身体の修復は患者の身体自身が行なうのであって、手術や薬は修復力を高めるためのサポートであり、このときに、身体免疫を高めるサポートとして癒しの環境が重要なのである。
 「癒しの環境」には、ハードとソフトの2つの面がある。ハードとは、施設、設備などの環境、緑の環境である。入院中に散歩できる庭のあると、少なくとも、窓を開けて見える緑があればどんなに落ち着くことだろう。細やかに配慮された間接照明、センスのよい壁紙が貼られた壁は、そこに休む人の心をどんなになごませることだろう。絵もいい。こうしたハードは、そこに働く医療提供者に向いているものではなく、患者のほうを向いているものでなくてはならない。
 「癒しの環境」のソフトの中心は、直接患者と接する医療従事者である。初対面なのに旧知の友に会うような暖かい雰囲気、笑顔、やさしい言葉、頼もしい態度、患者心理をよく知っていて、気持ちをくみ取りながら、その患者の個人としての人間性を守る。この人に任せたら安心だ、と患者が感じられる環境が「癒しの環境」である。看護婦だけではない、医師、薬剤師、療法士や検査技師などの専門職、給食を作ったり配膳したりする人々も、病院内に働いている医療提供者である限り、「癒しの環境」を築くスタッフなのである。患者を尊重するハードとソフトの調和、これが癒しの環境である。
 癒しの環境研究会では、医療提供者だけではなく、病院をつくる建築家、インテリアをする人、アートをつくる人、それから主役である患者さん、それぞれ異なる立場の人たちが集まって、何が本当に自己治癒力を高めることができるのか、そこに行くと治る気がして、実際に治る病院にするにはどうしたらいいのかを話し合い、研究している。不平不満をいう会ではなく、建設的な意見を言い合う場として発足し、継続している。
 会員以外の方々からも前向きなご意見を期待したい。

http://www.jshe.gr.jp/


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