門外漢のねごとたわごとひとりごと

2016/09/01(木)05:58

存在そのものがシュール…

絵画関連(446)

特に好きな画家ではないが、この人の存在自体が面白いと思っていた。  “サルバドール・ダリ” この画家の回顧展覧会『ダリ展2016』が久しぶりに開催されたので、暑いさなかではあったが街歩きを兼ねて行ってきた。 作品の数もかなりたくさん来ていて、展覧会構成も初期作品・モダニズム探究・シュルレアリスム時代・ミューズとしてのガラ・アメリカへの亡命・ダリ的世界の拡張・原子力時代の芸術・ポルトリガトへの帰還(晩年の作品)と、時系列で多岐にわたっていたので観やすく構成されていた。 ただ、ウィークデーであったにもかかわらず観客がものすごく多くて、ゆったりと観賞というわけにはいかなかった。 なんであんなに多かったのか? なんで今 “ダリ” なんだろうか? ちょっと不思議な気が。 ともあれこのダリという人の生き方・行動・発言など、生き様存在そのものが元々シュールなイメージを持っている。 ダリに関することで印象的に覚えているのは、『アンダルシアの犬』というルイス・ブニュエルと共同制作した前衛的な映画のインパクトと、もうひとつはダリが過去から同世代までの画家(自身も含めて、どの画家も巨匠と呼ばれている)たち11人を評価採点して見せたことです。 それは9つのカテゴリー『技術』『霊感』『色彩』『主題』『天才性』『構成』『独創性』『神秘性』『真実性』を設定し、それぞれ項目を20点・計180点満点での評価なのです。 この結果が驚きというか、彼がどういった価値観で採点したのか? 俄かには鵜呑みにできないものなのです。ただ、この結果を見てダリの好みの一端を垣間見た気は致します。 その結果とはどういうものだったのか? 以下に合計点だけを記しておくと・・・、 最も高得点だったのが『フェルメール 179点』とほぼ満点をつけています。その次が『ラファエロ 176点』続いて『ベラスケス 173点』『ダ・ヴィンチ 166点』そして5位に『ダリ 148点』自身を入れています。 そのあと、ピカソやアングル、マネなどが続いて、11人中最下位にランクされたのは『モンドリアン 5点』とたったの5点という極端に酷い点数をつけているのです。 採点者本人は大真面目で採点しているようですから、「ああ、そうですか」というしかありませんが、鵜呑みに納得はできませんというか、採点基準がどうなっているのか訳が分かりません。 でも、ダリはフェルメールが大好きで高く高く評価していて、フェルメールをオマージュした作品も何点かありますから、惚れ込み具合だけは十分理解しました。 またダリの著書の中の彼の言葉がそれを裏付けている。その言葉は・・・・ 「アトリエで仕事をするフェルメールを、10分でも観察できるならこの右腕を切り落としてもいい」と言ったとか。ここでもダリ本人のシュールさが如実に表れているのです。 今年も残り3分の1に突入しました。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る