カテゴリ:自然観察関連
『羅漢伯』『雁翅檜』『翌檜』『翌桧』『明日檜』などと表記されるのは、我が国固有の樹木でヒノキ科アスナロ属の常緑針葉樹『アスナロ』のことです。
![]() この名称の由来はむかしから言われているように、ヒノキに似ていることから ”明日はヒノキになろう” の意と言われてきたのはご存知のところです。これは俗説だと否定されているらしいが、この俗説から文学作品などではヒノキになりたくても決してなれない、ヒノキより一段下に置かれた ”哀れな木”として扱われてきた。 ところがこの『翌檜(アスナロ)』は成長すると『檜葉(ヒバ)』となって、日本家屋の建築用材としてとても重要な働きをする材木なのです。 ![]() この『檜葉(ヒバ)』は水気に強く、その性質上日本家屋建築の基礎のすぐ上にある土台部分に使われる。それは家屋の中で一番地面に近く、湿気やシロアリの被害を受けやすい部分、土台には水分や虫の被害に対する強さが求められるのです。 『檜葉(ヒバ)』はヒノキチオールという抗菌作用のある成分を豊富に含んでいて、抗菌作用があり水分や虫の被害にも強く耐久性が高いのです。そのヒノキチオールですが檜よりも檜葉の方がたくさん含まれており、水回りで使う道具として俎板や風呂場用品などに用いられることも多いという。 建築用材として、『檜』は家屋の柱など目に付くところに使われることがほとんどで、つねに主役級の働きをしているのですが、『檜葉』の方はまったく目立たない土台に使われる、まさに縁の下の力持ち的な位置づけになっていていささか気の毒な思いがします。 因みに、<<青森県では「ヒバ」、秋田県では「ツガルヒノキ」、岩手県・山形県では「クマサキ」、石川県・富山県では「アテ(貴、阿天、档)」、新潟県佐渡島では「アテビ」などと呼ばれる>> そのように出ておりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.05.25 16:11:41
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