なんの! まだもっと上があるのです…
日本酒好きの私が、以前に一度書いたことがありますが、日本酒の飲み方について。日本酒はいろいろな温度(冷やしたり温めたりして)で、味わいや香りや喉越しなど変化を楽しめる世界でも珍しいお酒です。ネット情報を眺めていると、日本酒の温度を10段階に分けて一覧にしたものがありましたので、それの要約を取り上げます。温度の低い方から順に・・・。〇雪冷え(ゆきびえ)約5度〇花冷え(はなびえ)約10度〇涼冷え(すずびえ)約15度〇常温or冷や(ひや)約20度〇日向燗(ひなたかん)約30度〇人肌燗(ひとはだかん)約35度〇ぬる燗(ぬるかん)約40度〇上燗(じょうかん)約45度〇熱燗(あつかん)約50度〇飛び切り燗(とびきりかん)約55度以上以上10段階となっているのですが、なんのまだまだもっと上の熱い熱い日本酒が、ましてやそれを好んで呑んでいた人がいるのです。その人は日本酒が大好きで毎晩飲んでいたのですけれど、これが熱燗を通り越してグラグラと煮立って沸騰させた ”煮燗(にかん・にたてかん)” ともいうべきものを好んだというのが、かの文豪『泉鏡花(いずみ・きょうか)』です。この泉鏡花の飲む日本酒を彼ら文壇の仲間内では ”泉燗(いずみかん)” と呼んでいたのです。もちろんこの ”泉燗(いずみかん)” という言葉は一般的ではないのですが、面白いので過去に一度書いたことがありました。因みに、泉鏡花はなぜ? という疑問には、彼は極端ともいうべき過度の潔癖症で、過去に赤痢に罹った体験から、バイ菌が怖くて怖くて異常なほど神経質になっていたそうです。まだ燗酒の季節には少し早いようです。