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いなかの猫の天邪鬼部屋

第22話

OnAir~シーズン2・第22話~


#土曜朝、ヘギョン運転中、通話

ヘギョン : 私。今出たところだけど.........え?....チュニが?


#病院応急室

(ベッドに横になって眠ったチュニ。ヨンウン、ベッドのそばに座っている。)

(ヘギョン、入って来てきょろきょろ見回し、ヨンウンを発見。ヨンウン、振り向く。)

ヘギョン : (ヨンウンとチュニをを交互に見る) ....(ため息)


#応急室外保護者控室

(椅子に座っているヨンウンとヘギョン。)

ヨンウン : 急性胃痙攣だって...

ヘギョン : (驚く) 子供が?

ヨンウン : (ヘギョンを見て苦々しげに笑う) 要するに胃もたれよ。急にだったから...。驚いて応急室に駆けつけたら...。

ヘギョン : (安心する) それは...まあ何ともなくて良かったじゃないの。(にっこりと笑う)

ヨンウン : 驚いた事があるの。チュニには言っていない事なのに、チュニは分かっていたみたいなの。

ヘギョン : それって?

ヨンウン : ギョンミンさんのお母さん...うちで働いてくれてるの...

ヘギョン : (口をポカンと開ける。) 何ですって?イ監督のお母さんが何をしてるって?

ヨンウン : (困った) そんなふうに見ないで。事情があるんだから...

ヘギョン : イ監督も知ってるの?

ヨンウン : 知ってるわ。 話が複雑なの...

(時間経過)

ヘギョン : まったく.. お母さんも大変だし、イ監督も大変だわね。...(ヨンウンを見てにやっと笑う) でもそれで良かったんじゃないの?

ヨンウン : (ほろ苦そうに) そう言わないでよ。.....(ため息) どうやって、いつ話そうかと悩んだんだけど、なかなか話せなくて...。 チュニがお母さんになつくようになったから、あまり心配してないけど...(ため息)

ヘギョン : チュニは何才?今。

ヨンウン : 11歳だったかしら?

ヘギョン : (ヨンウンを見て唖然とする。) ...'だったかしら'?あんたホントにチュニのお母さん?

ヨンウン : (泣き面で) どうしよう...私、ホントに... 悪いママだわ...(涙を浮かべる)


#ヨンウンの家、チュニの部屋、夕方

(チュニ、ベッドに横になっている。ヨンウン、チュニに布団を掛けてやる..)

ヨンウン : (チュニを見て) お休み。明日ママと話そうね。

チュニ : ...(目を伏せる)

(ヨンウン、チュニを見て心がじいんと熱くなる。しばらくチュニを見て、出て行こうとする。)

チュニ : ママ...

ヨンウン : (驚いて振り返る) うん?

チュニ : 僕...お婆さんが好きだよ...

ヨンウン : ...(感情がこみ上げる) チュニ...

チュニ : でも良かった...。ギョンミンおじさんのママがお婆さんで...

ヨンウン : (大人の対応をするチュニの言葉に胸が痛む)...チュニ...前もって話してあげなかったこと...

チュニ : 分かってるから...大丈夫だよ...

(ヨンウン、胸が痛み、口を覆って泣く...)


#ヨンウンの部屋

(ベッドの上に座っているヨンウン、ギョンミンと通話中。)

ヨンウン : 大丈夫...大丈夫になったの...

(画面分割)

ギョンミン : (帰って来る車中) ごめん...そばにいてやれなくて...

ヨンウン : (にっこりと笑う) 仕方ないじゃない。生きていれば、こういう事が一度や二度はあるでしょ?その度に、常に一緒にいるなんて事は...

ギョンミン : (ため息) こういう事には本当に何の助けにもなれないと言うのが、本当に辛いよ...

ヨンウン : (淡く笑う) でもあなたがいるという事が力になる...ありがとう...

ギョンミン : ....(考え込む)...


#翌日、朝

(ギョンミン車中。ギョンミン運転中。ヨンウン、チュニ、ヘギョンが乗っている。)

ヨンウン : (助手席から後部座席を振り返る) チュニ~。ママ、後ろに行こうか?

チュニ : いいよ。ギョンミンおじさんに気を使ってあげて。

(ヘギョン驚いて舌を出す。ヨンウンしょんぼりして後ろ向きに座る。ギョンミンほろ苦く笑う。)


#物静かな田舍の田園住宅

(ヘギョン、チュニと庭で遊んでいる。ギョンミン離れて見ている。庭先に置かれたベンチに並んで座ったヨンウンとヒョンス。)

ヒョンス : (遥かな目でヘギョン達を眺める) ...

ヨンウン : (ヒョンスの視線の先を見て) ...私たち、あまり考えずに大勢で来たけど...ヘギョンオンニとだけ来れば良かった....

ヒョンス: (苦々しく笑う) いいえ。もうある程度整理も出来たし...(腰を伸ばして) 大丈夫です。

ヨンウン : ...私は.... 整理するのに7年掛かったわ...

ヒョンス : !!!..(ヨンウンを見る)

ヨンウン : (ヒョンスを見て) 整理出来たの?(笑う) うらやましい...

ヒョンス : (下を向いてから首を上げ) 考えてみれば、こんな事は有りがちなことですよね?こんな事でうろたえるなんて...粹ではないですよね?

ヨンウン : (心配そうに) いいえ。こんな事には絶対慣れてはいけないわ。誰も...

ヒョンス : (涙を浮かべる) まだ何が辛いのかが分からないんです。(歯を食いしばる) 6年恋愛して3年間一緒に暮したけど...9年が本当にこっけいで....。 一体この9年は何だったんでしょう?いや...結婚していた3年は何だったんでしょう?

ヨンウン : (ヒョンスの気持ちを理解する)...

ヒョンス : 時間が惜しいのか、私の感情が惜しいのか...違いますね...。(にっこりと笑う) 笑えるのは、彼に対する惜しさはないという事です。そう考えると、私たちの結婚はもうずっと前に終わっていたのかもしれません...

ヨンウン : ...........そうね...そうじゃないかもしれないし...

ヒョンス : (ヨンウンの方に頭を回す)...

ヨンウン : (寂しそうに) 本当は分からない...いつまで愛していたのか...。(ため息) 彼に他の女がいる事を知る前まで私は...私の愛を疑った事はなかったわ。彼の心も同じだと思っていたのは錯覚だったけど.....私は心から愛していた...。(苦笑) それが錯覚だと知って ...彼に対する信頼が壊れたその瞬間...愛は消えたの。

ヒョンス : ........

ヨンウン : ずっと前から終わっていたわけじゃない...私はそう思うわ。

(ヒョンス、涙をこぼす。ヨンウン、切ない目でヒョンスを見る。)

ヒョンス : ...彼も大変だったんだ、と思うつもりです。一緒にいてあげられなかった私の責任もあるから...。憎むようになるのはもっと辛いから...

ヨンウン : ...いい人だわ、ヒョンスさんは...

ヒョンス : (涙を浮かべて笑う) .....ありがとう、作家様...

ヨンウン : 作家様とは何よ。

(ギョンミン、離れて二人の姿を見ている...)

(午後、帰る支度をする四人とヒョンス。挨拶を交わし合う...)

ヘギョン : ユンPD、待ってるわ。いつでも戻って来てね。

ヒョンス : (笑う) ありがとう。...私、今は有給休暇ですか?

ヘギョン : (にっこりと笑う) 他の人と同じに扱いたくはないんだけど...ユンPD、あなただけ特別扱いするのは.....。ごめんさいね。

ヒョンス: 何ですか、社長が謝らなくても...。(微かなほほ笑み) 社長がどれだけ力になってくださったか.... ありがとうございます。

ヘギョン : (感情がこみ上げて、睨む) 礼を言わないでよ。

ヒョンス : (笑う) もう行って下さい。(ヨンウンとギョンミンの方を見て)皆さん、さようなら。ありがとうございました。チュニ、バイバイ。

ヨンウン : (笑う) 行くわ。...早くまた一緒に働きましょう。

ヒョンス : はい。今日は本当にありがとうございました。

(ヨンウン、ヘギョン、チュニ、車に乗る。)

ギョンミン : (黙ってヒョンスを見ているだけ)...(じいんと熱くなり、涙が溜る)

ヒョンス : (ジーンとする。努めて笑って見せる) 行って下さい、監督も...

ギョンミン : (ヒョンスを見て歯を食いしばる) 俺にとって君は... 妹だ...

(ヒョンス、涙を流す。ギョンミン、歯を食いしばって耐える。)






(原作出処:sonkhj1116さんのブログ


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