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いなかの猫の天邪鬼部屋

第14話

OnAir~シーズン3・第14話~


#ヨンウンの仕事部屋の前

(セア、運転席に座って考え込んでいる。)

"ずっと若かった時の青臭い事。愛する女を失った...."

"ユン作家と似た目を持った女を...知っています....愛に命をかけた馬鹿な女でした..."

(胸が詰ったような、自分のアパート前でのサンウの目を思い浮かべる.... 頭を上げて遠くを見る....)


#韓国食堂の中

(サンウ、取引先代表と食事中。笑って対話を取り交わす。時々視線を遠くにやるサンウ。瞬きしてまた視線を戻す..)


#夕方、ヨンウンの仕事部屋

(ヨンウン、机に座って考え込んでいる。ギョンミン、入って来る。)

ギョンミン : (ヨンウンを見て控え目に) ...どうした?(近付いて顔察する) .... 具合が良くないのか?

ヨンウン : (ギョンミンを見て驚く) オッ!

ギョンミン : (ヨンウンの反応に驚く) 何だ???

ヨンウン : (驚いた目で見る) いつ来たの?びっくりしたじゃないの。

ギョンミン : (呆れる) 驚いたのは俺の方だよ。一体何を考えていたんだ?魂が抜けたみたいだったぞ。

ヨンウン : (息を吐き出す) ....ちょっとね....

ギョンミン : (不安) 何か...また心配事が?

ヨンウン : (見る) ないわ。そういう事は..

(ギョンミン、憂わしい目で見る...)


#ギョンミンとヨンウンのアパート、寝室

(風呂場から出たヨンウン、ローションを塗ってベッドに上がる。ずっと何かを考えている。ギョンミン、ベッドに座ったままヨンウンを注視。)

(ヨンウン、ギョンミンの横に座ってもたれ掛かる。何かを熱心に考えている。ギョンミン、ヨンウンの顔を観察する。)

ギョンミン : (控え目に)何か考えてる事が?

ヨンウン : (振りむく) あるのよ。

ギョンミン : そうか....

ヨンウン : 昼間、ユン・セアが来たんだけど....

ギョンミン : ユン作家が?....(心配になる。'また始まったのか? ') それで?

ヨンウン : ......

ギョンミン : (焦れる。ヨンウンの口だけ見る) ....それで?

ヨンウン : (目を転がす) 別に...

ギョンミン : (ため息をつき、胸を撫で下ろす) 別に、何なんだ?

ヨンウン : (見る) 別に。後で言うわ。

ギョンミン : (不安。' また始まったらどうしよう?'ヨンウンの顔を観察する)...

(ヨンウン、ベッドに横になる。ギョンミン、不安感に眉間をしかめる。ヨンウン、寝返る。ギョンミン、ますます不安になる。)

(ギョンミン、ヨンウンと真っ直ぐ並んで横になる。零は方に頭を回して見る。ヨンウンの肩に手をやって、ためらう。ヨンウンの方に寝返る。)

ギョンミン : (ヨンウンの肩に手を掛けて) あのさ...

ヨンウン : (いきなり振り返って) 何よ?何考えてるの?

ギョンミン : (驚いて唾を飲み込み、目を丸くする) 何が..?

ヨンウン : (ギョンミンの表情を怪しむ) どうしたの?驚いた?

ギョンミン : (気抜けする)...... 驚かせたかと思ってさ。

(ヨンウン、目を瞬かせてギョンミンを見る.....)

(しばらくしてすぐ横になったヨンウン。ギョンミン、ヨンウンに手枕をしてやる。)

ヨンウン : どうも二人の間に何かあったみたいだわ。

ギョンミン : そうか...

ヨンウン : いいえ...確かに何かがあったのよ...

ギョンミン : (見る) さっきからそれを考えてたのか?

ヨンウン : え?ええ......

ギョンミン : (虚しい) 俺はまた...

ヨンウン : (見る) 何?

ギョンミン : (ため息をつく。見る) 寿命が 10年は縮んだな。

ヨンウン : どうして?

ギョンミン : 君が憂鬱そうに見えたからさ。それでまた始まったのかと思ったんだ。

ヨンウン : 何~?(笑う)


#ヨンウンの仕事部屋

(ヨンウン、机に座って作業する。止めて目をくるりと回して考える。目をきらめきながら微笑み、また作業する..)


#放送局休憩室

(ギョンミンとミンフィ、テーブルに座っている。)

ギョンミン : (シノプシスを読む) .... (ミンフィを見る)...今6月初ですが、8月放映だと2ヶ月しかありません。シナリオ作業は可能ですか?ダメならば、むしろ秋に合うようなものを新たに組んだ方がいいんですが。

ミンフィ : いつまでに終わらせないとなりませんか?

ギョンミン : 2週間以内に書いてもらわないとなりませんが...あまりにも急でしょう?

ミンフィ : ....とにかく一度書いてみます。このシノプシスは絶対にやってみたかったものなので、次のシーズンに持ち越すのは悔しいんです。私に余裕はありません。

ギョンミン : それではとにかく企画案を上げます。うまく書いてもらえれば、今度のシーズンに推薦するようにしてみます。

ミンフィ : はい、分かりました。(立ち上がる)

ギョンミン : お疲れ様でした。(立ち上がる) 昼休みですけど、食事して行かれるでしょう?

ミンフィ : 約束があるんです。またお会いしましょう。お疲れ様です。

(ギョンミン、ミンフィを送って席に座る。時計を見る。しばらくしてサンウがジャケットを脱いで持ったまま入って来る。)

サンウ : (席に座って) 暑いですね。

ギョンミン : もう夏じゃないでしょうか?食事しに行きましょう。


#局内食堂

(ギョンミンとサンウ、食卓に座る。)

サンウ : 短編の構想ですか?

ギョンミン : 秋改編からまた復活させるんですよ。準備しないと。

サンウ : (見る) うちの新人を使ってください。

ギョンミン : 演技が出来るのなら、ですね。

サンウ : (見る).... それは...

ギョンミン : どうしたんです?

サンウ : やってみない事には....まったくもう..

ギョンミン : (笑う) 演技が出来さえすればいいんだから。誰が使わないと言いました?

サンウ : 演技はまだよく分かりませんが...モデルをしていた者で、新鮮ですよ。オーディションをするのでしょう?

ギョンミン : まだシナリオも出来ていない状態だから分かりませんが、配役が出れば申し上げます。使うと断言は出来ません。

サンウ : 確かですね?(笑う)

(ギョンミンの電話が鳴る。)

ギョンミン : (発信者を確認する) うん。昼食は?

ヨンウン : まだ。もうちょっとしたら食べるわ。あなたは?

ギョンミン : 今食べてるよ。チン代表と。

ヨンウン : そう?....それじゃ....チン代表に今週夕食の時間をいつ取れるかちょっと聞いてみてくれる?

ギョンミン : うん?...どうして?

ヨンウン : ただ...ちょっと食事させてあげたいのよ。独身生活が気の毒だから...クックッ。今の言葉は伝えないでね。

ギョンミン : (こしゃくな奴...)そうか。分かった。.. (サンウを見て) ヨンウンが今週夕食の時間をいつ取れるかと聞いていますが。

サンウ : え?夕食の時間ですか?うーん..(考える) ..ちょっと待ってください..(電話を取り出して確認する) ..土曜日が空いていますね...

ギョンミン : (頷く) 土曜日が空いてるって。

ヨンウン : 本当?良かった...。それじゃその時、うーん.... 私の仕事部屋に来てと言って。美味しいものを作ってあげるって。

ギョンミン : 本当なのか?

ヨンウン : うん。

ギョンミン : ...分かった.... 切るよ。

ヨンウン : うん。お疲れ様。

(ギョンミン、電話を切る。ちょっと脹れている。サンウ、ギョンミンを窺う。)

サンウ : どうしたんですか?ソ作家からの電話じゃなかったんですか?

ギョンミン : (箸を置く) そうです...

サンウ : , 良くない内容ですか?

ギョンミン : (見る).... (ため息) 俺には一度もしてくれた事がないんですよ。

サンウ : 何を?

ギョンミン : 美味しいものを作る事。元々普通の結婚生活とは遠いから、期待もしなかったけど.... 気抜けしますよ。.... 土曜日にソ作家の仕事部屋に来てくださいと。おいしいものを作ってあげると。

サンウ : 俺にですか?どうしてですか?

ギョンミン : (苦笑)....これは言うなと言われたんだけど...一人でいらっしゃるのが気の毒だと。

サンウ : はい?俺が...そんなに可哀想に見えますか?

ギョンミン : 俺の目には全~然、そうは見えませんけどね。


#夕方、ギョンミンとヨンウンのアパート、部屋の中

(ヨンウン、料理本を見て工夫中。ギョンミン、つんとした顔でヨンウンを見る。)

ヨンウン : (本を突き出して) これはどうかしら?(首を傾げる) これは上手く盛りつければ綺麗に見えるわね...これは私は出来ないっと..

ギョンミン : (つまらなそうに見る)...

ヨンウン : (頭を上げて見る) ...どうしたの?... (ギョンミンの表情が普通ではない) 何て顔してるのよ。

ギョンミン : (口を尖らせ頭を回す) 分からないのか?

ヨンウン : (瞬き) ...どうしたの?怒るような事があるの?

ギョンミン : 知らないよ。聞くな。面倒くさい。

ヨンウン : 何?面倒?どういう意味よ。

ギョンミン : (つんとして振り返る) ...本当に、酷いじゃないか。

ヨンウン : 何?何が酷いの?

ギョンミン : チン代表がそんなに気の毒か?それで俺にもしなかった料理をするのか?

ヨンウン : (呆れるが、ちょっとすまなく思って)...へえ~、どうしたの? ヤキモチ?

ギョンミン : ヤキモチじゃないよ。ただ寂しくて (ため息) ....一生懸命誠意と努力を注いだら、元気になって他の男に食われるのか。俺の女が....。なんて可哀相なんだ!イ・ギョンミン...

ヨンウン : (チラリと見る) それはまさしくヤキモチね。..アア~ 可愛いイ・ギョンミニ。(見てにこにこと笑う)

ギョンミン : (睨む) イ・ギョンミニだと?

ヨンウン : それじゃ、あなたはキム・ギョンミニ?パク・ギョンミニ?イ・ギョンミニはイ・ギョンミニなんだから。何か?

ギョンミン : ふざけるな。

ヨンウン : あら、怒らせた?じゃあ告訴して~。

ギョンミン : まったくもう..幼稚なんだから...

ヨンウン : 私元々幼稚なの。そうやって生きてるのよ。

ギョンミン : いいさ。幼稚に生きろ。

ヨンウン : うん。良かった~。幼稚な事に怒る新郎がいて、更に良かった~。

ギョンミン : (口をつぐみ、両腕で膝を包んで座っている) ....

ヨンウン : ...(見る) イ・ギョンミン。

ギョンミン : ....

ヨンウン : (指でわき腹を突く) イ・ギョンミン~。

ギョンミン : (指を避ける)...

ヨンウン : そんなふうにしないで。ね?

ギョンミン : ......

ヨンウン : そんなふうにされたら私、悲しくなるから...

ギョンミン : ....

ヨンウン : そんなふうにされたら私、また鬱病になるから...

ギョンミン : (頭を回したまま顔をしかめる).....

ヨンウン : そんなふうにされたら私、また食事せずに...部屋から出ずに...死にたくなって..

ギョンミン : (ヨンウン方に頭を回す) おい!ソ・ヨンウン!!!(無情な目つき)...さん.....

(ヨンウン、舌を突き出す...)







(原作出処:sonkhj1116さんのブログ



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