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いなかの猫の天邪鬼部屋

第28話

OnAir~シーズン3・第28話~


#土曜日、昼、サンウの事務室

(サンウ、電話する。)

サンウ : ああ、俺だ。

セア : はい

サンウ : 今日夕方...

セア : 今日...? 私、今日の夕方は行く所があるんだけど..

サンウ : そうか。俺も行かないとならない所があって。それじゃ...すまないと思わなくてもいいんだな?

セア : 仕事でしょう?

サンウ : そうだ。

セア : なのに何を今更...

サンウ : だけど週末じゃないか。

セア : あなたの仕事は週末だと暇なわけではないでしょう?大丈夫。私も忙しいから..

サンウ : そうか....

セア : 明日会いましょう。

サンウ : 分かった。

(サンウ、受話器を下ろす。インタホンが鳴る。)

サンウ : 入れ。

(しばらくしてキム室長が入って来る。)

サンウ : チェリーに夕方の行事に行く準備をさせろ。あまりけばけばくないようにして。そうして6時に連れて行くように。

ソンホ : はい。他には...

サンウ : ミオがオーディションを受ける準備をしっかりしているかチェックして、レッスンの時間をうまく取るように。

ソンホ : はい。

サンウ : 俺はちょっと出て来るよ。

ソンホ : はい。

(サンウ、ジャケットを持って立ち上がる。)


#セアのアパート前

サンウ : (電話をしている) どこにいる?

セア : 今?家だけど。

サンウ : 分かった。

(サンウ、電話を下ろす。)


#セアのアパート

(玄関を開けて入って来るサンウ。セア、驚いて見る。)

セア : 急にどうしたの?

サンウ : (見る) 何となく。

セア : 何となく....?さっき電話していた時は何も言わなかったでしょう?

サンウ : ああ。夕方会えないからちょっと会おうかと思って電話したんだけど、そう言えなかったんだ。

セア : (苦笑) ...寂しかったの?

サンウ : いや。

セア : 今はそのいやと言う言葉が別の意味に聞こえるわ?

サンウ : (目を細く開いて見る) 何だ?

セア : あなたが短く 'いや'と言うのは 'うん'と言う言葉みたいな意味という事が分かってしまったの。

サンウ : .....

セア : (いたすらっぽく笑う)そうでしょ?

サンウ : いや。

セア : (また笑う).....

サンウ : (横目で見る) .....いや。

セア : ....ちょっと長く言うと違ったように思われるか心配?

サンウ : ...(ため息をつく) .......

セア : こんなふうに立っているけど、すぐ帰るの?

サンウ : 道を塞がれていて、それじゃどうすればいいんだ?

(セア、笑いながら居間の方に行く。サンウ、ソファ-に座る。ソファ-の上に置かれた服を見る。)

サンウ : 何だ?

セア : うん~ 夕方に着る服。ちょっと格式を整えないとならない席だから....

サンウ : 一人で行くのか?

セア : いいえ。エスコートしてくれる人がいるの。

サンウ : (無表情) 誰?

セア : (笑う) いるのよ。

サンウ : 誰だ?

セア : (笑う目) .....

サンウ : 誰だよ。

セア : 言いたくないわ。.... ヤキモチ焼いた?

サンウ : (ため息をつく) 誰なんだ...

セア : 言うとつまらなくなるから言えない。フフ- 面白いわ。

サンウ : ユン・セア、言わないのか?

セア : どうして言わないとならないの?浮気をするか心配?そんな心配をする必要はないと分からない?

サンウ : ...... そうじゃなくて。

セア : それでは?そうじゃないのにどうして聞くの?分かったらどうするの?

サンウ : 言わない理由もないじゃないか。誰だか言えよ。

セア : 分からなくてもいいのに。

サンウ : 君は随分ヤキモキさせるんだな。言えと言っている時に早く言えよ。

セア : (苦笑) 言わないと大変な事になるわね.... 姨母夫と一緒に行く席よ。

サンウ : 姨母夫?

セア : そう。父の取引先に重要な仕事があるのだけど、父の代わりに私が挨拶しに行かないとならないの。

サンウ : だけど、どうして姨母夫と一緒に行くんだ?

セア : よく知っている人が姨母夫しかいないから。

サンウ : (じっと見る).......

セア : .....どうしたの?

サンウ : ...俺は....

セア : ....俺は...

サンウ : ユン・セアについて知っている事があまりないな....

セア : (視線下ろしててやや苦い微笑みを作る) それは私も同じじゃないの...

サンウ : お父さんは何をしている方なんだ?この前聞いた話ではバックが強力みたいだったけど....

セア : (見る) .... 強力程度じゃなくて...

サンウ : (目で問う)...?

セア : ただの事業よ。

サンウ : ただの事業....?

セア : ええ....

サンウ : もしかして、夕方に行く所はHグループの行事なのか?

セア : ....どうして分かったの?

サンウ : Hグループが取引先という事か...

セア : .....

サンウ : (片手で顔を撫でながら考える) .......(ため息をついて、見る) ....

セア : (不安).....どうしてそんなに見るの?

サンウ : (じっと見る) ......

セア : (唾を飲み込む) .....どうしたの...? 不安になるわ...

サンウ : (立ち上がる) 帰るよ....

セア : 帰るですって?このまま?

サンウ : 顔を見たじゃないか。夕方、もしかしたら会えるかもしれない。

セア : あなたもそこへ行くの?

サンウ : ああ。チェリーがそこの専属モデルだから、祝いに..

セア : そうなの....? (考える) それじゃ...?

サンウ : (見る) ....?俺が知っていないとならない事があったら今のうちに言ってくれ。後で人違いしないように。

セア : ......大した事じゃないけど...

サンウ : ないけど?

セア : 実はSBCのカン局長が姨母夫なの。

サンウ : (ちょっと驚く) 何だって?

セア : 放送局でも知っている人は多くないわ。

サンウ : (考える) .....イ監督は知ってるんだな。

セア : (目をくるりと回して) ......ええ。

サンウ : ........そうか。

(サンウ、無表情な顔で出る。セア、不安になる....)


#夕方、Hグループ行事場所、Hホテル

(セアとカン局長、一緒に入って来る。カン局長、会長に挨拶する。)

カン局長 : おめでとうございます、会長。

チェ会長 : 来て下さって感謝しています。

カン局長 : こちらはユン会長の一人娘、セアです。

セア : こんにちは。おめでとうございます。

チェ会長 : ああ、作家でいらっしゃるという...。 いやどうも。光栄です。美人とは聞いていましたが、これほどだとは。

セア : (頭を下げる) 過讃ですわ。

(セアとチェ会長、穏かな微笑みで対話中。カン局長、嬉しく見る。若い男が近付いて来る。)

チェ会長 : ああ、紹介しますよ。これは私の未熟な二男。アメリカ支社にいるんですが、先日呼び入れました。

ヨンフン : (好感的に) こんにちは。チェ・ヨンフンです。(目で問う)?

チェ会長 : 韓英グループの一人娘。セアさんと言ったかな?

セア : (負担をあえて隠す) はい...こんにちは。ユン・セアです。

カン局長 : 今はドラマを書いていますが...

ヨンフン : こんにちは、カン局長。

カン局長 : (微笑む) 久しぶりですね。

(セア、イバラの座布団にいるような。離れた所からその姿を見ているサンウ、詰ったような目。)

チェリー : オッパ、私たち挨拶しに行かないとならないじゃない?

サンウ : (我に帰ってチェリーを見る。声を低めて)お前、そのオッパという言葉、やめられないか?いつでもオッパ、オッパ。俺はお前の兄か?お前の恋人か?

チェリー : (いきなりカッとするサンウに驚く) どうしたの?急に...

サンウ : 安っぽく見えるぞ。話し方から直さないとな。うん?

チェリー : (ひるむ。口を尖らせて) 分かりました....社長...

(サンウ、チェリーと一緒にチェ会長の方に行く。少し緊張して順番を待つ。セア、背を向けた状態でサンウを見られない。)

(広報室長、サンウ達をチェ会長の方に導く。)

広報室長 : 会長、私たちの衣類ブランド専属のチェリーさんです。SWチン・サンウ代表様です。

セア : (ハッとし 振り返える)...

サンウ : (チェ会長に頭を下げる) おめでとうございます、会長。

チェリー : (いたずらっぽく笑って目礼する) おめでとうございます。

チェ会長 : ああ、チェリーさん。どうぞ。チン代表も。

(セア、表情固い。サンウ、チェ会長に微笑みで返事する....)





(原作出処:sonkhj1116さんのブログ



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