健闘を祈ります、オ理事！

健闘を祈ります、オ理事！

今日も熾烈に生きて行っているオ理事に健闘を！

あなたの周囲に憎らしいが憎めない誰かがいないだろうか？ある時は後頭部を殴りたいほど憎らしくても、蝶のように飛んで来て、そんな気持ちを一気に消し去らせる人。まさにナムジャイヤギのオ理事のような人。
劇中、オ理事キャラクターの設定は善人よりむしろ悪人に属する。だが、視聴者達は、彼が悪人でも、彼をどうにも憎めない。むしろ可愛いという反応だ。果たしてオ理事の人気の秘訣は何なのか。

オ理事、そしてあなた
ナムジャイヤギの人物中、最も現実的で実在可能性が高い人物を選ぶと、躊躇なくオ理事を選ぶだろう。
強者にはひれ伏せて接し、弱者には大声を上げる存在、目ざとく行ったり来たりし、ある時は二股を掛けるほど。周囲にオ理事のような人がいたら、本当に目を開けて見るにはゲンコツが泣くという表現がよく思い浮かぶかもしれない。
だが、現代社会を生きて行き、誰もが体験したかもしれない事、そしてそんなふうに生きて行くしかないのが私達の現実だから、躊躇なくオ理事を選ぶという事だ。
明日出勤した仕事の場から突然あなたの机が消えている事もあり得る、昨日の取引会社が明日の敵になる事もあり得る薄氷の現実ではないか。毎日を敵との同寝のように生きて行く私達に、上の人によく見せる事、好きでもない取引先の人に笑って飯を奢る事、こんな事は何でもない凄切な生存の現場だ。
そのため、オ理事が憎くても彼の姿は他人事ではないのだ。明らかに私の一面はオ理事ではないと否定するかもしれない。だが、私達がオ理事を愛するしかないのは、オ理事の憎らしい点が私達の一面だからではないだろうか。

機会主義者、今やセンスに溢れ、目ざとさ100束
オ理事のような部類を人々はよく機会主義者と呼ぶ。オ理事のような人物は、二股膏薬の好臣を象徴し、以前は義理ない小人物の象徴のような人物だった。
だが、現代社会を生きて行きながら、オ理事の姿が少しは必要な事も事実だ。
機会主義者を別の言い方で表現するならば、目ざとくてセンスある人のつもり、と言える。目ざとくて相手側の気持ちを上手く読み取る能力が必要な最近の時代の視覚で見ると、オ理事は卓越したエリートになり得る人物だ。
こんな方向で見ると、オ理事は他人の心理を把握する事と昇進に有利な道を見るという方面において、素晴らしい予言的分析家という事で間違いない。
だが、私達は注意しなければならない。
険しい旅程にもかかわらず、シンには一緒にする多くの人達がいるが、成功の順調な道程のように見えるオ理事の傍には誰もいないという点だ。
時には成功のためのセンスも必要だが、周囲の人々に与えるセンスも忘れるな。
今日も薄氷の現実で寂しく一本綱渡りをするオ理事、いや、君に健闘を。