〜瀬戸内豊海〜

2005/05/01(日)12:01

平面相互乗入れの功罪

社会や地域のことなど(178)

久しぶりに、JRに乗って京都へ行きました 今回のJR尼崎事故ですが、運転士や車掌の問題、JR西日本のATSや脱線防護柵の不設置、カーブの距離の不足等、いろいろ言われてますが、それ以外にも、乗客として数年前から気になっていることがあります。 この路線は、JR西日本の中でも、かなり特殊なダイヤグラムが、そして列車の運行通路自体が複雑過ぎではないかということです。 年々、危ないダイヤになっているような・・ JR福知山線の中でも、大阪に近い部分は、「宝塚線」と名付けられ、アーバンネットワークの一部に組み込まれてます。アーバンネットワークというのは、JR大阪近郊路線の愛称なのですが、なかでも、尼崎駅は、重要な分岐点の一つです。輸送量や町の様子は違いますが、鉄道路線の位置だけで言うと、東京のJRで例えるなら、秋葉原駅と似ています。 異なるのは、それらの路線が、尼崎駅のプラットホームを共有していること。 JR神戸線、京都線は、東海道・山陽本線の大阪-姫路、大阪-京都の愛称。 JR宝塚線は、大阪から北の山陰地方へと向かう福知山線の一部、大阪近郊区間の愛称。 JR東西線は、大阪環状線の内側地域、大阪の中心部を横断する路線。西は尼崎で福知山(宝塚)線に、東は京橋を経由して学研都市線へ乗り入れ。学研都市線は大阪府東北部から京阪奈学研都市へ向かう。 JR神戸線から、尼崎で東西線、学研都市線へ向かう列車もあります。 これらは、異なる路線の乗り換えを便利にするための設定と思われますが、 そのために、東西線・学研都市線と福知山・宝塚線の相互乗入れ列車、 東西線・学研都市線と神戸・姫路方面の相互乗入れ列車と、 京都・大阪と神戸・姫路方面の列車の進行方向が、尼崎駅のプラットホームで平面交錯している形になります。駅構内とといっても、プラットホーム以外で線路を分けておけば、衝突はしませんが、異なる路線が、プラットホームの、同じ番線を共有しているし、多い時は1時間50本以上の運行しているのですから、少しダイヤが乱れれば、尼崎駅構内での衝突事故もありえます。 これは、中距離路線の相互乗入れにより、他の阪急、阪神、京阪、南海、近鉄、大阪地下鉄などの相互乗入れよりも、利便性で上回る為の運用で、それに加えて、異なる路線の発着ホームを、あえて同じホームにすることで、乗客が乗り換えを便利にするだけでなく、中長距離列車同士の乗換え待合せ時間などを設定することなく、ダイヤを組めるようにしているのです。そのダイヤグラムの設定は、精緻で素晴らしいとは思いますが、寸分違わぬ、1分も遅すぎず早すぎない運行が求められます。ですから、大型連休で乗降客の流れが滞るだけでも、大事故を誘発する危険もあるわけです。 JR尼崎駅構内で、もっと大きな事故がおこっても不思議ではない運行体制と日々感じているのは 私だけではないはずです。

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