2006/06/01(木)05:00
10年ぶりの再会 其の二
29日のエントリーの続き。変則的な更新になってしまってややこしいな…。
王子が岳にて休憩のところ、ある事件が…ってとこからです。
二人で景色に見入っていたら、恰幅のいいおっさんが友人に展望台はどこかと尋ねてきた。
友人は私に振ってきたのだけど、私も話しに夢中でそこまで来たので正直よく分からない。
(後で見たらすぐ真横だった…。)
目の前にかなりざっくりした案内図があったので見てみたけど、いまいち分からず。
「地元の方じゃないの?」というので
「私は地元ですけど、来るの久しぶりなんで…」
わざわざ遊歩道まで戻って探して案内するのも…と躊躇しているうちに、おっさんは携帯でどこかに電話をし始める。
「あのー、今撮影の件で玉野に来てるんだけど、…そうそう。王子が岳の展望台ってどこ?」
とかなんとか。でも結局分からなかったらしく、電話を切って、
「ここが一番景色いいのかな、まぁ綺麗だよね。玉野で他に見所ってどこかあるかな?」
私が怪しみつつ児島湾とかを挙げると、微妙な気配を察知したのか
「イヤ、実は日本テレビなんだけどね、今度ドラマの撮影で玉野を使うことになって、ロケハンで。元々は岡山市の映像で行こうとしてたら、玉野から今街がさびれてるので、使ってもらって活性化に役立てたいとかオファーがあって。さっき市役所で聞いたら、なんとか公園と渋川とか言ってたな…」
「深山公園ですね。あとは宇野港とかも三井造船が近いんで…」
「あ、あそこ、なんとかシェフがレストランかなんかしてたんじゃなかったっけ。まぁ瀬戸大橋が出来た頃は結構撮りに来たんだけどねぇ。」
そこから岡山の悪口をひとしきり言われ(僕は京都の出だけど、阪神大震災の時に岡山の業者が手付金1/3だけ取って工事しなかった、関西では岡山出身って言わない方がいい、等等)、しばらくして、それじゃ、と立ち去りかけたので、
「あの、どんなドラマなんですか?」と聞いたら
「あのね、福山雅治とオダギリジョーが主演で、二時間もので…」
「単発なんですね」
「そう、それでオダギリが岡山出身でしょう、なんか津山のド田舎だって。で、福山が広島だから、その関係でね、やってんだけど。」
(ド田舎云々は余計なお世話だし、後で調べたら福山さんは長崎のご出身…)
「それにしても、教員か何かしてるの?喋り方しっかりしてるね。ご結婚は?」
「免許はありますけど、教員じゃないです。結婚はまだです。」
「大学は?」
それぞれ答えて、「大したもんじゃない、仕事しないの?」とか「その大学は管理栄養士が出てるらしいよね」とか妙な品評を受ける。
休憩しつつ、景色を見つつ歓談、の予定なので、そろそろ話を切ろうとしていると、立ち去りかけてまた戻ってきて
「あのさ、協力してもらったお礼ってわけでもないけど、音楽とか、興味ある?」
「ええ、まぁ…」(私&友人)
「好きな歌手とかいる?」
「あの…槇原敬之さん…」
「私は、クラシックとか、東京事変とか…」
「ああ~、槇原は分からんなぁ、いや、一列目しかないんだけど、プレス用にっていろんなとこから10枚くらい届くわけよ。最初はみんな行くんだけど、余っちゃって、もし良かったら訊いてみようか?」
「あ、じゃあ…」(友人)
携帯で「O石です。芸能の○○係長か○○主任いる?…(かくかくしかじか、私たちに向かって)…クラシックは毎日あるって。(電話の相手に)それと、槇原敬之はどうかな、わし、槇原はほとんど情報ないんよ。知っとるといえば覚醒剤で捕まったことくらいで(私は内心怒髪天をついているが無言)…ああ、ひょっとあったら5枚ずつくらい取れるかな?で、クイズ当選とかいう形で処理して…(さらに私たちに向かって)日本テレビ分かる?千代田区の…」
「汐留ですか?」(私)
「そう、よく知ってる…」
「汐留?」(友人)
「あ、違った、汐留はフジテレビか」(そりゃお台場では…と心のツッコミ)おっさん続けて友人に
「いっぱいあるから、直接取りに来て選んだら、って言ってるんだけど、行ける?」
「あの、後で電話で何があるかとか確認したり出来ますか?」
「ああ、じゃ家に送るから…内容は大体お任せでいい?」
「はい、じゃあ…実家の方に」
「じゃ、住所教えて」
友人が岡山の実家の住所とお父さんの名前を伝えると、口頭で向こうに伝えて、電話は終了。
さらに友人が
「私は東京しか行けないんで…彼女は岡山ですけど。」
「ああ…伝えとくわ。じゃあどうも、いろいろごめんなさいね~」
おっさん小走りに走り去る。
これが事件(?)の顛末。後から思い出したけど、私は3年ほど前にも深山公園で京都のテレビ関係者を名乗るおっさんに声をかけられたことがある。その時も岡山を舞台にロケをするとか言っていた。
同一人物かどうかどうにも思い出せないのだが、確かその時は玉野市役所から借りてきたという小型車に乗せられて自分の駐車場まで送ってもらい、自分は東大卒だの、海外勤務だっただの、嫁さんに逃げられただのという身の上話を聞かされて、そのうち暗くなってきたので、「それではどうも」と挨拶してそのまま車から出て、向こうの車が去るまで自分の車の中で待機していた。
当時恋人と別れさせられ、でも親に内緒でたまに連絡を取っているような状態だったのだが、後で彼にこっぴどく叱られたのを覚えている。
友人にもその話をしたら、
「そりゃ、車には乗っちゃおえんわ(駄目だよ)~」との事。
しかし、今回のおっさんも怪しい度数が結構高い。まぁ、関東の自分の住所を教えていないだけましかもしれないけど、後で、適当に無視してほっとけばよかったなぁと後悔。
家で話したら両親にも笑われたが、まぁ、ただの虚言癖なのかもしれないし、ひょっとしたら本物かもしれない。…まぁ、それはないだろうなぁ。
大した事件でもなくて期待外れだった方ごめんなさい。写真で一服して下さい。
↑瀬戸大橋です。見えるかなぁ?
↑通称「ニコちゃん岩(?)」横向いて笑ってるみたいに見えません?
その後もしばらく散策して、帰りにコンビニでちょっとした食料を仕入れて、玉野の父の実家(空き家)で休憩することに。
そこでは…まぁ、独身三十路女性の、これまでの顛末やら今後の展望やらが語られたのだけど、もうなんかしまいには笑うしかない状態に。
腰が痛いとか腹が出たとかに始まり、ストライクゾーンがどうとか、若い頃、何かのはずみで盛りがついて、モテたくない時に言い寄られたりしたけど、今となってはなんで断っちゃったんだ、とか、現実と空想の恋愛がどうとか。
でもまぁ、お互い過去には生きるのが面倒になってしまった時期を経ている同士でこんな与太話が出来るというのも、ある意味幸せな事なのかも知れない。
しばらく話をして、車で彼女の自宅まで送り、またねと言って帰宅。家に着いたのが22時前くらいだったはず。
書けばいくらでも際限なく伸びる話なのだけど、この辺で打ち止めにしておこうかな。
10年ぶりの再会にしては、何を話したかとかがあんまり明かせないところがなんとも言えない(笑)でも特に違和感もなく、普通に話が出来たかな。
今度は彼女のバイオリンを聴かせてもらいたいところ。いつになるかなぁ。楽しみだ。
クライズラー&カンパニー/フォルテシモ
↑クラシックに疎い私は、バイオリンと言えば葉加瀬太郎さん。
タモリさんが司会をされてた「音楽は世界だ!」に出ておられた若かりし頃が懐かしい…。
クライズラー&カンパニーさんは、槇原敬之さんと一緒にレコード大賞のステージにいたんだそうです(「どんなときも。の時」)。
葉加瀬さんと槇原さん、歳ひとつしか違わないんですよ!最近知ってかなりその…驚いてしまいました(汗)