プレミアムとか金取りすぎ・・・・・
ヤフーの暗いクリスマス ヤフー・ジャパンだけが優等生? (market hack)昨日ヤフーが約600人のレイオフを発表しました。 アメリカでは今回のヤフーのレイオフのようにクリスマスの直前にリストラを行うのは「悪趣味だ」と考えられています。 ですからこの時期にレイオフを発表しないといけない会社はよっぽど社内がめちゃくちゃになっているか、経営的に危機を迎えている企業であると疑ってかかるのがウォール街の常識です。 もちろんヤフーの経営が漂流していることはあまねく知られているし、今日に始まったことではありません。 しかし2011年は何か大きな変化がヤフーに起こるような気がします。 それではどんな変化が起こるか?ということですが、よくマスコミが指摘するのは比較的上手くいっていると言われているヤフー・ジャパンとアリババの持ち株を処分するというシナリオです。 実際、昨日のニューヨーク・タイムズにもヤフー・ジャパンの大株主である孫正義に対するインタビューが出ており、「その件についてはノー・コメント。デリケートな状況であり、今コメントするには微妙すぎる時期だから、、、」と直接のコメントを避けています。 しかし、米国のヤフー本社に対する苦言はどうしても口をついて出てくるようで、「残念だが創業者たちの後を継いだヤフーの経営者たちは技術の進歩についてゆけず、ヤフーを総合メディア企業に衣更えする道を選んだ。私はヤフーは常に技術革新すべきであり、メディア企業になるべきではないと主張してきた」とコメントしています。 また孫正義はヤフー本社には世界の各地のローカル・マネージメントに権限委譲し、ローカルなインプットを尊重する経営風土が欠けていると指摘しています。彼は強い個性の経営者なので、ヤフー・ジャパンの企業価値を上手くはぐくむことが出来ましたが、ヤフーは中国、英国、ドイツ、ブラジルなどではヤフー・ジャパンと同様の成功を収める事は出来ませんでした。 なるほど彼のこの主張には一理あるし、実際のところヤフー本社の所有するヤフー・ジャパン、ならびにアリババの持ち株、さらにヤフー本社のバランスシート上のキャッシュを合計するとヤフー本社の時価総額の価値の半分以上になるとされています。 ■ ■ ■ さて、ここからは僕の考えですが、ヤフー本社は確かにメディア会社としてのフォーカスを失いつつあると思います。 もっと別の言い方をすれば、ブラウザーを立ち上げたときのスタートページになる事に依存し過ぎたため、ユーザーの嗜好の変化に直面して、次にどう動き出せばよいかわからなくなってしまっているということです。 ここで言うユーザーの嗜好の変化とはFacebookやTwitterと言い直しても良いでしょう。 つまり今日のユーザーはデバイスを立ちあげたらすぐにengage(=濃いやりとり)したいと考えているのです。 もちろん、スタートページにヤフーのホームページを持ってくることのメリットはあります。 例えばヤフーの無料電子メール・アカウントを使っている人は自分宛てのメールがチェック出来るし、ニュースなども見る事ができるからです。 昔はネットの何処に何があるかという事自体がわかりにくかったし、整理されてなかったので、このようなポータルの価値は高かったですが、今はその価値自体がものすごく下がっています。 さらにFacebookでも使い方によっては自分が読むべき記事、キャッチすべき早耳情報、フィルターされた情報などはますます取得しやすくなっています。(Facebookで自分がフォローしているユーザー同士が自発的にFacebook上でシェアする新聞記事などはシグナル・ツー・ノイズ・レシオが極めて良好です。) また無料電子メール・アカウントの価値自体もFacebookやTwitterのコミュニケーション機能によって大きく侵蝕されていると言わざるを得ません。 自分のネット生活にまつわる全てのコミュニケーションがFacebookひとつで足るようになれば、もはやヤフーの入る余地は無いのです。 さて、話をヤフーのリストラクチャリングに戻すと、確かにヤフー・ジャパンはアメリカの本家より上手くいっているのかも知れません。 しかしそれではヤフー・ジャパンがとりわけ上手くやっていて、アメリカのヤフーに逆輸出できるようなサービスやノウハウがあるか?と言えば、残念だけど僕には思いつきません。 そうであれば考えようによってはヤフー・ジャパンの好成績は単にまだ日本のインターネット・シーンがFacebookなどの洗礼をもろに受けていないというだけの事なのかも知れないという気もするのです。 言い直せばこんにちヤフー本社がもがき苦しんでいる状況を、いずれヤフー・ジャパンも経験する日が来ないとも限らないということです。 なぜ僕がそう考えるか? その理由はヤフー・ジャパンにもユーザーをengageするようなサービスは余り存在しないし、socialな機能も前面に出ていないからです。