|
カテゴリ:いま生活者の求めるもの
前回の天秤産業は、エンタメ産業の成り立つためのモデルである。
しかし、そもそもエンタメ産業の専売特許ではなく、あらゆるサービス・ソフト業界が「よこマズロー性」つまり、エンタメ性が高まるときに天秤産業化が必要になると考えられる。
しかし、昭和初期に小売業界のシェアは25%あったが、いまは8%以下だ。当然、その間に生活必需品も含めて全て(まさに百貨)を売っていたのが、いまはブランド品中心の商売となっている。 裏をかえせば、それはまさにエンタメ性が高まっていることを意味している。(ソニーと同じで本来はいらないはずが、見たとたん欲しくなるものを売っている) その結果、比較して売れるものだけを中心に仕入れるという「天秤機能」が、人気の予測のつきにくいブランド品を入れ替えつつ、商業施設全体としての人気を維持するというために有効に機能し、そのため息の長い商売ができているのだ。 バブル時代にもてはやされたロードサイドのカテゴリーキラーの小売チェーンの多くがすでに見る影もない状況になっているにもかかわらず、である。
基本的には、同じ小売のコンビニも同じ構造だ。ただ、POSシステムでそれを徹底しているかどうかの違いだけだ。 変わった例では、ラーメン業界、最高のエンタメ施設であるラーメン博物館も同じ構造だ。ソフトである各ラーメン店を少しずつ入れ替えているからこそ人気が持続しているのであろう。
さて、携帯電話は、さらに面白い。じつに象徴的だ。 日本では当たり前だが、タダで端末が買える国は日本以外、殆どないと思われる。 日本独自のiモードによってそれは始まった。着メロ、着歌、ゲームソフト、様々な情報提供サイト、テレビ・・・・。どれとして、ソフトをドコモやKDDIなどのキャリアが自分で作っていないものばかりだ。 これは、20年以上前の任天堂と同じビジネスモデルではないか!
以下は、いただいたjunpapakazuさんからのコメント。 「さて、私は、この事業構造はサービスソフトを売る業界で共通している事業構造だと考えています。 エンタテイメント軸でのビジネスモデルを応用した業界は、考えてみれば枚挙に暇ないかもしれません。 インフラありきの軸では、携帯に付随する基地局インフラから携帯ショップ、(Docomoショップを運営する企業をみれば一目瞭然)着うたなどの携帯コンテンツ、忘れてならないApple iTunes・・・ ユーザーは時間消費を求めているのであって、CDやDVDのプラスチックの円盤を買いに来ているのではないですよね(爆)。 実は、住宅というのも同じ"コト"なのです。」 ・・・まさにそのとおりだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[いま生活者の求めるもの] カテゴリの最新記事
|