組織進化プロフェッショナル! イニシア・コンサルティング 丹生 光

2009/01/24(土)20:14

21世紀型リーダーの登場

新・賢者の条件(7)

「オバマ新大統領は21世紀型リーダー」 オバマ新大統領の就任演説を聴いた。素晴らしい説得力で、選挙勝利宣言の演説を超えるものだった。 彼の候補者としてのスタート時からの、一つの米国という主張にはブレがない。しかも、外交戦略も敵と味方を二分して考える20世紀型の国益論を捨て、イスラム社会とも相互理解を進めるという。地球温暖化にも方針を変え、米国として積極的に責任を果たしていくとしている。 まさしく、いまの世界が求めているリーダーの登場といえるだろう。 しかし、なぜオバマ氏の主張がこれほど説得力を持つのか、についてはまだあまり議論されていない気がする。それはオバマ氏の演説がうまいからでも、27歳のスピーチライターの頭が良いからでもない。 私は、これはかつてローマクラブが問題提起したように、「地球が有限」であるという前提に立った21世紀型の政治・経済運営がはじめてなされるからだ、と考える。その最初のリーダーがオバマ新大統領なのである。 これまで、資本の論理は地球が無限であるとの前提に立っていた。 しかし、その矛盾は無視できない状況となった。環境・資源問題がまさに典型だが、金融危機の本質も有限と無限の衝突問題と考えれば、同じ文脈でとらえることができる。 本当は8年前にゴア氏が勝利していれば、それが最初の21世紀型リーダーの登場となるはずだった。しかし、ブッシュ氏という20世紀型リーダーが僅差で勝利し、それは8年間遅れることになった。 21世紀型の政治・経済運営の確立はこれからだ。試行錯誤があるに違いない。しかし、後戻りは出来ない。 あらためて、21世紀型リーダーの奮闘を期待し、また自分に出来る最大限の協力をしていきたいと考える。

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