～ 　i n n o c e n t　 t r i p　 ～

ものすごくフラストレーションがたまっている。

今までもやもやしていたものが、凝集されて、固体に近くなってきたようだ。

それのはっきりと意味するところはつかめていないが、ただわかることは、きっと今のままじゃ、いけないんだろう。


僕はこの１年、安定しすぎていた。

これといった問題もなく、これといった問題を思わなかった。

僕は山のてっぺんにある公園で、２年前のことを思ってみた。

僕は、苦しんで、怒って、泣いて、もがいていた。心臓に爪を立てられてひっかかれているような気分だった。けれど、今はもう、その具体的な思いまでは、思い出せない。

当時の感情はただの形容詞になってしまっている。それ以上のものは、もうどこか遠いところへ、消えてしまったようだ。

時の流れって、幸せでもあり、残酷でもある。


今日僕は、とても人には言えないような夢を見た。

目が覚めて僕は、その夢が幸せなものなのかそれとも悲劇的ものなのか考えてみて、ちょっと笑って、ちょっと泣いた。

暗示的に気付いたことは、僕はそろそろ、自ら安定から脱出しようと思っている、ということだ。

きっと、僕が傷つくと同じように誰かを傷つける。

それでもそうしなければならないのだろう。

いつかそう、納得してしまうような気がする。

そしてそう、納得してしまったとき、

安定した精神生活は崩壊して、

僕はまた、

心臓にひんやりとしたナイフの切っ先をあてられているような、

そんな思いの中で過ごすことになる。



でもやっぱり、そうしなければいけないような気がする。

今のままじゃ、きっと、後悔してしまうような、気がする。