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2004年09月30日
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それはもうひどい眠りだった。


**************


「眠る前。」

僕はひどく疲れていた。

帰宅は11時。

まぁ確かに遅いが、普通は別にそこまで「疲れたー!!」って叫べるような時間ではないだろう。

肉体的な疲労も普段以上にあった。僕はなかなか開かないきつく閉まった蓋を150本ほど開けた。今日は変な筋肉痛である。

それ以上に、僕は精神的にうちのめされていた。

先々週、実家に帰る前に徹夜して行なった実験を、昨日はやっていた。

けれど昨日はそれがすごくうまくいっており、予定では8時くらいには終了し家に帰れる、と思っていた。

しかし。最後の最後でマシントラブル。

どうやっても直らず、結局、普通なら大型の機械でいっぺんに行なうことのできる作業を、小型の機械で同じ動作を20回も繰り返した。(その結果瓶を150本も開けては閉める羽目になった)

本当にゲンナリする。

外はものすごい雨風。僕は靴の中をびっしょりにしながら、実験棟と研究棟の間を10往復した。

指導教官は、家に一人残してきている子供がぐずっていたため、夜8時ごろ迎えに行った。(配偶者は出張の帰りに新幹線の運休で足止めされていたようだ)

子供さんは不機嫌だった。なんだかすごく申し訳ないような気がした。

10時半過ぎ、「子供家に送ってきて寝かしつけたら戻ってきてあと私機械の洗浄やっとくからsino。君はもう帰っていいよ」と指導教官は言った。

そのときは、確かに僕がいても機械の動かし方わからんし帰ってもいいかなと思ったから素直に『じゃあよろしくお願いします』と言ったけれど、あとで思うと普通に水洗いするパーツもあるんだからいたほうがよかった、と、さらに申し訳なく思った。

いろんなことに申し訳なく思った。

けれど、それ以上に思おうとしたことは、


僕が悪いわけじゃない。


子供が不機嫌だったのも僕が悪いわけじゃない。これほど時間が遅くなってるのは僕が悪いわけじゃない。

僕がミスをしたんじゃなくて、機械が勝手に壊れただけだ。

それは間違いのない事実だから、必死にそう思おうとした。

自己弁護。

けれど…自分が悪いと思うのが辛いから、ただひたすら『僕が悪いわけじゃない』と思おうとした。


その思考自体も、ひどく僕の精神を消耗させた。


**************


「眠りの合間。」

帰宅後、僕は彼女からのメールもそこそこに、眠りについてしまった。

『寝る』とメールを送った後、しばらく彼女の不機嫌なメールが続いた。

けれど僕は本当に疲れていたので、次のメールが届く合間に、眠りについていた。

いつごろか分からないけれど彼女から着信があり、僕は出た。『もしもし……ん…』と声を振り絞って言ったけれど、そのあとのことは覚えてない。おそらく月曜日に引き続き、僕は電話中に寝てしまった(もっともあとで履歴を見ると2分しか繋がってなかったけれど)


そうして僕は眠りについた。

僕は混沌とした夢を見た。

尊敬する女の子から本当に久しぶりのメールが届いた。僕はバスの中でそれを読んでいた。

理知的な女の子と僕は何かについて話していた。何か。僕らは電車の座席に座っていた。

僕はどこかに向かおうとしている。

どこに向かうのだろう。

それから、それから……


目が覚めた。タイマーセットしたコンポにはCDが入っていなかったらしく、電源だけがついていた。

AM5:30。頭痛と肩こりと筋肉痛がした。

ひどく浅い眠りのようだった。気がつくと朝になっていたのだが、疲れはむしろ深まっているような気がした。

それから、枕元に転がっている開いたままの携帯電話を見た。

ため息をついた。


**************


「眠りのあと。」

AM9:30、僕は学校に着く。

昨日せずに帰った洗い物を一時間かけて行なった。

「お疲れ様」といろんな人に言われた。本当に疲れた。

「sino。君大変やったなー。せっかく実験うまくいってたのに最後の最後でおかしくなると、なんやもうげっそりしてしまうよなー」と、コーヒーをいれに行ったら教授が言った。

「小型の方でやんなきゃいけないなんて私だったら発狂するわー」と、研究員の人が自分の席でぼぉっとしている僕に向かっていった。

『僕が悪いわけじゃない』という自己暗示にちょっと自信を持てた。


それでも今日の僕も、ツイてなかった。

昼に研究室で炊いた炊き込みご飯は、昨日に引き続きこげていた。

これはもう、間違いなく僕が悪いのではなく炊飯器が悪い。『僕が悪いわけじゃない』。

食べ終わり、コーヒーを手に席に戻る。

席につきコーヒーを机に置いた瞬間。僕の目の前の棚から教科書類がバラバラバラ、と落ちてきた。

僕は目を閉じて天を仰いだ。

「災難続きやなー。疲れてるんやねー今日は早く帰りー」と先輩に言われたのが、なぜかすごく嬉しかった。

というわけで、早く帰ってきた。



正午を過ぎても彼女からその後メールが届かない。

いよいよ、怒り出したか??

でもでも。今回は僕的には過去2回の「無視して寝ちゃいましたー」よりも明らかに仕方ないと思うし、『それほど悪くない』とも思った。

僕は働いてひどく疲れていた。そりゃ寝てしまいもするさ。そして何より、僕は『寝る』と宣言したんだし。

僕としてはいちばん意外な結果となった。なぜ『今日』怒る????

本当に、災難だ。


けどここで1つ、絶妙のタイミングのものが。

それは、あの、いろいろな波紋を呼び起こした(?)、


ラブレター。


それが今日彼女の手元に届いたのだ。

それを読んだ彼女はすぐに機嫌が直ったようだ。

怒ったようなふざけたメールが届いた。


これでまた、幸せ。


**************


来週は。

実験も彼女も、うまくいきたい。。。



…明日は?

どーでもいーや。。。





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最終更新日  2004年09月30日 19時52分16秒
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