イカタロウのぐーたら日記

2006/05/29(月)21:22

命を食するということ

今日のおでかけ(45)

週末、島根県の「やさか体験村」というところに行ってきました。 都会に住む人たちが、田舎暮らしを体験できるいろいろな施設のあるところです。 お仕事がらみではあったものの、古民家に泊まり、地元の人たちと語り合ったり、 田植えや山菜採りを体験させてもらったり、日ごろできない経験をたくさんしてきました。 上の写真は築70年の古民家の玄関。もとはお医者さんの家だったそうです。ここから見上げると、天井にものすごく太くてりっぱな梁が通っているのが見えます。今では決して手に入らない材料だそうです。つまり、同じものを現代では建てられないということ。柱や桟の直線と光と影が作り出す美しさ、まさに日本の美ですよね。日本人に生まれてよかった! 翌日の田植えは、私は撮影班?だったので、実際には田んぼには入っていません。でも今回参加した幼児から小学生までの子どもたちは、それぞれお父さんと一緒に、地元の人に教えてもらいながら、どろまみれになりながらも、懸命に苗を植えていました。 田植えそのものもさることながら、田んぼに大きなオタマジャクシがいたり、街ではめったに目にすることのないイモリが泥のなかを歩きまわったりしているのが、子どもたちに特に面白かったようです。 そう、オタマジャクシやイモリが田んぼにいるということは、つまり農薬とか使っていない、安全な田んぼである証拠なんですね。地元の方が「自分のところで作ったものが一番!どうやって作ったか、ちゃんとわかっているからね」と言われたのが印象的でした。それだけ、ちまたには安全でない作り方で作られた農産物がいっぱいあるということなんだな・・・、と。 ややもすると、お店で「商品」という状態になったものには、つい安心しきって買ってしまいがち。怖いことです。 そしてみんなが田植えをしている間に女性軍数名で山菜採りに挑戦! 草ボウボウの田んぼのヘリをスタスタ歩く地元の山菜博士?(御トシ70歳!)の後、ヒーフー言いながら小走りについていきました。めざすは、田んぼに続く裏山の急斜面に生えているユキノシタ。 はい、このキレイな葉っぱです。みんなでお昼ご飯用に一生懸命とりました。 その後、さらにそこここに群生するフキもたっぷり採らせてもらい、すっかり満足して帰りました。 すっかりお腹もすいたところで体験村にもどり、一番上の写真の古民家で、お昼ごはん。 写真は先ほどのユキノシタやヨモギ、イタドリなど、とれたて!の山菜をあげた山菜てんぷらと朴葉のおむすび。おむすびの中には、ほんのり甘く炊いた黒豆が入っています。なんでも朴葉のおにぎりは、田植のときには欠かせないものなんだとか。あぜで食べるので、お皿がなくても食べやすいように葉っぱでくるみます。なかでも朴葉には、殺菌作用があり、中のおにぎりがくさりにくいのだそうです。おにぎりに入れるのは、黒豆だったり、えんどう豆だったり、枝豆だったり、季節に応じて変わるのだそうで、それもまた楽しそうです。 充実した2日間の中で、とても心に残ったのが、今回私たちに田んぼを提供してくださったHさんのお話です。 「無農薬栽培なので草取りがとても大変です。今年は合鴨を田んぼに放してして、合鴨たちに草取りをしてもらう予定です。合鴨は草の芽をちゃんと食べてくれますから。でも、ネットを張っておかないと、合鴨がキツネや野犬に食べられてしまうことになって、その場合には、ボクが合鴨の代わりに草取りをしなければなりません。 そして秋にこのお米が収穫できるときには、合鴨も一緒に食べます。草取りをしてくれた合鴨を食べてしまうのは、かわいそうでもありますが、お米にしても、肉にしても、人間はそうやって人間以外の命をいただいて生きているということを、きちんと自分の子どもにも伝えたいと思うからです」 日ごろ動物とのつながりというとペットぐらいしか思いつかない私たちですが、確かに植物にしても、動物にしても、それこそいろいろな命をいただくことで私たちは生かされているのだということを、改めて教えられた気がしました。 大人も子どもも、街に暮らす人間には、こういうの絶対体験してほしいな。 あ、体験村にもっと人に来てもらう方法を考えるのが今度の仕事でした。 いえ、お仕事ぬきで、心から「みんなに来てほしい」と思った週末でした!

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