2014/11/02(日)06:36
タツナミソウが今時の田んぼの岸で沢山花を咲かせております。今時まで続くようです。
4,5月のシ-ズン時のタツナミソウの花
立浪草の立ち姿
若草に交じってタツナミソウの姿ものびのびと立っていた。花は茎の頂に付く。 大原の谷川の土手に毎年きまったように花をつけます。川の東側の土手面で一定の方向 のみ花を揃えて咲く様が海の波が立ったように見えるところから「立浪草」と名付けられた。
シソ科スクテラリア(タツナミソウ)属 (季節の山野草図鑑 95ペ-ジ) 仲間が多いので注意して見分けることともあります。今回、稲作が終った田んぼで、家庭菜園の前にひろがる田園を少し横に歩きました。1. そこには、キツネノマゴが群れを成して今も花をつけているほか、タカサブロウが咲き、レンゲも 花を付けていますが、だれも立ち入らないので静かに時が過ぎていく感じです。2. その岸で出合ったタツナミソウ
今時のせいでしょうか、背が低くて、やや立浪草らしくない姿勢のものもありますが、
この株は、タツナミソウらしい風情をかんじます。
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確か4、5月頃が開花のシ-ズンだと覚えているので、やはり意外性を感じました。 ここは、すでに少しふれたように谷川の水を利用した田園ですが、詳しくは山間の隠れている 溜池(5,6個)の水を利用しており、国道176号線の下をくぐり、福島大池から誘導される 農業用水の水路へ流れ込んで終る全長1kmあまりの谷川沿いの平地です。
この長い岸で、タツナミソウはその青紫色の花だけが目立つ存在でしたが、点々と飛びながら
沢山生えておりました。
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少なくともこの大原の里は、平安時代から鎌倉、室町時代には多くは開拓され田畑になって いたと思われますが、更に場面を広げて有馬富士山の麓などから我々の住まいである 友が丘なども含めて古墳が沢山出ております。人が住みやすい土地でもあったらしい。 相当古くから開けてた地域だと思われます。
この谷川の岸から田んぼの岸に咲くタツナミソウの花の地域までは500mあまりですが、
この平地が田んぼになる以前は草原であり、あるいは少しは林もあったかもしれません。 そこにはタツナミソウや鬼百合、ウツボグサ、ミゾソバ、など野草が咲き乱れていたことだろう。 ウツボグサ
この写真は、もう少し谷川の川下の物ですが、この地帯にも見られます。
2013.07.02 ウツボグサの生える田んぼの岸に近い所で咲く鬼百合
2012.07.21 稲の若葉が青々と茂る時期に岸で咲く鬼百合。
今回、このタツナミソウが長く線を成して生えている田んぼに岸と谷川は縦、横の位置づけ ですが、草原時代には強い数が吹けば種が飛んで行ける距離でしょうね。 タカサブロウ
史前帰化植物だと言われておりますので、この野草もこの平地で大昔からの野草かもしれ
ません ゲンノショウコやアキノタムラソウなどもこれらに交じってこの平地で毎年花をさかせていた そんな想像も成り立ちますね。 今は田んぼで区切られて、それぞれの土地が細切れですが、このようにこの地帯が林縁の 草原であった頃を考えますと、草花にとって豊かな自然が浮かび上がってきます。 今、熟れて美味しい時期を迎えた富有柿はその頃もあったのでしょうか。タツナミソウとは;
1. 科 名 シソ科スクテラリア(タツナミソウ)属
2. 学 名
3. 別 名 立浪草
4. 原 産 日本、アジア
5. 草 丈 20~40cm
6. 花 期 4,5月
7. 環 境 草地
8. 特 徴 唇形の花は、茎の先端に2列に並び、一方向を向いて咲く。
花穂は基部が曲がっている。
9. 仲 間 コバノタツナミソウ、シソバタツナミソウなど※ シソ科の仲間が多いが、とにかくさまざまな野草が育つ場所。
この林縁から平地にかけての地域には、初夏にヒメオドリコソウやオドリコソウ、カキドオシ なども競って咲きます。ノササゲ、ヤブマメなどつる草も。 シソ科が多いとの印象ですが、ムラサキサギゴケ(ゴマノハグサ科)も草地を埋めるように 沢山咲く景色が見られます。 わざわざ出かけるのではなく、畑の往復の中で自然に触れている所が有難い。