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Innerview-インナービュー 内側から見た世界

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Aamin

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2008/04/21
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テーマ:こころの旅(60)
カテゴリ:雑感
某国営放送で「音楽の市民革命」と題して、モーツァルトの「魔笛」上演について解説していた。
モーツァルトと言えば映画「アマデウス」でのいっちやってる天才のイメージが強かったのだけれど、この番組を見ているとモーツァルトがただのイカレた天才ではなく、当時最先端の思想を吸収した闘士の一人でもあったことが読み取れる。

ときはフランス革命前。
音楽も、すべては貴族や宗教者たちに支配、独占されていた。
実質的に音楽家は彼らパトロンがいなくては何もできなかったのだ。

モーツァルトもパトロンである領主にオペラの作曲を許されず、不満をつのらせていた。
それでも5年は我慢をしたのだが、最終的に決裂し、伯爵のもとを飛び出した。
彼は晴れて自由の身になったことをよろこび、意気揚々と首都ウィーンに出て音楽活動をはじめるのだが、そうはうまくいかなかった。
パトロンである貴族たちは伯爵に通じていたため、まったく仕事を与えようとはしなかったのである。
オペラの依頼はおろか演奏会の仕事にもありつけない始末。
モーツァルトは完全に干されてしまったのだ。

酒や遊興にふけって文無しになったようなイメージがあったが、実はそうではなかったのかもしれない。
薪を買う金が無かったため、一晩中妻コンスタンツェと踊り明かしたというエピソードも、干されていたと考えるとモーツァルトの意地さえ感じられる。

実際彼はへこたれなかった。
ピアノの家庭教師をしながら、ひとつのオペラを極秘に書き上げる。
それが「フィガロの結婚」である。

この作品は貴族階級を痛烈に批判した喜劇で、すでに各国で上演禁止にされていた。にもかかわらず、彼はわざわざそれをオペラにしたのだ。

もちろんウィーンでも上演禁止されていたので、彼は一計を案じ、皇帝の信頼篤い宮廷詩人に頼み、上演許可を得たのだった。しかも王立宮廷劇場でだ。

劇場を埋め尽くした貴族たちは、自分たちを批判する内容に騒然となる。

貴族に公然とケンカを売ったモーツァルトはその後どこで活動したのか?
96年にあらたに発見された資料によれば、市民階級が集う大衆劇場で書いていたことがわかった。
その名も「賢者の石」

それはフランス革命の翌年のことだった。
それからオペラを市民のものとするために、ウィーン市民が理解できるドイツ語で「魔笛」を書き上げる。
「魔笛」は脚本からモーツァルトが手がけ、フランス革命の精神である自由と平等をテーマに盛り込んであるのだと言う。

番組では、このオペラの上演をもって「音楽の市民革命」とし、音楽は以後貴族のものから市民のものへと変わっていく。
そしてその時代の変化を敏感に感じ取ったモーツァルトはやはり天才であったとしめくくられる。

さて、本当にそうだろうか?
そのすべてをモーツァルト一人の天才のせいにしてよいものだろうか?

ここからは某国営放送には描けない話しだ。
つまりそれはフリーメーソンの存在だ。

モーツァルトがメーソンのメンバーであったのは有名な話しだし、「魔笛」がフリーメーソンの入信儀礼(イニシエーション)と人間の変容について描いていることも有名な話しだ。

その視点から見れば、さまざまなことにつじつまが合う。
身分制度を批判するオペラをわざわざ書いたのもそうだ。
おそらくは皇帝をとりなした宮廷詩人もメーソンだろう。
大衆劇場のために書いた曲が「賢者の石」なんていう思わせぶりなタイトルなのもそうだ。

そしてなぜモーツァルトが飲んだくれのイメージで描かれるのか。
それは当時メーソンの会合はロッヂと呼ばれる居酒屋で行われていたせいもあるのではないか。

そうした居酒屋で国や職業を超えた人たちが交流し情報交換するネットワークが生まれたのだ。
そしてフランス革命にもメーソンが大きく関わっている。
フランス人権宣言にはばっちりとメーソンの紋章が描かれている。

そのメーソンのメンバーである彼が時代を読み違えるわけもないし、もっと言えば彼はメーソンとともにその思想を啓蒙するための宣伝係になってたのではないだろうか?そして大衆劇場は一種の市民啓蒙装置として働いたのではないだろうか?

そう考えると、映画「アマデウス」であやしげな興行師として描かれていた支配人も、メーソンリーとして有力な人物だったのかもしれない。

フリーメーソンなどというと、すぐに陰謀論的に考えられる向きもあるかと思うが、その歴史で果たした役割も大きいのだから、まともに歴史の教科書なんかでも扱ってもらいたい。

たとえばメーソンの標榜する「自由・平等・博愛」は「青・白・赤」の色となって、フランス国旗になっている。イギリスやアメリカもだ。
アメリカ独立戦争を支援し、アメリカのメーソンにお祝いに自由の女神をプレゼントしたのはフランスのメーソンだ。
米ドル札にはメーソンの紋章がこれまたばっちりと刷られててある。

考え合わせていくと、モーツァルトがただのイカレた天才ではなく、思想的パックポーンをもって行動していたように思えておもしろい。


さて話は変わるが、思想的な革命は知らないが、音楽の革命が起ころうとしているらしい。彼の名はグスターボ・ドゥダメル。
若干26歳でロス・フィルの副指揮者に就任したそうだ。
彼の指揮を見ていると映画「アマデウス」のモーツァルトを髣髴とさせる。
聴く人が聴くと、彼が音楽史を書きかえるのは確実なんだとか。
う~ん、ラテン系!!

グスターボ・ドゥダメル60 minutes

グスターボ・ドゥダメル公式ホームページ





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Last updated  2008/04/21 11:56:20 PM
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