2009/02/21(土)20:50
1-1
私の名前を呼ぶ声が聞こえる。
誰かが私を呼んでいる。
それは小さな、私が聞き取れたことが不思議なほど小さな声。
私はその声に応じるように玄関へと急いだ。
私が玄関のドアを開けると、そこには誰もいなかった。
しかしほんの少し前まで扉の先からは声が聞こえていたのだ。
どこかへ行く時間などない。
しかもそこには人が移動した痕跡すらないのだ。
私が不思議に思って扉を閉めようとすると、背後から声が聞こえた。
先ほどの小さな声。
私は驚いて振り返った。
すると突然、目を疑うような事が起きた。
私の周りの"色"が無くなったのだ。
全てが線で描かれた世界。
奥行きが無くなり、私が今どこに立っているのかさえ分からなくなるほどであった。
そのまるで2次元世界へ来たかのような感覚に私が驚いている時、また背後で私を呼ぶ声が聞こえた。
私は再び振り返った。
するとそこには