映画『ディア・ドクター』。
西川美和『ディア・ドクター』(エンジンフイルム、アスミックエース配給、2009年)。西川監督の作品を連続してコメントである。ネタバレあり。 さて。『ディア・ドクター』とは?ウィキペディアをもとに引用。 「山間部に位置する人口1千余人の小さな村・神和田村にある村営診療所から村の唯一の医者・伊野治(笑福亭鶴瓶)が失踪する。 伊野と数年来コンビを組んできたベテラン看護師の大竹朱美(余貴美子)や、地域医療を現場で学ぶため2ヶ月前から神和田村診療所で働いていた研修医の相馬啓介(瑛太)は突然の伊野の失踪に困惑するばかり。 やがて村の依頼を受けた警察がやってきて伊野の捜索を始めるが、捜査を続けるうちに誰も伊野の背景を知らなかったことが明かされる。 かつて、神和田村には医者が一人もいなかった。 そんな村にやってきた伊野はいろいろな治療を一手に引き受け、更には老人達の話し相手になってくれる大らかな人柄から村人に慕われるようになる。 そんなある日、伊野は鳥飼かづ子(八千草薫)という一人暮らしの未亡人を診察する事になった。 伊野の診療を受けるうちに次第に彼に心を開いていったかづ子は、ある時伊野に 「自分の家族に嘘をついて欲しい」と頼む。だが、伊野がその頼みを引き受けたことで、同時に伊野が隠してきたある「嘘」が次第に浮かび上がっていくことになる。」 これは、面白かった。地域医療の悲惨さと医療行為とは何かを描いたドラマ。 地方は医師がいない。 医師は病気やけがで苦しむ人を救うだけでなく、向き合う仕事である。 キーマンはベテラン看護師の大竹(余)と薬剤会社の営業マン、斎門(香川照之)。 好きだったシーン。薬剤会社の営業マン、斎門(香川)が警察の波多野(松重豊)と岡安(岩松了)に事情聴取されるところ。斎門の、波多野を沈黙させた台詞にしびれました。 西川監督は人の思いや考え、感情を白黒とはっきりさせないところが上手い。グレーを描く、というのか。人の思い、考え、感情はグレーしかない、という風にも感じる。 しかし、あの村はどうなるのであろう。伊野を師事していた相馬(瑛太)はどのような思いの変化があり、どのような医者になろうとするのだろう。かづ子(八千草)の娘で医師をしている鳥飼りつ子(井川遥)も。 また、配役は完ぺきである。2011/8/1記録。2019/9/12修正及び追記。あしま宮崎「大淀河畔 みやちく」ソーセージセット【送料無料】【SALE】,名店価格:3240円(税込、送料無料) (2021/6/13時点)