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平和問題、歴史認識、環境問題など様々な社会問題、フォルクローレ音楽、登山、鳥の写真など載せています。2008年8月2日開設
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2022.01.23
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テーマ:ニュース
カテゴリ:災害
「南海トラフ」の前兆か 未明の大分、宮崎を襲った震度5強 列島周辺で頻発する強い揺れ「すでに始まっているといってよい」識者
22日大分県と宮崎県で最大震度5強を観測する地震が発生した。震源地は日向灘で、震源の深さは45km、地震の規模はM6.6。列島周辺で震度5強程度の強い揺れが頻発しているが、今回は南海トラフ巨大地震の想定震源域で起きた。専門家は、巨大地震へ地震活動が活発化していると指摘する。
高知県や熊本県でも震度5弱を観測。その後も日向灘を震源とする地震が続いた。~
武蔵野学院大の島村英紀特任教授は「フィリピン海プレートが起こした地震で、震源がより浅く、マグニチュードが大きくなれば津波が起きる可能性もあった。南海トラフ地震も同様のメカニズムで発生する」と解説する。~
今回の地震は南海トラフ巨大地震の想定震源域だったが、有識者を交えた「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の基準であるM6.8には達しておらず、臨時開催はしないという。~
災害史に詳しい立命館大環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は「活発化する太平洋プレートに圧縮されたフィリピン海プレートの動きを注視すべきで、その中には首都圏も含まれる。小笠原の地震やトンガの噴火のほか、昨年来、トカラ列島や沖縄、台湾周辺でも地震が頻発しており、南海トラフ地震は始まりかけているといってもよい」との見方を示した。

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残念ながら、人類の現在の能力では、次にいつどこで大きな地震が起こるかを予測することは不可能です。
今回の日向灘の地震は南海トラフ超巨大地震の想定震源域の南端で起こったため、各方面で緊張が走ったわけですが、では今回の地震が南海トラフ地震の予兆か、引用記事にあるように「南海トラフ地震は始まりかけているといってもよい」のかというと、それはどうでしょうか。

長い目で見れば、確かに今回の地震が南海トラフ超巨大地震の予兆の一つである可能性はあると思います。長い目で見ればというのは、今後10年20年のスパンです。そのくらいの時系列でみれば、今回の地震は南海地震の予兆の一つだったということに、おそらくなるでしょう。ただ、「予兆」という言葉は、通常はせいぜい2~3年以内に起こる事象に対して言うように思います。しかし、南海地震が2~3年以内に起こる可能性は、ない-と私には断言できませんが、その可能性は高くはないだろう、と推測することはできます。

今回の地震に関しては、ウェザーニュースがYouTubeチャンネルで分かりやすく解説しています。



つまり、今回の地震と想定される南海地震では、地理的な震源の位置は重なるけれど、地震発生のメカニズムは異なる、ということです。想定される南海地震は、プレート境界線のひずみの蓄積から生じるけれど、今回の地震はプレートの奥深くでの内部破断、ということです。

それから、日向灘は確かに南海地震の想定震源域の南端に位置していますが、過去の東海・東南海・南海地震の震源域を見ると、少なくとも有史以降の地震では、日向灘まで震源となったことが確実に判明している例はないようです。

従って、今回の地震が南海地震の「直接的な」予兆とは言えません。
ただし、今回の地震の揺れが、本物の南海地震の震源域に「揺さぶり」をかけたのは間違いないように思います。そのことが南海地震に一切の影響を与えないものかどうかは、私には分かりません。与えるかもしれないのでは?という気もします。

ただし、東海・東南海・南海地震に関しては、もう一つの法則があります。これは、以前の記事に紹介したことがあります。

阪神淡路大震災から15年
この地域の巨大地震は、しばしば連動して起こります。特に東海地震・東南海地震・南海地震は、連動する可能性が非常に高い。
歴史を紐解けば
1946年12月21日 南海地震 M8.0
1945年1月13日 三河地震 M6.8
1944年12月7日 東南海地震 M7.9

1855年11月11日 安政江戸地震 M 6.9
1854年12月24日 安政南海地震 M8.4
1854年12月23日 安政東海地震 M8.4
1854年7月9日 安政伊賀地震 M7.6

1707年10月28日 宝永地震(東海・東南海・南海同時発生)M8.4~8.7
1703年12月31日 元禄地震(元禄関東地震)M8.1

1605年2月3日 慶長地震(東海・東南海・南海同時発生)M7.9~8※

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東海、東南海、南海の各地震は、そのうちの2つか3つすべてが連動して起こる可能性が高いというのが引用記事の趣旨ですが、そのことに加えてもう一つ、地震の間隔に注目する必要があります。各地震の発生間隔は、もっとも短くて約90年、長いと150年ほどです(もっと古くからの地震の間隔をどこか別の記事に書いた記憶があるのですが、自分でも発見できません)。宝永地震より以前も、有史以降判明している限りの東海、東南海、南海地震で、これより発生頻度の高い例はありません。プレートの動きによるひずみの増大は一定であるとすれば、プレートの動きが最近急に加速した、ということがない限り、これより発生頻度が高まる可能性は低いと思われます。

一口に巨大地震と書きましたが、過去の地震の歴史を調べると、実はそれぞれの地震の発生間隔と規模には差があります。上記の地震について言うと、こうなります。

1605年慶長地震(M7.9-8巨大)※
 約100年間隔※
1707年宝永地震(M8.4-8.7超巨大)
 約150年間隔
1854年安政地震(M8.4巨大)
 約90年間隔
1944-46年昭和東南海・南海地震(M7.9-8巨大)

1707年の宝永地震は、それ以降の1854年安政地震と1944-46年の昭和東南海・南海地震よりも地震の規模が大きかったことが指摘されています。もちろん残りの二つだって巨大地震であり、多くの犠牲者を出し1944年の東南海地震は太平洋戦争中の日本の工業力の最後の砦を破壊した、と言われますが。
ということは、前回が超巨大地震なら、次までは約150年、前回が巨大地震なら次までは90~100年、という法則になります。※
プレート間のひずみを最大限に解放し切った超巨大地震ではその後にひずみが蓄積するのに長時間を要するが、より小規模の地震では、ひずみが完全には解放し切っていないので、次のひずみ蓄積までの所要時間が短いであろう。このように考えると、この地震の規模による次の地震までの発生間隔の違いは説明がつきやすいです。
この法則を当てはめるなら、次の東海・東南海・南海地震の発生は、2030年代半ば以降である可能性が高いと考えられます。

もちろん、これは過去の、それも17~18世紀以降の記録だけに基づいて、地震の発生頻度を将来に当てはめただけの乱暴な推計で、推計と呼ぶにも値しないものです。過去の経験がそのまま将来にも無条件であてはまる、と断定することはできません。
ただ、前述のとおり、東海・東南海・南海地震の発生メカニズムを考えると、プレートの動きが突然速くなる、プレートの動く方向が変化するなどの、地質学的に新しい局面に移行しない限り、この発生頻度から大きく外れる可能性は高くないはずです。
だとすると、東海・東南海・南海地震の発生までは、少なくともあと10年は猶予があると考えてよいのではないかと私は考えています。あと10年もあるのか、あと10年しかないのかは意見が分かれるでしょうが。

※慶長地震について

1605年慶長地震の震源域には諸説あります。津波の被害記録は明瞭ですが、揺れそのものの被害記録が明瞭ではないからです。
このため、東海・東南海・南海地震という説とともに、他の震源域、あるいは遠方の地震で発生した津波被害といった説も存在します。

もし慶長地震が東海・東南海・南海地震に含まれないとすると、宝永地震の前の東海・東南海・南海地震は、一挙に約100年古くなって、1498年明応地震ということになります。宝永地震までの間隔は200年も離れているので、これを当てはめれば「次の東南海・南海地震まであと110年くらい大丈夫かもしれない」という見方も可能になります。(大丈夫、ではばく大丈夫「かもしれない」に過ぎないことに留意)
もっとも、東南海・南海地震の記録は、明らかに宝永地震(または慶長地震)以降とそれ以前で発生頻度が違います。宝永(または慶長地震)以降は前述のとおり90~150年間隔ですが、それ以前は140~200年間隔程度でしか地震の記録がありません。でも、それはおそらく、地震の発生間隔が昔の方が長かったから、ではありません。17-18世紀ころを境に急に地震の発生頻度が上がったと考えるよりは、古い時代の地震は断片的にしか記録が残っていないだけと考える方が自然ですから。

今のところ、慶長地震の震源域については決着はついていないので、次の地震まで10年か110年かは、神のみぞ知る、というところです。ただ、「万が一への備え」という意味では、あと100年大丈夫と決めてかかるのはどうか、というところです。あくまでも来ない「かも知れない」だけですから。それに、この地域を襲う可能性がある巨大地震が東南海・南海地震だけ、ということでもありません。






最終更新日  2022.01.23 09:48:09
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