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カテゴリ:音楽
徳島で阿波踊りを巡る騒動が報じられました。それまで阿波踊りについては特に知識もありませんでしたが、騒動についてちょっと調べていくうちに、騒動のことより、焦点となった「総踊り」のド迫力(YouTubeに動画がいっぱいあがっている)に圧倒されてしまいました。これは凄い踊りかも、とは思うものの、まさか阿波踊りを見るために徳島までは行けないなあ、と思ったら、東京でも阿波踊りをやっていることを思い出しました。(知識としては高円寺阿波踊りのことは知っていましたが、今まで行って見たいと思ったことはありませんでした)
で、今日行って来ました。 が、 人人人、すごい人波で、その後ろからだと踊りはロクに見えません。写真はカメラをかざして撮った(失敗写真も多い)けど、直接はあまり見えなかったのは残念です。 2日間で来場者数100万人というのですから、それも仕方がないところです。以前参加していたザ・よこはまパレードが来場者数40万人近いというので(開催は1日だけ)、2日間で100万人は、それを上回る人出です。ちょっと後悔しました。ザ・よこはまパレードは、自分自身が出演者だったからよいのですが、観客という立場だと、このくらい規模の大きなイベントは、こうも出演者がよく見えないものか、と。所々、間近によく見える場所もあったのですが、そういうところに限って、「ここは通路ですから止まらないでください」となる。 踊りをちゃんと見ようと思ったら、こんな大規模なまつりではなく、もっと人の少ないイベントを探すか、YouTubeで動画を見るほうがいいかも、なんて思ってしまいました。 ただ、(断片的にしか見えなかったとはいえ)踊りはやっぱり素晴らしかった。 江戸っ子連。わたしが到着したときには、踊り手はもう踊り始めて先に進んでいて、お囃子しか写真は撮れませんでした。 が、笛吹きなわたしにとっては、むしろこちらのほうが興味があったりして(笑) 三味線と篠笛 この辺りは撮影に丁度よかったのですが、通路なので止まれません。 この写真は縮小してあるのでよくわからないですが、元写真を等倍に拡大すると、篠笛は右手は指の腹(第1関節より上)で、左手は第1関節と第2関節のあいだで音孔を押さえているんですね。実は、わたしもケナーチョ(低音用の大型ケーナ)を吹くときはそのように押さえています。そうしないと左手の指は音孔に届かないからです。 ただ、篠笛は管が細くて、肉厚も薄いので、音量的にはなかなか厳しいものがありそうです。 お囃子の主役は太鼓と鉦、特に鉦は音が鋭いので遠くまで届きます。篠笛はどうしてもそれら打楽器に音量で押されます。さらに厳しいのは三味線で、かなり近くに寄らないとほとんど聞こえません。 華純連。男踊り、凄くかっこよかったのですが、この気温と湿度の中ですから、そりゃ汗びっしょりでしょうね。 浴衣の女性は、それだけでも魅力的ですが、編み笠をかぶった女性の後姿は、ドキッとするほど色っぽいな、と思います。なまめかしい、と言っては失礼かな。(100%オトコの視点丸出しで、すみません) でも、やっぱりみんな汗びっしょり。 江戸浮連。ちょうちん担ぎ(というのかな?)が白人系の外国人でした。他にも、外国人が踊り手や笛、太鼓に加わっている連はいくつかありました。でも、そうとわかるのは、白人系や黒人系など肌の色がはっきり違う人だけですから、実際には外国人の参加者はもっと多いのかもしれません。 参加者だけでなく、観客も外国人はかなり多かったです。 同じく江戸浮連のお囃子。 また細かいことを書くと、手前の奏者は左手も指の腹で音孔を抑えています。奥の女性は左手の第1関節と第2関節のあいだで押さえているようです。(元写真を等倍に拡大しないと分かりにくいですが) この写真では分からないと思うまで等倍に拡大すると 手前の奏者。左人差し指が、第1関節の上で穴を押さえています。(ただ、中指と薬指は第1関節と第2関節のあいだで押さえていそうですが) 奥の奏者。左人差し指は第1関節と第2関節のあいだで穴を押さえています。 ということは、篠笛って、指穴の押さえ方について、明確な決まりはなく、各自押さえやすいように押さえる、ということでしょうか? 晃妙連 また江戸っ子連。それにしても、下駄で踊るのって、どう考えても踊りにくいと思うのですが、それを言えばハイヒールも似たようなものか。ただ、力学的に考えて、歯の高い下駄で前傾姿勢で踊ると、歯が折れる可能性がありそうに思うのですが、よほどしっかり作ってあるのか、踊りの最中に下駄の歯が折れる、なんてことはないのでしょうか? なお、さすがにお囃子の人たちは、下駄ではなく草履なのですね。 粋輦(読めん!「すいれん」でしょうか?) 演舞場なのですが、分厚い人垣で、踊りはあまり見えません。写真はカメラを掲げて撮りましたが。 履物の差はありますが、足の運び方を見ると、「上手い踊り」の足運びって、基本的に洋の東西を問わず万国共通なんだな、と思います。踊りの基本は、足捌きと体の姿勢かな(と、自分は踊れないくせに知ったようなことを言ってみる) びっくり連 いわゆるフォルクローレもそうですが、阿波踊りも、おそらく、その原型からは相当に変化しているのだろうと思います。振り付けや動きが、江戸時代と同じであるはずがありません。今の目で見て「かっこいい」と思えるような振り付けは、相当新しいんじゃないかと思います。 でも、それが「民俗芸能」(あるいは民族芸能)の本来の姿なのでしょう。変化する、新しいものの影響を受けるというのは、「生きている」証でもあります。 あまりに踊りが見えにくいので、後ろを通過する踊り手を観察。 なんと、マイクソフト連。企業の従業員で参加する「企業連」が結構あるそうですが、まさかマイクロソフトとはねえ。団扇が、連の名前ではなくてWindowsになっているようですが(笑) 徳島天水連というのは、本場徳島から参加した連だそうです。が・・・・・・ 人はどんどん増える一方で、場所を移動するたびに(前述のとおり、見えやすい場所は移動を求められるので否応なく動くしかない)踊りが見えにくくなって行きます。 それに、終了時間である8時まではとてもいられないので、とうとう6時頃にあきらめて帰路に着きました。が、 なんと、こんなところに特等席があった!!高円寺駅のホームです。ただし、駅も大混雑で、当然電車も来るので、ゆっくり見ることはできませんが。 それにしても、篠笛いいなあ、吹いてみたいなあ(というか、かなり昔ですが、吹いてみたことはあります、もちろん、問題なく音は出ました)。踊る阿呆に見る阿呆、と言いますが、踊る阿呆は今更私にはできそうもありませんが、踊らせる(つまり伴奏)ほうなら、不可能ではないかも。 もっとも、篠笛を吹けることと、篠笛らしい音がすることは別の問題です。フルート奏者がケーナを吹くとフルートみたいな音がして、ケーナ奏者がフルートを吹くとケーナみたいな音がします。だから、わたしのフルートはどうしてもケーナっぽさは抜けません。篠笛を吹いても、多分ケーナの音になってしまうでしょう。 ケーナと篠笛を比べると、前打音を多用する、音の最後を切り上げる装飾音などは似ている一方、ケーナにはビブラートとタンギングがあって、篠笛には(あまり)ない、という点が違います。長年のくせで、音を伸ばすとどうしてもビブラートが入ってしまうし、タンギングなしで、かすれたりひっくり返ったりしない音を出すのは、結構難しいのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.09.01 08:52:25
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