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テーマ:戦争反対(1193)
カテゴリ:外国人の権利
林外相「在日ロシア人への誹謗中傷やめて」 閣議後会見で訴え
林外相が、在日ロシア人への誹謗中傷をやめるよう呼びかけた。 林外相「ロシア人であるという理由だけで、排斥したり誹謗中傷することは行わないよう、あらためて呼びかけたい」 林大臣は、ウクライナ侵攻以降相次いでいる、在日ロシア人への嫌がらせなどに懸念を示した。 そして、「今回の事態はプーチン政権による侵略だ」と強調し、「日本国内に居住するロシア国民からも、侵略に反対する声が上がっている」と指摘した。 --- 自民党の政治家の言い分を好意的に取り上げることは気が引けますが、これは、まったく正しい言い分であると言うべきでしょう。 確かにプーチンがウクライナに戦争を仕掛けたことは非難糾弾に値します。当ブログでも、毎回のようにこの問題を取り上げています。ただ、この戦争を主導したプーチンやその政権と軍の指導部と、報道の自由が制約された中で、政府のプロパガンダ的報道しか見ていない中で戦争を支持する一般国民、反対する国民、訳も分からないまま戦場で戦わされている軍人たち、それらの責任が等価であるはずはありません。 現状では、前述のとおりロシア国内では政府のプロパガンダに反するような報道がされないため、国内世論はプーチン支持が圧倒的だと言われます。 その状況は、あまり想像したくも言いたくもありませんが、日本が将来戦争に加担するような事態になってしまったときに生じるであろう国内状況と同じではないか、と思ってしまいます。 その一方で、インターネットで国外の情報に接する機会の多い人たちには、戦争に反対という意見も少なからずあると報じられています。反戦デモが同時多発的に何か所でも生じたり(残念ながら軒並み逮捕されたようですが)テレビ局のディレクターの反戦メッセージなど、これまでには見られなかった戦争反対の動きが、ロシア国内でも見られたと報じられています。どちらかというと、戦争反対の動きは若い世代が中心とも報じられていますが、ロシアの苦戦が明らかになり、軍人の戦死が増えて行けば、その動きはさらに大きくなっていくことが予想されます。 もとより、国外に在住するロシア人がプーチン政権のプロパガンダに踊らされていると考える理由はありません。実際、プーチン政権に反対する国外在住ロシア人は数多くいます。ウクライナ支援のデモに参加した在日ロシアも少なからずいたといいますし、ウクライナからの難民に対して通訳を買って出ている人にもロシア人がいると聞きます。 そういった、様々な考えを持つ在外ロシア人に対して、十把一絡げに全部排斥を叫ぶのは、かつての「一億総懺悔」と同じで、責任の所在を検証する妨げにしかなりません。 まして、ロシア料理店に対する嫌がらせ行為もあったと報じられていますが、こう言うのはあまりに短慮にすぎる行動です。ロシア料理の代表のように思われるボルシチは、発祥はウクライナだそうです。 文化的な側面ではロシアとウクライナは非常に近く、ロシアの文化(料理もそう)を否定することはウクライナの文化を否定することです。だいたい、あのゼレンスキー大統領自身、母語はウクライナ語ではなくロシア語です。というか、両言語はかなり近いので、通訳なしでも意志の疎通は可能のようです。だから、前述のようにロシア人がウクライナ難民の通訳を行うことが可能なわけです。 だいたい、ロシアから直接攻撃に晒されているウクライナならまだしも、日本は第三者です。だからと言ってプーチンの行動を容認、免罪することはできませんが、一般ロシア人に対して嫌がらせという直接行動をとるのは、明らかにやりすぎです。ロシア人一般に対する憎悪を煽って、この戦争の結末が望ましいもの(ロシアの全面撤退)になある可能性などありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.04.21 19:00:07
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