|
テーマ:ニュース(100831)
カテゴリ:その他
<追跡公安捜査>警視庁、大川原化工機の冤罪巡る公益通報への連絡放置 違法の可能性
化学機械メーカー「大川原化工機」の社長らの起訴が取り消された冤罪事件で、警視庁が2023年、捜査の違法性を指摘する公益通報を3件受けたにもかかわらず、通報者に調査の可否を3カ月以上、通知しなかったことが判明した。公益通報の調査の可否は、受理から20日以内に通報者に伝えるものと解されており、有識者は公益通報者保護法の趣旨に反すると指摘する。また、警視庁は調査の着手時期や進行状況について、通報から1年以上たった今も通報者に伝えていない。有識者には、調査をしていない可能性を指摘する声もある。 関係者によると、3件の公益通報は23年10~11月、警視庁の警察官が内部通報窓口にFAXで送信した計32枚の文書。 冒頭に「大川原化工機事件捜査について、法令違反があったので、内部通報を行います」と記されていた。 内容は 1大川原化工機の同業者の聴取結果を記した報告書が、実際には聴取せずに作られた報告書だった 2大川原化工機元取締役の供述調書を取調官がシュレッダーで故意に細断したのに、過失だとする報告書が作られた 3噴霧乾燥器の温度実験で、測定データの一部を除外する報告書が作られた ――とするもの。 それぞれ虚偽有印公文書作成・同行使、犯人隠避などの刑法犯に当たるとして、関わったとされる警視庁公安部の捜査員の調査を求める通報だった。 通報者の警察官は匿名で、連絡先として私有のメールアドレスが記されていた。 通報窓口は、警察官の懲罰を担当する監察部門がある警視庁人事1課。人事1課は、1・2についてはファクス受信から5日以内にメールで通報者に受理連絡をしたが、調査するかどうかを伝えず、3は受理連絡もしなかった。 24年2月、通報者から受理の可否や調査状況を問い合わせるメールがあり、人事1課は3月に「気付くのが遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。しっかりと調査させていただきます」と返信した。1の通報から5カ月近く、3の通報からも3カ月以上たっていた。 しかし、人事1課はその後に一切の連絡をせず、現在に至るまで調査の着手時期や進行状況について通報者に伝えていないという。(以下略) --- 匿名公益通報に「氏名教えて」 執拗に迫った警視庁 「大川原」冤罪 ~通報者の警察官は匿名で、連絡先として私有のメールアドレスが記されていた。 通報窓口の人事1課は公益通報を受理したと通報者に知らせるメールを送り、その際に「詳細について確認する必要があり、ご連絡ください」と電話連絡を求めた。 通報者は「確認が必要でしたら、メールでお願いします」とメールで返答したが、人事1課はかたくなだった。 人事1課は「あなたが警視庁職員であることを確認できる情報をいただきたい」、「警視庁職員であることを確実に確認する必要がある」と繰り返しメールを送り、「秘密は厳守しますので、氏名や職員番号を教えていただけないか」と求めた。 通報者は、警視庁職員しか知りえない情報を伝えたほか、通報窓口のFAX番号が外部に公表されていないことに触れ「これ以上、厳格に身分確認をすることは法零条求められていない」として拒んだ。 ただ、通報者は「(捜査が進展し)必要があれば相談に応じる」ともメールで伝えた。しかし、人事1課は返答しなかった。~ --- 後段の記事は、ネット上には一部しか掲載されておらず、12月24日毎日新聞朝刊21面の紙面から補いました。 この件は毎日新聞のスクープのようで、他のマスコミの記事には(少なくともネット上には)出ていません。 二つの記事を通じて分かることは、警視庁はこの内部告発に対して、その内容を調査するのではなく、「誰が内部告発をしたのか」という犯人捜しを行うことを優先した、ということです。 大川原事件は、冤罪事件の中でもかなり異質です。世の中の多くの冤罪事件は、犯罪の事実自体は存在しているが、その犯人を間違ってしまった、というものです。もちろん、その過程で証拠を捏造(袴田さん事件)など酷い例はあります。しかし、今回の事例は、そもそも犯罪ではないものを犯罪に仕立て上げて逮捕、長期間拘留をしているのです。証拠を捏造は言うまでもなく酷いことですが、犯罪事実自体を捏造した。つまり、世の多くの冤罪は警察の過失(証拠を捏造まで行くと、そうも言い切れませんが)なのに対して、この件では警察は故意犯である、ということです。間違ってではなく、意図して人を罪に陥れようとしたのです。 その結果3人が逮捕、長期間拘留された挙句、そのうちの一人ががんが手遅れになって亡くなったのです。 このようなとんでもない事件の真相を究明すことよりも、その情報の内部告発の犯人探しをした、ということです。「秘密は厳守しますので」などと言われても、何の保証もない、と思われても当然でしょう。 つまり、警視庁にはこの誤ちをきちんと正すよりは、誤りを内部告発するような人間を出さないようにすることの方が大事だと考えている、ということになります。 恐ろしいことです。だとすると、再び大川原事件と同様に、公安が「犯罪」のストーリーを描いて、無実の人を捕らえて、犯人にでっち上げようとするかもしれません。そのようなことをやっても、誰も処分されずに、告発者をあぶりだそうとするくらいなのだから、「二度とやってはいけない」という動機付けもないでしょう。 きちんとこの件を検証して、無実の罪に陥れた責を負うべき人をきちんと処分することが、絶対に必要でしょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.12.25 19:52:23
コメント(0) | コメントを書く
[その他] カテゴリの最新記事
|