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カテゴリ:政治
皇統の安定 現実策を…皇族減 典範改正が急務[読売新聞社提言]
皇族数の減少が深刻だ。皇位継承権を持つ皇族は3人となり、皇統の存続が不安視される状態が続いている。安定的な皇位継承の確保は先送りできない政治課題となっており、与野党は衆参両院議長の下で行われている協議で今国会中に結論を得なければならない。読売新聞社は4項目の対策を提言する。 ・皇統の存続を最優先に ・象徴天皇制維持すべき ・女性宮家の創設を ・夫・子も皇族に 与野党の協議では〈1〉女性皇族の身分を結婚後も保持する〈2〉旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える――の2案が議論され、〈1〉については各党・各会派がおおむね賛同しているが、女性皇族の夫と子に皇族の身分を付与するかどうかで意見が対立し、行き詰まっている。 特に自民党は、夫や子に皇族の身分を与えると、将来的に女系天皇につながり、父方が天皇の血を引く男系で126代継承してきた皇室の伝統を覆しかねないと懸念している。夫や子への皇族身分の付与は、女性皇族が旧宮家の男系男子と結婚した場合に限るべきだとの立場だ。 ただ、皇統の存続を最優先に考えれば、女性皇族が当主となる「女性宮家」の創設を可能にし、夫や子にも皇族の身分を付与することで、皇族数の安定を図ることが妥当だろう。皇室典範は女性皇族が結婚した場合、皇族の身分を離れるとしているが、早急に改正する必要がある。 象徴天皇制は戦後、国民に定着し、皇室の活動は深く敬愛されている。皇室典範は、天皇の地位は「男系の男子である皇族」が継承すると定めているが、男系男子にこだわった結果、皇室を危うくさせてはならない。 日本の歴史上には8人の女性天皇が存在している。皇統を安定的に存続させるため、女性天皇に加え、将来的には女系天皇の可能性も排除することなく、現実的な方策を検討すべきではないか。憲法には、象徴天皇制と天皇の地位の世襲制が規定されているだけだ。 〈2〉の旧宮家の男系男子を皇室に迎える案については、これまで一般人として生活してきた人が皇族になることへの国民の理解が得られるかどうかなど、不安視する声も少なくない。慎重に検討する必要がある。(以下略) --- 保守系新聞の代表である読売新聞が、こんな社説を出すとは想像していなかったのですが、天皇制護持を最優先に考えるなら、そりゃ男系男子に固執したら絶対に不可能なのは分かり切った話です。その当たり前のことを、読売もようやく認める気になったのでしょう。 天皇制を今後も維持するなら、理論的に男系男子をあきらめるしかないのは当たり前のことです。だって、男系が維持できたのは側室制度があったからで、今の時代には側室制度復活なんてありえないのだから、男系維持なんて確率的に不可能です。そもそも側室制度があっても、男系の女性天皇は過去何人もいますし。 「旧宮家の男系男子を皇室に迎える案については、これまで一般人として生活してきた人が皇族になることへの国民の理解が得られるかどうかなど、不安視する声も少なくない。」というのは、まったくそのとおりです。多分、それを言うなら皇族の女性と結婚したて皇族になる夫も同じだろう、という声がありそうですが、皇族の配偶者として皇族になる人は、「当主」にはなりません。もちろん天皇にもならない。旧宮家(正しくは、その子孫)が皇族になると、さすがに本人がいきなり天皇になることはなくても、当主にはなるわけです。 そもそも、11家あった「旧皇族」は78年後の今、男系男子の後継ぎがいるのは5家だけなのだそうです。一夫一妻制というのは、そういうことです。従って、仮に今旧皇族の子孫を皇族にしたところで、それは一時しのぎでしかなく、あと100年は経たずにやはり男系は断絶するでしょう。 ただ、わたしは護憲派だし、憲法に規定されている象徴天皇制を「打倒!」なんてことは一切思いませんが、皇位継承権者が誰もいなくなって天皇制が流れ解散状態になるのも悪くない、と思ってしまう自分がいることも、完全否定はできません。 女系天皇を認めることには賛成ですが、そういう不純な動機から、「男系男子維持」が変わらなくてもそれはそれでいいかな、と思ってもいるわけです。 とはいえ、私と正反対に「何が何でも天皇制を守るべきだ」という人に限って「男系男子絶対維持」なんて叫んでいるのを見ると、正直「バーカ」って思うよね。贔屓の引き倒し。その妄執が天皇制の終末を早めることに、自分では気がつかないようです。ぜひぜひ頑張ってください。 もっとも、このような考えは大筋以前から変わっていないのですが、秋篠宮家へのバッシング騒ぎを見て「女系天皇を認めても、もう手遅れかもね」という気がしなくもないのが正直なところです。 例のKさん本人は知りませんが、その母親には確かにいろいろ問題がありそうです。ただ、それを日本中が総力を挙げて叩き続ける景色には、私は正直心が寒くなる思いしかありません。 自分の一族の、誰にもバッシングの種になる要素などない、と言い切れる人って、世の中にどのくらいいますかね。今は問題なくても先のことは分からないわけです。ひとたびバッシングを浴びれば、日本中から攻撃され、プライバシーは丸裸です。 あの風景を見たら、マトモな人ほど皇族との結婚なんて忌避するでしょう。それは愛子さんの夫になる人でも悠仁さんの妻になる人でも同じ。 実際のところ、あのバッシング騒動よりはるか以前に、いまの天皇が結婚する前、お妃候補と言われた女性は何人もいました。中には旧皇族、旧華族の女性もいましたが、みんな逃げたわけです。皇族の世界に近い人であればあるほど、そこから逃げたわけですよ。その理由が、あのパッシング騒動で図らずも天下に知れ渡ってしまいました。だから、今後女性天皇を認めたところで、その配偶者を見つけることは至難の業だと思わざるを得ません。 もちろん、それでも皇位継承権者が一人だけよりは二人いる方が、確率的にまだマシではあるでしょうけどね。 そういう意味では、どっちにしても、日本の天皇制はもう詰んでいるのかもしれません。とはいえ、私が生きている間に天皇制がなくなるってことは、さすがにないでしょうけど。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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