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ゴルフ場にはすっかり犬の姿が見えなくなった。偶に見かける犬は
見るも無残な弱り方で 大抵片足びっこを曳き 動くのがやっとの 状態である。間も無くおとずれる餓死、或いは銃殺までの2,3日 最後の足掻きに必死なのだと映る。毎時ラウンドする度に‘ 私は 数知れない不幸な犬達の‘塚’の上で プレイしてるのよね。’ と内心 何とも言えない遣る瀬無い気持ちになる。がこれも現実、 割り切る他無いのだ。 今日の午後 何度か 餌をあげたことのあった茶の雌犬に出会った。 今までのように 餌をあげるのも 簡単でなくなった。何度も何度も 餌を‘囮’の銃殺をかいくぐって来ている。私が餌を差し出した途端 脱兎如く逃げ出した、ビッコひきひき。途中で何度も 足をとられて 転がるように倒れる。それでも必死で 逃げ惑う。バギーで追いかけて 何とか餌を繋いであげたいとこっちも必死なのだが 相手の死への 恐怖には勝てない。とうとう見失った。 こんな時には‘あなたはほんとに要領がよくない。どうしてもっとスマートに 行動できないの!’と自己嫌悪で苛々する。が 同時にこうも思う。‘なぜだか あの犬を繋ぐのを神様は それほど今すぐと思われなかったらしい。’と。 実際はあの犬の弱り方に とても不憫さが募って 胸は晴れない。 が きっと神様には 別の思惑がおありなのだろうと思う事にする。 それでも気重く 車を家路へと走らせ始めた。クラブのメインテナンス場 まで来ると 生後5、6ヶ月ほどの黒犬がとぼとぼ走り出てきた。 車を止め 飛び出して 餌を並べ車に戻った。私が発車させるのを待って 黒犬は大急ぎで 餌に走りより かぶりついたのをバックミラーで確かめる。 ‘そういうことなの?’と思う。この仔犬を救いなさいと神様は言われたのね。 あの茶色の雌犬は もうじき天国へお迎えされるおつもりなのね?と。 こういう毎日を過していると将来 どんな人間に為っていくのだろうと 時に思う事もある。まあ 今以上に醜くも為りようが無い筈 もう十分 醜態は晒しているのだから。 マリは1時一進一退で再度 ドクターBatuの診察を受けにも行った。あまり 捗々しくも回復しない。まず食欲を皆目 失っている。台所の仕切り病棟に 蹲って 大人しく介護されるままに許している。中々気丈で 頑固で 思い込みも激しく 時にてこずる事が多い。うちの犬の中では クーニンに ちょっと似てるか? 早く本復してくれます様に。 『<終>』 ---- 大原 素子 ??????@pd.jaring.my お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年05月23日 17時59分50秒
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