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『犬の鼻先におなら』

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2008年06月11日
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霊能力商売の内幕暴露。騙される事を望む人々。

 副題は「われわれ霊能者はいかにしてイカサマを行ない、大金を稼ぎ、客をレイプしていたか」。
 1976年に米国で刊行された本。30年以上も昔の、しかも外国の内幕暴露本ですが、全く現代の日本でも状況は変わらないと思います。
 出版されるや、米国で当時かなり話題になった本だそうですが、日本でも広く読まれて欲しい本です。

 所謂、「霊だの守護霊だのと交信できる」と主張する自称霊能力者のイカサマ師ぶりが余す事無く書かれている本です。
 それもその筈、著者は当の霊能力詐欺師だった人物なのです。


 当初は、著者自身も霊の存在を信じ、(守護)霊と交信できる人間がいると信じていました。彼自身と彼の相棒がたまたまその能力に恵まれていなかっただけだと考えていたのです。
 彼らは、彼らの“正しい(と思っている)”真理の普及の為、「交霊術」会を開き、霊能力“業界”に、どっぷりと浸かっていきます。
 p30「たぶんわたしたちの心理状態は、国家の安全のために嘘をついたり、政府の政策に賛成できないという理由で極秘情報を盗み出してマスコミに渡したりする、国務省の役人の態度とそう違わないかもしれない。(略)いわば正しい理由で悪い事をする立派な人たちはたくさんいる。」
 この当たり、北朝鮮「地上の楽園」であるかの如くハッキリ文章で誉めそやしている大江健三郎のように、独善という“病”一般について言える事ですね。

 そして、霊能力者のコミューンがただの詐欺師の“業界”に過ぎず、一人のマトモな人物もいないと実態を理解するようになった時には、彼ら自身全く良心の痛みを感じない常習犯の詐欺師に変貌してしまっていたのです。欺瞞と金まみれの世界(場合によっては「個人の霊が憑依した」なる主張の下、個人の伴侶とsei行為に及ぶ事すらしばしばあるそうです)。

 霊能力詐欺は将に“業界”と言うべきものになっており、詳細なカモリストが既に全米を網羅する形で完成されていて、そのファイルは詐欺師各々の“財産”となっているのです。
 ですから、亡くなった家族の名前どころか、およそ知りえないような些細な事(家の間取りやらペットの名前やら)すら霊能力詐欺師は予め把握しているのです。これでは「守護霊様のお告げ」とやらが百発百中なのも当たり前。  
p34「アメリカ全土と外国の一部にまで張巡らされたれ霊媒界の諜報網は、霊魂商法をただの地域的な現象から、まさに悪のフリーメーソンへと変貌させた。心霊現象界のマフィアへと。」

 それどころか、より大胆な犯罪も平然と行います。「霊からのプレゼント」と称して、何か小さな、装飾品を“空中”から出現させるのです(無論ただの手品)が、それは、しばしば信者が紛失していた物であったりする為被害者はすっかり信じきってしまいます。が、実は紛失ではなく、窃盗されていたのです。会場で被害者のバックから、それどころか、被害者の自宅に手下を忍び込ませる事すら霊能力詐欺師は行います。


p75「霊媒の何人かは実際、自分達はイカサマ師ではないと自分自身まで偽ろうとしているように思えた。」

 こんなトリックについても記載されていました。
p137絹に写る霊の像の正体「この場合の仕掛けは、まえもって絹の布に下準備をしておくことである。わたしは、よく古い雑誌から写真を切り抜いたり、列席者が知っている故人のスナップ写真が手に入った場合にはそれを利用したりした。この写真をアンモニアに三十秒間浸した後、純白の絹布の上に置き、その上からハンカチをかぶせて、熱いアイロンをかける。これで写真の像が絹に転写されるのである。」


 しかし、著者は改心します。きっかけは一人の善良な老婦人と出合った事なのですが、これが皮肉にも神秘がかったもの。
 老婦人は亡くなった夫の遺書を探していたのですが、見つからない。そこで筆者は全く出鱈目に霊のお告げを告げます。「遺書は金属キャビネットの二重天井の中にあり、鍵は底の紙切れの下敷きになっている」ところがそれが見事に的中。
 さらに奇跡は続きます。古ペンダントをイカサマ交霊会で空中より“出現”させ、プレゼントしたところ、実はそのペンダントは何十年も前に彼女が兄からプレゼントされた物だった。何故、そんな物が著者の手に入ったのか全く不明なのです。


 さて、改心した彼は欺瞞と堕落に満ちた霊能力“業界”と決別すべく、関係者に「自分達はイカサマをしていた。イカサマしかしてこなかった。他の霊能力者も同じだ」と爆弾発言をするのですが。

 霊能力詐欺が消滅しない訳というか、人間の心の奇怪さというか、“業”の深さを思い知らされるエピソードが続きます。

 著者が相棒ラウールを含め、あらゆるイカサマと決別すべく、心霊教会の評議会でハッキリと彼と彼の相棒がイカサマをしていたと白状した後の逸話。
 p189「私はラウールに言った『お前の話もしようじゃないか。お前が見せている霊媒能力はどれもこれもイカサマだって事を話してやろう。それから、世界中のあらゆる霊媒が見せている能力は一つ残らずイカサマだってこともな!』そこで私は言葉を切って、無言でラウールを見つめた。ラウールは静かな声でいった。『お前の言う通りだ』」そしてマトモなキリスト教の団体になれないなら、自分は出て行くと著者は言いました。
 ところが、その直後一人の女性がこう言うんですね「『わたしはあなたの意見に賛成です。私の霊たちは、もし正しくないことなら、それにかかわってはならないと、あなたを通じて教えてくれましたからね』」

 (?_?)。だから「霊なんてイカサマだって」今言ったばかりなのに。

 p190「『さっきあんな話を聞いたのに?』(略)『ラウール本人がここにいる皆の前でそれを認めたのに?』

 p191「評議会のメンバーの一人で、教会に加わるためにわざわざオハイヨ州から引っ越してきて、金や資産をおしみなく寄付していたジョージ・マザーンは、ラウールに『きみは自分が私をだましていたというつもりかね?』とたずね、その答えを得た。『そのとおりです、ジョージ』しかし、この後も彼はラウールの隣の席に座りつづけ、いまでもなお熱心に心霊主義を信じている。」
 p191「狂信者症候群は、偽の霊媒にとって最大の見方である。いくら論理をつくしたところで、嘘とわかっていながら信じる気持ちを打ち砕くことはできない。

 p191「私は打ちのめされた。人々に嘘を信じ込ませるのがいかに簡単かは知っていたが、同じ人々が、嘘をつきつけられた時、真実よりも嘘を選ぶとは予想していなかった。
 p191「狂信者症候群は、科学的に調査する価値がある。ほかの面ではまったく正気の人間が、幻想やペテンに夢中になるあまり、真実が白日のもとに晒さた後もなお、それにしがみつこうとするのはなぜか」

 心理学で言う「認知的不協和」と言われるものですね。既存の認知と矛盾する認知に出合った時、人はその時生ずる不協和(不快感の事ね)を消そうとします。早い話、一度強固な“信奉者”になってしますと、何があっても自分の信念を深める方にしか認識が働かなくなってしまうんです。

 自分の思うに任せない現実と向き合うより、インチキ、まやかしとハッキリ明白に判っていても、自分に都合の良い“幻想”に浸っている方が心地よいからなのでしょう。

 人間にはいわば「自ら進んで騙されていたい」という、“無明への衝動”とでも言うべきものがあるようです。



 訳者の突っ込み。
p218の訳者の注より「はじめて霊現象を商業化したフォックス姉妹がインチキで、はじめて霊の物質化現象を起こして見せた霊媒が彼女らの姉のリアで、そしてはじめて心霊キャビネットを使用したダヴェンポート兄弟がマジシャンにすぎなかったとしたら、彼らに引き続いて同じ状況で同じような『霊現象』を起こしてみせている後続の霊媒のみなさんが、本物であるなどということはありうるのだろうか?もし本物だとしたら、なぜ『偽者』が考え出したシチュエイションで本物の『霊現象』が起きているだろうか?」


 なお、彼が改心したもう一つのきっかけは、彼がフリーメイスンの会員になった事。堂々と書いてあるし、フリーメイスンの他の会員の名前もハッキリ書いてあります。フリーメイスンって秘密結社というより非公開結社ですね。日本でも「東京メソニック協会」は厚生労働省認可の財団法人だったりします。サンドイッチの軽食会とかバーベキュー、焼きそばパーティーなんかを日本でしていますね。誤解して入会した人があまりの“退屈さ”に、がっかりしてしまったなどという話もあるようです(^o^)。

超能力・霊能力解明マニュアル
本書は見つからなかったので(何故だ)、代わりに大槻教授の本を。





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最終更新日  2008年06月13日 06時02分37秒
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