『犬の鼻先におなら』

2010/03/14(日)19:16

「相田みつを全貌展」を観た

φ(..;)来た見た書いた(470)

「バタ臭さ」も「楷書」も有り。何故皆、大真面目に鑑賞しているのか。  かなり急ぎ足で観てしまいました(無料入館権を貰ったので寄り道して行ったのだ。「無料だもの」)。  こじんまりした美術館です。  「相田みつを美術館は、作品を鑑賞するのに1時間、余韻に浸りながらくつろぐのに1時間〔あなたの人生の2時間を過ごす場所〕をコンセプトに作られました。」(相田みつを美術館館内図より)  有楽町駅すぐ近くの東京国際フォーラム地下一階にありますので、一寸時間が空いた方など、お寄りになると良いでしょう。  展示作品は「にんげんだもの」の世界。そうとしか言いようがないです。「相田みつをだもの」。  覗き込むと美術館や企画展の紹介映像なんかが写る「電子井戸」や、水面に手をかざすと字が写る「手水鉢」とか、筆を動かすと大きな書籍状の装置に相田みつをの書が投影される「電子ブック」なんかもあります(「手水鉢」はグッと一気に手を突っ込んだら、「わっ」。水は本物だった)。  しかし、こうした装置、要るんでしょうかね。「相田みつを」の世界を見に来た客が望むかな。一寸した余興でしょうか。  また、相田みつをのアトリエも再現されていました。  しかし、これは“失敗”だと思います。使われている障子紙や桟、柱等の建築材が真新し過ぎるのです。ピッカピカの“相田みつを”の世界。物凄く違和感有り。少し古びたような味わいを出すべきでした(「醤油でサッと拭く」等の工夫が必要)。    発見。  20代の頃の相田みつを氏の書に感心。カチッとした見事な楷書による漢詩。当たり前だけど、上手い。「書家だもの」。  相田みつを氏は最初から「にんげんだもの」書体だった訳ではないんですね。「修行したんだもの」。  大きな発見。  相田みつを氏は洒落たデザインも手がけていた。なんと、クッキーの包み紙。バタ臭いデザイン(「クッキーだもの」)。  知人のお菓子屋さんに頼まれての事らしい(普通頼むかな、相田みつを氏に、クッキーの包装紙デザインを)。  なお、このクッキー「CHAT」はお土産コーナーで販売していました。  その他、愛読していた『正法眼蔵』や、幾重にも補修した辞書なども展示されていました(『正法眼蔵』は昔読んだけど難物だったなぁ。「相田みつをワールド」のバックボーンは禅なので、“打撃系”の批判では簡単にかわすでしょうね)。  今回改めて、「あぁ、なんか違うよな」と他の鑑賞者(相田みつをファン)とのズレを認識。  例えば「できない約束はしないほうがいいんだなぁ」と書かれた書(当然、あの書体)。  眺めていると、じわぁ~っと可笑しさが込み上げて来ませんか。じわぁ~っと(できれば、「裸の大将」の声色で(^O^)。  私は“来る”んですね(書体もそうだけど、特に「だなぁ」の「なぁ」の部分)。  可笑しいと思うんですが。  でも、にやにやしてる人は誰もいないんですね。皆、大真面目に鑑賞している。う~ん。  無論、他の書の“延長線”として捉えるならば、「大真面目に鑑賞」が“正解”なんでしょうが、やはり、私は可笑しい。  相田みつを氏の意図がどうであれ、可笑しい。  いや、そもそも、相田みつを氏の意図は何だったのか。  相田みつを氏は「微笑」はしたでしょうが、私のように“哄笑”(正確には「馬鹿笑い」だろうな(^O^)はしない人だったような気もします。    “大真面目”ってスノッブ臭がするので、どうも性に合わないんですよ(ただし、相田みつを氏自身はスノッブではなかったと思う)。   “生”の本質って、もっと躍動感溢れる“馬鹿馬鹿しさ”に満ちているような気がします。 ベタですみません(^_^:)ゞ「インゲンだもの」 相田みつを氏のクローン軍団が出来たら凄いだろうな。

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