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三作品中、これが一番快活。懐かしさにじんわり。はやぶさ≒忠臣蔵
結局、「はやぶさ」三作品を全て見てしまいました(笑)。同じ題材で、三作品が同時期に制作、上映。こういうケースは今までもなかっただろうし、これからもないと思います。各作品、細かいエピソードなどの取り上げ方も含めて、相違点、共通点があり、「はやぶさ」という題材を離れても、なかなか興味深かったですね。 さて、しんがりを務めた本作品、3D作品で、三作品中、一番“明朗”な作品となっています。明白に家族向け。(監督は『釣りバカ日誌』を撮った人らしい。納得)制作者は特に科学少年、少女に見て欲しいと願っているのでしょう。オフィシャルサイトなんかも見ると一目瞭然です(ただ、“軽い”とも言えるんだよね)。これは主演を渡辺謙氏が務めた瀧本智行監督作品『はやぶさ 遥かなる帰還』と対照的。 科学少年少女向けという事で、その為、はやぶさの軌道や起死回生の姿勢制御の方法等、アニメを使って解り易く解説され、一寸した科学教育映画の要素もありました。他の二作品にはない特徴です。3Dである点も判り易さに貢献していたんじゃないでしょうか。 で、それを見ているうちに懐かしさが、じんわり。 あったよなぁ~、こういうの。子供の為の科学教育用の本やテレビ番組。今は妙にタレントなんか出して子供の興味を無理やり引き付けようとするんだけど、昔はシンプルに科学自体の面白さだけで説明してたんだよね。 特に思い出深いのはプラネタリウム。ドームの周りのホールに様々な展示物や写真が飾られていたっけ。そうだ、ボタンを押すと太陽の周りを惑星が回りだす装置があったなぁ。あれと全く同じ絵柄(そりゃ同じに決まってます)。 私が始終通っていたプラネタリウムは取り壊されてしまいました・・・。しみじみ。 という訳で、「子供はわくわく、お父さんはしみじみ」という作品なんじゃないでしょうか。 (ただ、もう少し“ぶっきらぼう”な説明スタイルの方が、逆に良かったんじゃないですかね。科学少年、少女って「子供向き」より逆に「大人向き」の方が喜ぶものです) しかし、これは映画本来の出来不出来とは関係ないですね。 どうも「はやぶさ」映画というものは、「映画」という事だけでは括れないレゾンデートルがあるようです。 純粋“平和”利用の衛星技術だったり、金銭的にはビンボーだったり、精神性を帯びているとさえいえる技術への情熱だったり、日本人の心の琴線に触れる要素が多々ありますね。 国民的“物語”。言ってみれば“「はやぶさ」忠臣蔵”(そういえば忠臣蔵に「はやぶさ」は似ている(笑)。艱難辛苦の挙句、目的を達するが、結局は切腹しちゃうのだ) 閑話休題。 家族向けを狙った為、プロットも縦糸にはやぶさ計画、横糸に二家族の情愛と葛藤を描いています。 ただ横糸の方、二つも家族は要らなかったんじゃないかな。「はやぶさ」に携わる主人公と失敗した「のぞみ」に携わっていた彼の父親との葛藤と和解に焦点を絞った方が良かったんじゃないでしょうか。入院する母親とその子供というのは少し陳腐。 音楽は誰でもわかる冨田勲。ありがちな選択ですが、やはり画面と合っていて、三作品中ではこれがBEST。 今回はリポビタンDの出番なし(笑)。川口淳一郎教授の神頼みシーンもなかったですね。 代わりに、「はやぶさ」の名前の由来が説明されていました。鳥の隼が獲物を取って巣に帰る行為に因んだのだそうです(この説明は合っているのか。てっきり、日本ロケット工学の父、糸川博士が設計した戦闘機「隼」から来ているとばかり思っていたが)。 他の二作品と違い、理学系と工学系の対立なんかも触れられていました。ここの所に興味を惹かれましたが、あまり深く掘り下げてくれず残念(一口に「科学技術」と言いますが、「科学」と「技術」の関係って歴史的に面白かったりするんです)。 ただ三作品とも見事に共通するのは「ビンボー」。本作品では直接的な描写こそありませんでしたが、繰り返し台詞(「予算はNASAの十分の一」)で語られていました。 ラストに「一番じゃなきゃダメなんです」と民主党の蓮舫議員への当て擦り(笑)も。皆さん、忘れかけていたのにね。 しかし、皮肉なものです。本映画でも大杉漣氏演じる川口淳一郎教授が「結果を出さなければ予算が下りない。結果を出さなければ意味がない」と力説していましたが、当に「結果を出した」からこそ、「このような事が二度とあってはならない」と民主党は「はやぶさ2」を叩き潰しにかかった訳ですし、マスコミもこの動きを「報道しない自由」で全力で隠蔽している訳です。 失敗したら予算がつかず、成功しても予算が下りない。 (「はやぶさ」プロジェクトサイト) http://www.hayabusa.isas.jaxa.jp/j/ 川口淳一郎教授の声明。予算削減への抗議と皆様への支持のお願い。 自由民主党も日本共産党も党員となるには日本国籍である事が条件ですが、民主党は違います(というより世界中探して民主党のような党則の政党が他にあるのか)。つまり現在の民主党代表(つまり首相)は外国人の方々の投票によって“も”決められている訳です(日本人の圧倒的大多数には代表を決める権限はない)。また多くの民主党閣僚が外国人“な”方々から多額の献金を貰っている事は皆さん御存知の通り。 民主党、ポンと韓国様に5兆円!もの通貨スワップ。 しかし、「はやぶさ2」の予算は必要予算の半分以下。 この“民主党と偉大な隣国人たち”からの“御命令”は果たして、地球人類の科学技術史に如何なる意味を残すのか(実際、劣悪な条件であったが故に特殊な科学技術が発達するという可能性もある訳です。科学技術史は奇妙な流れをしばしば見せます)。 P.K.ファイヤアーベント『方法への挑戦』(分厚いが面白い) 三作品全てを見た(笑)結論。 堤幸彦監督の『はやぶさ/HAYABUSA』が一番良かったんではないでしょうか。 音楽はこれがBEST。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年04月09日 06時45分27秒
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