孤独師を目指している.......
つーか、目指さざるを得ないボクとしては、
映画とかLiveとか、たいてい何でも独りで行ってるんですネ。
焼き肉屋にだって、ランチタイムだったら独りで入って
カルビもレバーもタンもかかってこい!
ってくらいの実力は、そろそろ身につけてきているんですヨ。
そんなボクが、独りじゃどうにも行きにくいなぁ......
って、手を焼いている強敵が
カラオケなんです!
スナックとかじゃなくて個室になってるヤツ。
受付カウンターでマイクなんかを受け取ったり、
インターフォンで飲み物をオーダーしたりするあの手の店ですヨ。
偶然とはいえ、ビッグサンダーマウンテンに独りで....
....スタッフが乗ってるだけで、他の客が誰も乗っていない 独りきり で....
乗ってしまったことがあるボクにしても
独りカラオケに立ち向かう勇気が持てずにいるんですヨ。
たまにはガォ~って絶叫したくなる時だってあるじゃないですか。
別にカラオケじゃなくて、クルマの中でCD鳴らしてでも、
家でアコギジャカジャカでもいいんですけどネ。
独りで街中にいる時にそんな衝動が起ったら
皆どうしてるんでしょうネ?
独りカラオケに挑んでいるんですかネ?
通報覚悟で公園とかで叫んでいるんですかネ?
うん、誰かを誘うっていうのも有りでしょうけど、
いきなりそんなこと言われてハイハイ♪って乗ってくれる人なんて
家庭持ちや社会人だとなかなかいませんもんネ。
いても、1時間以内になんて絶対合流できませんもんネ。
1時間以上あとになったら、
その頃には絶叫パッションはすっかり鎮火してて
もういいや!って気分になってそうですもんネ。
そうは言っても独りカラオケはそこはかとなくロンリーな訳ですヨ。
人数を告げた瞬間、カウンターの向こう側のおねぇさんに、
憐れむような視線攻撃されるのは間違いない訳ですヨ。
憐憫から愛が生まれる♪なんて韓国ドラマみたいな展開は
ゼェ~ッタイに有り得ないですから、
何とかして、独りカラオケの悲壮感を払拭する手だてはないだろうか?
って考察の淵に、ボクは深く沈んでいった訳ですヨ。
〈悲壮感のない独りカラオケを実現するためのシナリオ〉
まず、五線紙を買ってきて、何でもいいから譜面を書き写します。
そうですネ。できれば4-5曲くらいは用意しておきましょうか。
サングラスをかけ、乱雑に手書された譜面とケータイを
透明プラスチックのブリーフケースに入れて出撃です!
店に入ったらそのケースをこれ見よがしにカウンターの上に置いて、
堂々と独りであることを告げます。
この時に恥ずかしげな表情が微塵も出ないように要注意です!
この瞬間からカウンターを離れるまでの間にケータイが鳴るように
あらかじめアラームをセットしておき、
タイミングを合わせて入店しなくてはなりません。
アラームが鳴ったところで、
すかさずケータイを取り出し、
独りで次のような会話をします。
「あ、○○ちゃん。悪りぃ悪りぃ....」
「そんなに怒んないでヨ。チョット煮詰まっちゃってさぁ.....」
「そうそう3曲目のテライ、Bメロの頭んとこ.....」
「えっ、今?.....ボックスにこもっていろいろ試してみようかと....」
「チッ、けど、独りの方がいいことだってあるだろ!」
「うん、そりゃ悪いとは思ってるヨ.....」
「あぁ、でも今そんなこと話してたって時間の無駄じゃん.....」
「1時間チョイ、みんなでメシでも食って待っててヨ。」
「んじゃ、後で。よろしくぅ♪」
さぁ、これでレコーディングかリハーサルを抜け出して来た、
プロもしくはセミプロねシンガーですヨ☆
オヤジバンドのボーカルでも、演歌歌手でも、アニソン歌手でも、
見えるように見てくれればいい訳ですヨ♪
コーウンをガマンしているイメージで眉間にシワを寄せ、
表現者の苦悩をあたりに撒き散らしながら、
指定された部屋に向かいます。
部屋に入ったらまずノドに良さげなソフトドリンクと、
口の中でモタモタしない食べ物をオーダーし、
テーブルの上に譜面を広げておきます。
飲み物が運ばれてきそうなタイミングを見計らって、
立って発声練習をしてるふりをしておきましょう。
この時にはまだマイクにもリモコンにも触れてはいけませんヨ。
店員が飲み物を置いて退室したら準備完了です☆
さあ、タネは播き終わりました。
少なくとも、遊びで歌いに来たんじゃなさそう!
タダ者じゃないゾ!ってことにはなっているはずです☆
そのあと、気を抜いてせっかくの準備を台無しにしないように、
必ず立って、譜面を持って歌ったり、
時には譜面にメモったり、
リピートやキャンセルを駆使して同じところを何度も歌ったり
カラオケなしで歌ったりして
窓の外を通る店員の視線も一応マークしておきましょう。
さあこれで、独りカラオケの悲壮感、
侘しさはすっかり払拭され、
堂々と勝負できますヨ☆
今後は譜面などの小道具と
深刻な面持ちで武装して
何時来るか解らない絶叫衝動に備えることにします!
ってところで、もうひとつ.....
カラオケなんか比じゃないくらい、
独りではどうにも行きにくい場所.....
独りで訪れることをカタクナに拒否する巨塔。
単独行動者の前に敢然と立ちはだかる気高き要塞。
そう、ボスキャラ的存在とも言える最大最強の難敵。
次にボクか攻略すべき
最終目標となるターゲットは....
ラブホです!
って、ウソですヨ。絶対に攻略なんてするもんですか!
独りでなんて行きたくないどころか
独りだったら近寄りたくもないですヨ!
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