2007/12/13(木)15:03
ルールはシンプルな方がいい
自民公明両党は、13日の与党税制協議会で、証券税制についての改正内容を決定しました。
2010年末まで、株式譲渡益については500万円以下は10%、それ以上は20%とし、配当は100万円以下は10%、それ以上は20% とするようです。
2011年以降は、20%になる見込みです。
金額により条件を変えたり、期限も2年間だけだとか、相変わらず複雑です。
そういえば、2001年11月30日~2002年末までに購入した株式を、2005年~2007年末までに売却すれば、購入額1000万円までは無税にするなんていうルールもありましたね。
どうして税制はいつも複雑にするのでしょうか?
確定申告のたびに感じますが、説明文もわざとわかりにくくしているのではないかと疑ってしまいます。
「貯蓄から投資へ」などと口では言っていますが、これから投資を始めようという人にとっては、ややこしいと感じただけで、やる気が失せてしまうと思います。
ルールはシンプルで公平なのが一番です。
金額制限や期間限定などをせず、譲渡益課税は一律20%、配当については二重課税の問題もあるので無税でいいじゃないですか。
政治家がごちゃごちゃいじくり回しているのを見ていると、腹が立ってきます。
話はそれますが、シミュレーション・ウォーゲームのことを思い出してしまいました。シミュレーション・ウォーゲームというのは、過去の戦争状況を忠実に再現したゲームです。
この種のゲームは、リアルさを追い求めるあまり(史実に近い展開にする)、ルールが複雑になりがちです。
基本ルールはあるものの、この場合はこう、この地点でこういう条件の時にはこうする、などという例外規定がたくさんあり、ルールが膨大な量になるものがあります。とても覚え切れません。
その結果、プレイ中常にルールはどうなっていたか、ルールブックと格闘するはめになり、ゲームを楽しむどころではなくなります。
それでもプレイできれば、まだ幸運です。
そんなゲームをやる人は珍しいので、そもそも対戦相手が見つかりません。
しかたがないので、初めてやる人にルールを教え込もうとしても、すぐに諦めざるを得なくなります。
その時に思いました。ゲームはシンプルが一番であると。
ルール自体はシンプルながら、とりうる戦法はたくさんあり、ゲーム展開がバラエティに富んでいるものが、すぐれたゲームであると思います。
株式投資ゲームは、売りと買いしかない、非常にシンプルなゲームです。
それでありながら、非常に奥が深いことは、同意していただけると思います。
そこに証券税制で、不自然で作為的なルールが入ってきて、しかも短期間でちょこちょこルール変更するとは、ゲームを冒涜しています。
株式投資はゲームではないと言われるかもしれませんが、税制を考える人には、少なくとも国策として証券取引に対する基本的な考え方を整理していただきたいと思います。そしてその場しのぎの例外規定をごちゃごちゃつけることは、もう止めてください。