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2008/01/14(月)15:57

伊藤元重氏の講演:グローバル経済を読み解く

雑感(67)

土曜日に、伊藤元重さんの「グローバル経済を読み解く」という講演を聞きに行きました。 場所は東京大学の安田講堂です。 安田講堂というと、小学生の時にテレビで観た、全学連が立て篭もって、機動隊に火炎瓶を投げつけていた光景を、思い出します。 彼らが何を訴えて戦っていたのか知りませんが、白い手拭を顔に巻いた人が大勢いて、不気味に感じたことを覚えています。 また、連合赤軍が立て篭もった浅間山荘事件では、大きな鉄球を建物にぶつけたシーンが、脳裏に焼きついています。 現代の子供達が大人になった時には、9.11テロで高層ビルに飛行機が突っ込んだシーンとか、イラク戦争の爆撃シーンを思い浮かべるのでしょうね。 話がそれました。 講演内容で印象に残ったことを、いくつかまとめます。 (注.伊藤元重さんの講演内容だけでなく、私の認識も混在しています。) ・現在のグローバル化は、発展途上国のグローバル化 昨今グローバル化が進んでいると言われていますが、先進諸国はずっと昔からグローバル化されていました。 最近のグローバル化は、発展途上国のグローバル化に、その本質があります。 第2次世界大戦後、日米欧諸国は自由貿易化を進め、それと共に経済は急成長しました。 発展途上国はどうかというと、自由化を進めると欧米諸国の企業に席捲されてしまうことを危惧し、保護政策をとりました。その結果、経済は停滞しました。 その後、自由化したほうが成長できると気づいた国々が現れ始めました。後にアジアの4つの竜と呼ばれることになる、韓国、台湾、シンガポール、香港です。 彼らの成功を見て、ASEAN諸国も自由化を進め、経済は離陸しました。 その後中国やインドが続き、今日の急成長に至っています。 現在のグローバル化は、グローバル企業によるこれら諸国の低コストを利用した生産基地化と、その恩恵に与りこれら地域が経済成長したことによる消費者層の拡大をもたらしました。 ・グローバル化は、地域経済化を進める グローバル化により、各国間の貿易量は増大します。 グローバルというと地球規模をイメージしますが、現在のグローバル化では、近い国同士の貿易量が急増しています。 たとえばヨーロッパの国々の貿易相手は、ヨーロッパ圏内が大多数です。 アメリカの貿易相手の多くは、カナダとメキシコです。 そして日本の現在の貿易相手は、中国がアメリカを抜いて一番になっています。 このように現在のグローバル化は、地理的に近い国々の交流を深め、地域経済化をもたらしていることに特徴があります。 今後人口が減少していき、停滞感の漂っている日本ですが、現在急成長しているアジアに位置していることは、大きなチャンスになりますね。 ・アメリカの消費市場の影響度 中国のGDP成長率は何年も10%を超えており、目を見張るものがあります。 アメリカ経済がサブプライムローン問題の影響で低迷しても、BRICs などの成長により世界経済への影響は軽微であるという、いわゆるデカップリング論がささやかれています。 しかしアメリカの経済規模は、中国の6倍あります。 アメリカはここ数年4%成長をしてきましたが、これを中国の成長規模に換算すると、 4X6=24% になります。 つまり中国の10%成長よりも大きいわけです。 そのアメリカの成長率が落ちると、世界経済全体への影響が大きいことは、明らかです。 もちろん国により、影響度は異なるとは思います。 アメリカとの結びつきが強い国ほど、影響は大きいでしょう。 日本は、以前ほどではないにしろ、結びつきは強いでしょうね。 ・人的グローバル化 グローバル化には貿易面のみならず、投資や人的交流など様々な面があります。 日本の自由化はかなり進んでいますが、人的交流に関しては閉鎖的だと言われています。 今後人口が減少していく日本ですから、移民や労働人口の受け入れの議論は、避けて通れないと思います。 フィリピンとのFTA交渉において、日本が示した介護士受け入れ条件は、受け入れないと言っているも同然でした。 日本人の多くは、ガイジンが近くにいると、落ち着かないのでしょうか? しかし一方で、新たに結婚する人の10組に1組は、国際結婚だそうです。 驚くべき多さだと感じました。 日本の人的グローバル化は、国際結婚を通して進むのかもしれませんね。

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