|
カテゴリ:雑感
参議院選挙に関する報道やコメントには、多くの違和感を感じます。
・民主党は大敗した? どの報道でも、民主党は大敗したことになっていますが、私には、善戦したように感じます。 まず獲得議席数ですが、自民党51議席に次ぐ、44議席を確保しました。 長らく続いた野党時代であれば、与党自民党51議席に対して、野党第1党の民主党が44議席というのは、ごく普通の結果のように感じます。 (時代は変わったと言われればそれまでですけど。) 更に比例区の得票数では、民主党が31%と最大得票数を得ており、自民党は24%に過ぎません。私の感覚では、予想をはるかに上回る得票数です。 国民も民主党の政権運営のひどさに目を覚まし、昨年の衆議院選挙での民主党バブルは破裂するだろうから、自民党よりもかなり低くなると予想していました。これだけ国益に反することをしているのに、まだこんなに多くの支持者がいることが、信じられません。 ・消費税増税を持ち出したことが敗因? 消費税増税を持ち出したことが敗因であるという意見も耳にします。 しかし自民党も消費増税を謳っており、それが原因で負けたということにはなりません。 財政や年金を持続的なものにするためには、消費税の増税は避けて通れないと思います。早期に超党派で検討を始めようという菅総理の呼びかけは、間違ってはいません。 しかし本来であれば、 (1)こういう政策を実施したい。 (2)そのためにはこれだけの財源が必要になる。 (3)国家予算の削減策として、こういう施策を施す。 (4)それでも不足する財源として、消費税を何%上げる必要がある。 というのが筋です。 今回は具体的な計画は何も無かったように感じます。 財源無きバラマキ政策を非難されないようにするため、自民党との争点を無くす選挙戦術として、消費税を持ち出したようにも感じます。 消費税発言が原因で負けたとするならば、この点を国民に見透かされたのではないでしょうか。 日本が危機的な財政状況にも関わらず、大量の国債発行ができているのは、消費税を増税すればなんとかなると思われているからです。 消費増税は切り札であり、切り札を切っても財政が改善しなかったらアウトです。 民主党関係者の間では、増税分を雇用を増やすような政策に使えという意見もあるようですし、財政が改善するようには感じられません。大きな政府を志向する人たちに大きな財源を与えても、無駄遣いが増えるだけです。 私は消費増税自体には賛成ですが、民主党政権下での増税には反対です。 ・昨年の衆議院選挙で民主党に投票した人が、みんなの党に流れた? 昨年の衆議院選挙で民主党に投票した人が、みんなの党に流れたと報道されています。もちろん昨年自民党ではだめだと思い民主党に投票した人が、自民も民主もだめだから今回はみんなの党に入れたという人もいるでしょう。 しかし本当に、多数の人がそのような投票行動をとったのでしょうか? 民主党は大きな政府で、みんなの党は小さな政府を標榜しており、まったく目指す方向が違っています。 私は昨年の衆議院選挙の時から一貫して、反民主党親みんなの党であり、この2つの党が選択肢として並ぶことは考えられません。昨年民主党に入れ、今年みんなの党に投票する人がそんなに多いのか疑問です。 ・民主党の連携相手はみんなの党? 与党の過半数割れが判明した途端に、みんなの党が連立相手として浮上しました。しかし上記のように、民主党とみんなの党は目指す方向性が正反対であり、連立することは考えにくいです。もちろんお互いに得ることがあれば、一時的に同盟を結ぶことはあり得ますが、それは大穴であり第一の連立相手として想定されることには、違和感を覚えます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[雑感] カテゴリの最新記事
|