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カテゴリ:素朴な疑問
最近の円急騰の理由について、ドルと円の実質金利差で説明している例がみられます。たとえば この記事 では、
日米の政策金利を0.1%として、コア消費者物価指数で算出すると次のようになり 米国:0.10% - 0.9% = -0.8% 日本:0.10% - (-1.0%) = +1.1% 日本の実質金利の方が高いことにより、ドルキャリートレードを誘発しているとしています。 たしかに長期的に見れば、インフレにより貨幣価値が減価するのであれば、購買力平価を基にインフレ率の違いにより為替レートが決まるという理屈は納得できます。しかし短期的に大きく為替レートが変動するのは投機的な動きであり、投機筋は短期での利鞘を狙うため、名目値か相場の方向性を重視すると思います。 たとえデフレが進行して実質通貨価値が上昇したとしても、将来日本円で消費する予定がなければ、デフレの恩恵を受けることはできません。 投資の成果を持ち帰るためには、名目リターンが必要になります。特に投機の場合には、名目リターン(為替差益を含む)を重視すると思います。 少なくとも私の場合は、名目リターンしか興味がありません。もちろんインフレが進行している場合には、インフレ率以上のリターンが無ければ意味がありませんが、デフレだからと言って極わずかなリターンに甘んじて、わざわざキャリートレードしようとは思いません。 ドルキャリートレードの投資先として円が買われているというよりは、円キャリートレードの手仕舞いが発生している、そしてそれに乗じて投機筋が円買いを仕掛けていると考えるのが自然だと感じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.08.26 14:04:04
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