フィンテックの下方修正
フィンテックが、2008年9月期決算の 大幅な下方修正 と、無配転落 を発表しました。理由は貸倒引当金の計上です。9月に子会社の FX Online の売却 を発表した時に、次のように書いていたため、このようなリリースがあること自体は予想通りです。*** FX Online の売却発表 より抜粋 ***営業貸付金等の評価について、相当程度の 引当増も視野に入れ慎重に精査、検討しており :期末配当予想についても、上記の業績予想と財務の健全性の確保を総合的に勘案して 配当の有無を含めて 検討を進めており******しかし、その内容に驚愕しました。今回のリリース をご覧ください。・大阪市内の不動産開発プロジェクトを行う特別目的会社に対する当社からの貸付金1,500 百万円について、想定を上回る不動産価格の調整及び建築コストの上昇等が生じたために、当該貸付金の回収可能性を見直した結果、貸倒引当金1,029 百万円を計上することにいたしました。・特別目的会社が東京都内に保有する不動産を責任財産として発行した社債3,550 百万円について、当該不動産の評価額の著しい下落が認められるため、当該社債に対する評価損として貸倒引当金3,550 百万円を計上することにいたしました。・愛知県内の不動産開発プロジェクトを行う特別目的会社の社債1,000 百万円について、同プロジェクトに建築工事の遅れなどが生じていることから、回収可能性を保守的に評価し、当該社債に対して貸倒引当金1,000 百万円を計上することにいたしました。1件目が、1,500百万円の貸付のうち 1,029百万円2件目が、3,550百万円の社債の全額3件目も、1,000百万円の社債の全額ほとんど貸付金/社債が返ってこないようです。エクイティならまだ理解できますが、貸付金ですよ。いくら不動産が値下がりしたとしても、貸付金がほとんど返ってこないというのは、信じられません。いったいどんなスキームで、貸し付けていたのでしょうね。(ほとんどエクイティが無いSPCへのメザニンかな?)以前玉井社長は、「自分で組成したストラクチャーなので、自分達が一番理解している。基本的に貸倒はありえない。」 と言っていました。ビジネスモデルが破綻しているように感じます。フィンテックはかつての保有銘柄でした。金融危機が収まるまでは、当分だめだと判断して売却しましたが、いずれ買い戻そうと思って、監視は続けていました。しかしこの状態では、とても手出しできませんね。