セリア下方修正
セリアが下方修正を出しました。一応、中間期の業績未達は予想してはいました(9月9日の記事参照)が、売上未達額が少額であると予想していましたので、下方修正を出すほどではないと判断していました。過去の分析でセリアを評価する記事を書いており、もし私の記事を参考にして買った方がいらっしゃいましたら申し訳ありませんでした。私自身は185000円で購入して23万円台で半分くらい売却しましたので、買い単価は13万円台後半といったところです。15万円まで下がってもプラスだったわけですが、この下方修正で含み損になるかもしれませんね。損切るかどうか、少し吟味してみたいと思います。やや前提が変わってきているように思いますので。まず1Q決算のおさらい(単位:100万円、かっこ内は対売上高比率)。売上高15,681 売上原価9,482 (60.5%)売上総利益6,199 (39.5%)販管費5,417 (34.5%)営業利益781 (5.0%)経常利益793 (5.1%)純利益398 (2.5%)これに対して今日の下方修正前の中間期業績予想は以下の通りでした。売上高 31,000営業利益 1,500 (4.84%)経常利益 1,500 (4.84%)純利益 750 (2.42%)ここ3年の営業利益率は3.2%→4.3%→5.0%と推移していますから、この4.84%という予想は特に強気でも保守的でもないように感じていました。この旧予想から1Q実績を引き算すると、2Q期間(7~9月)で、売上高 15,319営業利益 719 (4.69%)経常利益 707 (4.62%)純利益 352 (2.30%)をクリアすれば予想業績達成となるはずでした。1Q期間と2Q期間それぞれの営業利益率は、07.3月期 4.9%→4.4%06.3月期 4.9%→3.7%05.3月期 3.6%→1.8%と、1Q期間より2Q期間の方が低くなる傾向がありましたので、これと比べると今期の08.3月期 5.0%→4.7%という数字は、1Q決算時点でやや強気か?と思わせるものでした。一方、月次売上高の全店売上高の進捗状況から2Q期間の売上げは2Q期間売上 14,876と予測していました(同じく9月9日の記事)。これは業績予想達成のため必要な2Q期間売上高15,319に対して約2.9%の不足ということになります。最小二乗法による固変分解の結果から、セリアの弾力係数は約5と推測していましたから、事前に想定されていた2Q期間の経常利益707に対して、707×2.9%×5≒102.5百万円くらいの未達になるかと予測していました。(弾力係数とは、売上高の変動1%に対して利益が何%変動するかを表す係数)すなわち中間期としては、売上高 15,681+14,876=30,557 (1.4%の未達)経常利益 793+(707-102.5)=1,397.5 (6.8%の未達)あたりの数字になると予測していました。しかし実際は、売上高 30,684 (1.0%の下方修正)経常利益 1,200 (20.0%の下方修正)と、実際の売上高が上記予想を上回ったにも関わらず、経常利益は大幅に下回ってしまいました。従来の利益構造を適用した予想を下回る結果が出たということで、単に販売不振で利益が落ちたということではなさそうです。プレスリリースによると猛暑で販売不振→相対的に販管費率上昇ということになっています。売上高自体は予想とそれほど乖離いないのですが(-1%)、どうやらこれは上期の出店が想定以上に順調だったことによるものらしく、やはり既存店売上高の不振が足をひっぱっていたようです。つまり、店舗数が予想以上に増えた→ 売上高はある程度確保できた→ しかし、店舗数が増えた分販売管理費が増えてしまった→ 利益が減ったという流れだと思います。私は既存店売上高が良くないのを知りながらも月次全店売上高のみを使って売上高予測をしてしまい、結果として利益率の読みが甘くなってしまったようです。新規出店のペースはノーチェックでした。ホームページをこまめにチェックしていたらある程度の予測はできたはずで、完全に初歩的なミスです。本日同時に発表された10月の既存店売上高は96.1%と相変わらず悪く、売上不振が単なる天候の影響ではないことが伺えます。下方修正後の数字でも指標的には高くないので、これからの下げを買えないことはないと思いますが、株価的にはしばらく上がる要素がなさそうですね。(注:私の予想はまったく当てになりません)