2013/10/08(火)11:01
鍼術とはー内なる自然
意識しなくても動いている心臓や胃腸たち。
自律神経の働きという認識をすると、そこから神秘性や驚きの感覚が失せる。
これを内なる自然の働き。内なる神々の働きと捉えた人々がいた。
太古のシャーマンだ。
鍼医は、このシャーマンを源流とする。
患者が知らず知らずに犯してきた過去の過ちを、自らの身に引き受け、自分の事として大自然と対峙して癒す。
時代が下がると、患者の内なる自然=神と、意識のかけ橋となった。
医は、患者の過去の過ちをチャラにする。
そう、清算し、無かったことにするのがその役目であった。
だからこそ、医は、人々から最も尊敬に値する存在であった。
鍼術は、その範疇に医学を含むが、呪術師でもある。
こんにち、鍼を行う者でさえ、そのことが忘れ去られている。
誠に、恐ろしいことだ。
鍼を施す側の人間の欲は、それが隙となって様々なものを受け、自分だけでなく家族、末代にまで影響が及ぶ。
術者は、斎戒沐浴が、必要のないくらいの透明さが必要なのだ。
現代に生きる自分にとっても、切実な問題である。