[エピローグ:補足REDYANの書]
公式より、、、---------------------「REDYANの書」絶叫と血の泡を伴い、呪詛の最後の一節が吐き出された。ラベルゥの白い咽喉が弾けるように裂け、止め処なく光が溢れ出していく。ガデスルベの上空で渦巻いていた黒い雲からは、燃え盛る火球と巨大な氷塊、幾千の稲妻が渦巻きながら大地に降り注いだ。あるものは一瞬で蒸発して死に、あるものは焼かれ、砕かれ、貫かれて、しばらく苦しんでから死んだ。山の形は変わり、黒く染まった大地には二度と生命が戻ることはなかった。自らを拒絶するもの全てを憎み、ついには世界の全てを滅ぼし尽くすことを望んだ「神」ラベルゥ。屈せず、臆せず、幾度となく立ち向かってきた騎士たちとの戦いによって、徐々にその力を失った「最高神」は、自分が本当は何者だったのかすら思い出せぬほど狂っており、全ての人間が苦しみ悶えながら死んでいく至福の幻を見ながら枯れて萎びて崩れていった。けれど慈悲深い世界は、最後の瞬間にラベルゥを抱き止めた。最後に残された一つの眼球、その赤い瞳が消滅する最後の瞬間に、真実を焼き付けたのである。破壊されたのは、ガデスルベ周辺の極わずかな地域だけだった。 神の支配から解き放たれた後も、人間は戦いの歴史を積み上げていった。幾度にもおよぶ激突の末、トール「サンダーマン」に率いられたクァナトはテモズに勝利。テモズはクァナトの属国となる。この時、テモズのトール「リオネッセ」はネトラン「Hot&Spice」のメンバーと共に行方知れずとなっているが、テモズの民の間では、山々の頂から空へと逃れ、いつの日か帰って来ると信じられている。最大の敵を下したクァナトは、その後もさらに版図を広げ、わずか13年でヘルマーシュ大陸全てを支配する大帝国となった。治療商エルタキンとして、医学を発展させ、国民の平均寿命を飛躍的に向上させた「TRINlTY」。鑑定商エルタキンとして、知識を集積し、教育を充実させ、近代科学を発展させた「ShangriLa」。武器商エルタキンとして、モンスターや盗賊の類を駆逐する、軍事力の基礎となった「AquaMarine」。倉庫商エルタキンとして、広大な帝国領の全てを網羅する流通・交通網を敷いた「-以心伝心ー」。帝国の覇業に貢献した彼らの名は、クァナト中興の祖として歴史に刻まれた。しかし、彼らを統べたトール「サンダーマン」とネトラン「MerMaid」の面々は、ヘルマーシュ大陸を統一した直後、海の遥か向こうにある、まだ見ぬ大陸を目指して旅立っていったと、永く伝説として語り継がれていった。 ――やがて時は流れ、時代は巡り、世代は重なっていった。一千年の歴史を誇るテモズ帝国も、世襲によって権力を享受する一握りの富裕層が美食や薬物のために国力を浪費する、退廃国家へと成り下がっていた。政治は腐敗し、技術は失われ、地方都市の反乱と鎮圧が日常茶飯事となっている、そんなある日のこと。かつてクァナトが一つの都市国家に過ぎなかった、その場所の沖に、青地に二頭の白い竜を染め抜いた、大きな帆を広げた艦隊が現われた。その旗艦の甲板には、トール「サンダーマン」率いるネトラン「MerMaid」の姿があった。一方、かつてテモズが一つの山岳都市だったその場所に、まばゆい光の尾を引いて流星が落ちた。もうもうと舞い上がる噴煙の中から現われたのは、トール「リオネッセ」率いるネトラン「Hot&Spice」の姿であった。それは、新たなる戦いの始まりだった。(C)2007 Actoz Soft and Anipark. All Right Reserved.(C)2007 GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.---------------------