Belgee X50+をめぐる価格差が、ロシア語圏の自動車市場で大きな注目を集めている。ロシアではすでに“普通の価格”として受け入れられつつある一方で、隣国ベラルーシでは同じモデルがはるかに安く販売されているため、多くのユーザーが驚きを隠せない状況だ。
問題となっているのは、その差額の大きさだ。単なる数万ルーブルレベルではなく、条件次第では約67万ルーブルもの開きが発生している。しかも比較対象となっているのは、まったく別仕様の車両ではない。エンジンもトランスミッションも基本装備もほぼ共通で、“同じ車”と言って差し支えない内容になっている。
ベラルーシ市場では、Belgee X50+の価格は6万1900ベラルーシルーブルから設定されている。現在の為替レートで換算すると、およそ164万ロシアルーブル相当となる。さらに、BelgeeまたはGeelyブランドの車両を下取りに出した場合、4000 BYNの追加割引が適用され、最終価格は約154万ルーブル相当まで下がる。
つまり、現在のベラルーシでは、新車のクロスオーバーSUVを“ロシア中古車市場に近い感覚”で購入できる計算になる。一方でロシア市場では、同じBelgee X50+のスタート価格は231万9000ルーブルに設定されている。
ロシアでもトレードイン制度自体は用意されているが、割引額は約10万ルーブル程度。結果として、最終的な価格差は依然として非常に大きいままとなる。
Belgee X50+の詳細なスペックや装備、インテリア構成については、以下のレビュー記事でも確認できる。
Belgee X50+のレビューはこちら
ベラルーシ向けのベースグレード「Comfort」には、LEDヘッドライト、17インチアルミホイール、クライメートコントロール、シートヒーター、クルーズコントロール、リアビューカメラ、パーキングセンサーなど、現代的な装備が一通り揃っている。さらに、安全装備として8つのエアバッグも標準で搭載される。
上位仕様としては「Luxury」や「Flagship」も用意されており、装備内容はさらに充実する。大型ディスプレイや追加アシスト機能、内装の質感向上など、価格帯を考えるとかなり競争力の高い内容となっている。
ロシア市場では、エントリーグレードは「Active」という名称で販売されている。そのほか、「Style」「Prestige」「Onyx」といった上位グレードもラインナップされており、装備構成自体はベラルーシ仕様と大きく変わらない。
パワートレインは両市場で共通となる。搭載されるのは1.5リッター直列4気筒ターボエンジンで、最高出力は147馬力。トランスミッションには7速デュアルクラッチ式ATが組み合わされる。駆動方式は前輪駆動のみで、都市部での利用を重視した設定となっている。
近年、ロシア市場では輸送コストや税制、為替変動などの影響によって、新車価格の上昇が続いている。しかし今回のBelgee X50+のケースでは、「ここまで差が出るのか」という反応も少なくない。
SNSや自動車フォーラムでは、「今からベラルーシへ買いに行ったほうが安い」「国境を越えた瞬間に67万ルーブル追加されるのか」といった半ば冗談交じりのコメントも増えている。
同じ車、同じエンジン、同じ装備。それでも販売される国が違うだけで、価格はまるで別クラスのモデルのように変化してしまう。Belgee X50+は今、その現実を象徴する1台になっている。