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広瀬隆雄の「新興国(BRICs、VISTA、ネクスト11等)投資情報レポート」

全346件 (346件中 1-10件目)

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2013年09月04日
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今日のまとめ

  1. 中国のオーバーナイトのインターバンク・レートが急騰した
  2. 中国の銀行は相互不信に陥っている
  3. シャドー・バンキングを抑制するため、見て見ぬフリをしたという説明がある
  4. 信用追加と名目GDPの成長との関係が崩れてきている
  5. 新しい信用の追加が、借金の借り換えに使われている形跡がある

中国のインターバンク・レートの急騰

このところ中国のオーバーナイトのインターバンク・レートが急騰しています。

インターバンク・レートとは、銀行間で資金を融通し合うことを指し、このレートが跳ね上がることは銀行が相互不信に陥っていることを暗示します。

普通、それが酷くなる前に中央銀行が流動性を提供し、信用のひっ迫を是正するのですが、今回は中国人民銀行の動きは鈍かったです。

これは一説には近年、中国に横行している「シャドー・バンキング」を抑制するため、中国人民銀行が銀行間信用の枯渇に見て見ぬフリをしているからだとされています。

シャドー・バンキングとは

それではシャドー・バンキングとは、何を指すのでしょうか?

中国では大手銀行の融資の総量は厳格に規定されているし、銀行が直接、地方政府に融資することは出来ません。

そこで地方政府はある種の特別目的会社を設立し、そこへ融資するわけです。この融資は投資利回りを確約した、一種の信託商品として、フィナンシャル・アドバイザーなどを通じて裕福層などへ販売されます。

このような商品が去年は5.87兆人民元も販売されました。

中国の信用追加額(1兆人民元、FSOC)

すると上のグラフの青の部分に見られるように、折角、ローンの総量を規制しても、銀行のバランスシートの簿外に存在する信託商品が出る事で、規制がしり抜けになってしまうのです。

昔は上のグラフのように信用が追加されると、それに呼応するかたちで中国経済の名目GDP(=インフレを割り引く前)も、ほぼ同じペースで増加しました。

中国の名目GDP成長(1兆人民元、FSOC)

しかし最近は両者の関係が崩れてきています。

1人民元の信用追加が名目GDPをどれだけ押し上げるか?(名目GDP成長額÷信用追加額、FSOC)

この現象に対する、ひとつの説明として、2009年以降、信用の追加が名目GDPを押し上げにくくなった一因は、新しい信用が、すでに存在する借金の借り換えに向けられ、実態経済に投入されないからだという説があります。







最終更新日  2013年10月08日 15時46分43秒
2013年09月03日
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今日のまとめ

  1. FOMCで引き締めが見送りになる可能性が出て来た
  2. BRICsの方がアセアンより株価水準が低い
  3. リバウンド妙味はBRICsの方が大きい
  4. 但しあくまでもトレーディングと割り切ること

いいとこなしのBRICsにチャンス到来?

このところBRICsの株式市場が冴えません。とりわけ5月22日にバーナンキFRB議長が「次の2、3回の連邦公開市場委員会(FOMC)で現在行われている毎月850億ドルの債券買い入れプログラムを縮小するかもしれない」とコメントして以来、新興国株式は下げ足を速めています。

しかし短期的にはFRBが引き締めに転じることがかなり織り込まれてしまっているため、逆に引き締めが見送りになった場合、安堵から市場が反発する可能性も出てきました。

投資家はアセアンに逃げ場を求めた

なおBRICsとそれ以外の新興国(たとえばアセアン諸国)では、状況が少し異なります。

先ずBRICsの株式市場は中国経済の鈍化を嫌気して、ずっと人気離散していました。

投資家は「BRICs以外に、何か良い投資先は無いだろうか?」という発想から、アセアンの株式市場に物色の矛先を向けました。

政策金利からインフレ率を引いた実質政策金利では、BRICsの中央銀行は引き締め気味、一方のBRICs以外の新興国の中央銀行は緩めの政策を採ってきました。

これは緩めの金利政策を採用した国々にバブル的な資産価格の上昇が起こる余地が大きかったことを意味します。

従って目先的にはアセアン市場などのBRICs以外の新興国株式市場にダウンサイドリスクが大きいです。

これとは対照的に株価の位置の低いBRICsはリバウンド余地が大きいと言えます。

水曜日のFOMC次第

BRICsの株式市場が反発できるかどうかは、水曜日の連邦公開市場委員会(FOMC)次第だと思います。

このところ世界の市場が荒れ気味なので、バーナンキ議長は慎重に物事を進めるという姿勢を確認すると思います。

若しそうなった場合、世界の市場が反発することが期待できます。

但しその場合でも、長期に渡るバイ&ホールドではなく、あくまでもトレーディングのチャンスでしかないと考えます。

その理由は、仮に今回、債券買い入れプログラム縮小が延期されても、いずれ近いうちにその手仕舞いに着手しなければいけないからです。

下は比較的出来高が多く、トレードしやすいBRICs関連の投資対象の例です。

銘柄ティッカー説明
アムベブABVブラジル、ビール会社
ペトロブラスPBRブラジル、石油会社
ペトロチャイナPTR中国、石油会社
マーケット・ベクトル・ロシアETFRSXロシア
インフォシスINFYインド、ITアウトソース

アムベブ(ABV、データ出典:キャピタルIQ)

ペトロブラス(PBR、データ出典:キャピタルIQ)

ペトロチャイナADR(PTR、データ出典:キャピタルIQ)

マーケット・ベクトル・ロシアETF(RSX、データ出典:キャピタルIQ)

インフォシス(INFY、データ出典:キャピタルIQ)







最終更新日  2013年10月08日 15時44分44秒
2013年09月02日
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今日のまとめ

  1. 5月の輸出は市場予想を大幅に下回った
  2. 5月の輸入も同じく市場予想を大きく下回った
  3. 1月以降、持ち直していた中国の貿易パフォーマンスに再び懸念が生じた

貿易統計

中国の5月の輸出は前年比+1.0%の1,828億ドルでした。市場予想は+7.3%でした。因みに4月は1,870.6億ドルでした。輸出の増加率(前年比)は

2012年12月+2.9%
2013年1月+25.0%
2013年2月+21.8%
2013年3月+10.0%
2013年4月+14.7%
2013年5月+1.0%

ということになります。

中国の5月の輸入は前年比-0.3%の1,623億ドルでした。市場予想は+6.0%でした。因みに4月は1,689億ドルでした。輸入の増加率(前年比)は

2012年12月+6.0%
2013年1月+28.8%
2013年2月-15.2%
2013年3月+14.0%
2013年4月+16.8%
2013年5月-0.3%

ということになります。

中国の輸入と輸出(10億ドル、中国税関総局)

1月以降、中国の貿易統計は昔の安定を取り戻しつつあるように見えましたが、今回の数字が悪かった事で中国の貿易パフォーマンスに対する懸念が再び高まるものと思われます。

中国の輸入(赤)と輸出(青)の前年同期比変化率(%、中国税関総局)







最終更新日  2013年10月08日 15時41分57秒
2013年09月01日
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今日のまとめ

  1. ブラジルは欧州からの受注の落ち込みが目立った
  2. ロシアは比較的悪化のペースが緩慢である
  3. インドは国内からの新規受注の弱さが足を引っ張っている
  4. 中国は米国からの受注が低迷している
  5. BRICs全体に景況感は悪化の一途を辿っている

ブラジル

ブラジルの5月の製造業購買担当者指数は50.4でした。これは4月の50.8から悪化しました。

ブラジル製造業購買担当者指数(香港上海銀行)

ブラジルの製造業購買担当者指数は1月に53.2のピークを付けて以来、ずっと減速しています。新規輸出受注は4月に落ち込んだ後、5月も低迷を続けました。とりわけ欧州からの引き合いが弱いです。新規の注文が低水準なので、企業は手持ちの受注残を消化することで生産を続けています。受注残は3カ月連続して減少を見ました。雇用は4月に続いて5月も減少しました。生産そのものは未だ拡大しています。仕掛品ならびに完成品の在庫はともに減少しました。

ロシア

ロシアの5月の製造業購買担当者指数は50.4と4月の50.6から若干下がりました。

ロシア製造業購買担当者指数(香港上海銀行)

落ち込みを見せていた新規輸出受注が安定したことで新規受注全体も若干持ち直しました。しかし生産には余り反映されませんでした。雇用は7カ月連続で縮小しました。しかし縮小幅は小さくなっており、底打ちの兆しが見えています。仕入れ価格は上昇しています。

インド

インドの5月の製造業購買担当者指数は50.1と4月の51からさらに弱まりました。

インド製造業購買担当者指数(香港上海銀行)

これで3カ月連続して指数が弱まったことになります。新規輸出受注は堅調で、1月以来、最も強い数字でした。その半面、国内からの受注は弱く、全体の新規受注の足を引っ張りました。生産高は2009年3月以来、はじめて50を割り込みました。仕入れコストにはインフレ・プレッシャーがありますが、最終製品の価格への転嫁は上手くいっていません。雇用は若干拡大しています。

中国

中国の5月の製造業購買担当者指数は49.2と弱かったです。これで4月の50.4に次いで、2カ月連続で指数が弱まったことになります。

中国製造業購買担当者指数(香港上海銀行)

新規輸出受注は2カ月連続して下落しました。米国からの受注が弱かったことがその原因です。これを受けて新規受注全体も下落しました。一方、生産の方はまだかろうじて50以上となっています。これで7カ月連続して生産が拡大したことになります。雇用は縮小しています。新規購買も縮小しており、仕入れ価格も下落しています。納期は短縮しています。これらは全て経済が弱いことを示す兆候です。

まとめ

BRICsの全ての国々がモメンタムの鈍化を経験しています。このところBRICsの株は冴えない展開が続いていますが、上に見たような経済の停滞から考えて、これは不思議ではないと思います。







最終更新日  2013年10月08日 15時39分50秒
2013年05月21日
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今日のまとめ

  1. ロシアの経済指標は全て悪い
  2. 資源輸出への依存体質が問題
  3. 欧州の不景気も影響
  4. 中国経済の減速がコモディティ消費に影
  5. ビジネス・フレンドリーな改革が急務

曲がり角に立つロシア経済

最近、ロシアの経済に元気がありません。

下は同国の鉱工業生産高です。

ロシアの鉱工業生産指数(前年を100として、バンク・オブ・ロシア)

このところ急激な落ち込みを見せています。

次に固定資産投資を見ると、こちらも低迷しています。

ロシアの固定資産投資(前年を100として、バンク・オブ・ロシア)

ロシアの失業率はこのところずっと低く、これが同国の消費を下支えする重要な要因となってきました。しかしその失業率もここへきて上昇する兆しを見せ始めています。

ロシアの失業率(%、バンク・オブ・ロシア)

これを受けて小売売上高は軟調に推移しています。

ロシアの小売売上高(前年を100として、バンク・オブ・ロシア)

景況感が不透明であるにもかかわらず、ロシアはインフレ気味です。

ロシアの小売売上高(前年を100として、バンク・オブ・ロシア)

ロシア経済不調の原因

一体、ロシアの経済はなぜスランプに陥っているのでしょうか?

その第一の理由は同国の輸出の3分の2が天然ガスや石油などのエネルギーであり、しかもその主要輸出先が欧州市場であることに求められます。

欧州ではギリシャ危機以降、各国が財政緊縮政策をとっているため、2012年、2013年と2年連続でGDPがマイナス成長を記録すると見られています。これがロシアにも暗い影を落としているわけです。

天然ガスの市場構造が変わる?

これまでドイツ、ポーランドをはじめとする欧州各国はロシアからパイプラインで天然ガスの供給を受けてきました。ロシアの天然ガス輸出価格はブレント原油価格を基に決定されてきました。

しかしアメリカでシェールガスのブームが起き、LNGの輸出が始まる可能性があること、さらにポーランドなどでもシェールガスが出ると言われていることなどからブレント価格に基づいた値決め方式に欧州各国から不満の声が上がっています。言い換えれば競争原理が導入されたことでロシアはこれまでのような「殿様商売」が出来なくなりつつあるのです。

中国経済の減速

それに加えて中国経済の減速は鉄鉱石、石炭、銅などのコモディティ価格に下落プレッシャーを与えています。

ロシアは素材や資源の輸出に対する依存度が世界の国々の中でも最も高い部類に入るので、この悪影響をもろに受けます。

ビジネス・フレンドリーな環境づくりが急務

ロシアは世銀の「ビジネスのしやすさ」に関する調査で世界185カ国中117位でした。つまり平均以下なのです。投資家保護、腐敗の根絶、政府の恣意的なビジネスへの介入などの面で、ロシアは改善しなければいけないことが沢山あります。

コモディティ市況はロシアにはどうすることも出ませんが、すくなくともそれらの面で改革を押し進めることがロシアの場合、急務だと思います。







最終更新日  2013年05月24日 15時30分42秒
2013年05月14日
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今日のまとめ

  1. 4月の鉱工業生産は予想を下回った
  2. 4月の小売売上高も予想を下回った
  3. 中国人民銀行が実質金利を高く設定しているのがスランプの原因

鉱工業生産

中国の4月の鉱工業生産は+9.4%でした。市場予想は+9.5%ですので、それを下回りました。因みに3月は+9.5%でしたので、それよりも一段と鈍化しています。

中国の鉱工業生産(%、前年同期比、3カ月移動平均、中国国家統計局)

これで中国の鉱工業生産は3カ月連続して前月より鈍化したことになり、これは先に発表された生産者物価指数の下落が示唆する、中国の製造業部門の活動の低下を裏付ける内容となっています。

小売売上高

中国の4月の小売売上高は+12.5%でした。市場予想は+12.6%でしたので、落胆すべき内容でした。因みに3月は+12.4%でした。

中国の小売売上高(前年同期比%、国家統計局)

中国では、これまでの輸出主導型経済から内需主導型経済に転換すべきだということが言われて久しいです。しかしこれまでのところ、このシフトは上手く行っていません。

この一因は中国では社会保障制度が比較的充実しておらず、それが中国の消費者が高い貯蓄率を維持し、なかなか消費に回さないことにつながっていることによります。

中国人民銀行が不動産投機を抑制するため実質政策金利(政策金利からインフレ率を引き算したもの)を2.9%と、主要新興国中最も高い水準に設定していることも原因だと言えるでしょう。







最終更新日  2013年05月24日 15時27分31秒
2013年05月13日
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今日のまとめ

  1. 4月は輸出・輸入ともに二桁成長となり、懸念が払しょくされた
  2. 消費者物価は予想より高く、生産者物価は予想より低かった
  3. 中国人民銀行の対応はむずかしくなる

貿易統計

中国の4月の輸出は前年比+14.7%の1,870.6億ドルでした。市場予想は+10.3%でした。因みに3月は1,821.9億ドルでした。輸出の増加率(前年比)は

2012年11月+2.9%
2012年12月+2.9%
2013年1月+25.0%
2013年2月+21.8%
2013年3月+10.0%
2013年4月+14.7%

ということになります。

中国の4月の輸入は前年比+16.8%の1,689億ドルでした。市場予想は+13.9%でした。因みに3月は1,830.7億ドルでした。輸入の増加率(前年比)は

2012年11月±0.0%
2012年12月+6.0%
2013年1月+28.8%
2013年2月-15.2%
2013年3月+14.0%
2013年4月+16.8%

ということになります。

中国の輸入と輸出(10億ドル、中国税関総局)

3月に続き4月も輸入、輸出ともに二桁成長となり、中国の貿易パフォーマンスに対する懸念は、だいぶ払拭されたと言えます。

中国の輸入(赤)と輸出(青)の前年同期比変化率(%、中国税関総局)

物価指数

中国の4月の消費者物価指数は+2.4%でした。市場予想は+2.3%でしたので、それより少し高い数字でした。因みに3月は+2.1%ですのでインフレは加速したことになります。

一方、中国の4月の生産者物価は-2.6%でした。市場の予想は-2.3%でした。3月は-1.9%でしたので生産者物価は減速のペースが速まったと言えます。

中国の物価(%、国家統計局)

生産者物価の減速のペースの速まりは、中国の景気がいまひとつ冴えないことの何よりの証です。

その一方で消費者物価指数がじり高していることは、おいそれと緩和もできないことを示唆しています。つまり中国人民銀行は身動きが取りにくい状況に追い込まれていると考えられます。







最終更新日  2013年05月24日 15時25分24秒
2013年05月07日
カテゴリ:カテゴリ未分類

今日のまとめ

  1. アムベブはカーニバル期間の天候不順で悪決算だった
  2. ペトロブラスはリオデジャネイロ沖油田開発の先行投資に苦しんでいる
  3. ナショナル・スチールは多額の負債を抱え、利払いに不安を残す
  4. バーレは中国の景気の鈍化で過大投資が露呈
  5. バンコ・ブラデスコは堅実に経営されている

アムベブ

アムベブ(ティッカー・シンボル:ABV)はブラジル最大のビール会社です。同社の国内市場占有率は69%です。

4月30日に発表された同社の決算は同社らしからぬ、悪いものでした。

EPSは市場予想0.81ブラジル・レアルに対し結果0.75ブラジル・レアル、売上高は市場予想815億ブラジル・レアルに対し結果727.7億ブラジル・レアルでした。

ビールの出荷量が前年比-6.8%と落ち込んだ事が悪い決算になった主な原因です。とりわけブラジル国内の出荷量は-7.1%と急激に落ち込みました。

例年よりカーニバルの開催期間が早いタイミングだったこと、折悪く悪天候に見舞われたことなどが消費低迷の原因だとされています。

3月に入ってもこの天候不順は続き、ビールの消費量は低迷しました。加えて食品価格のインフレが加速したこと、可処分所得成長率が鈍化したこともビールの消費量に悪影響を与えました。

良いニュースとしては4月以降、ビールの売れ行きが少し持ち直してきている点です。

アムベブはコスト削減プログラムを打ち出し、利益を確保するとともに、限定的な特売戦略によりビール消費を促す計画を持っています。なお2013年のビール成長率は0%からマイナス4%を見込んでいます。

同社はパッケージを刷新した新製品を続々出す計画であり、それも需要を刺激すると思われます。

長期でみるとアムベブはしっかりと経営されてきました。1997年に僅か20%台だったEBITDAマージンは現在46.3%になっています。

最近の業績低迷は経営上の失敗と言うより外部環境によるものと考えて良さそうです。

来年はFIFAワールドカップがブラジルで開催されることもあり、ビールの消費量は持ち直すと見られています。

アムベブ(ABV、データ出典:シー・エス・アイ)

ペトロブラス

ペトロブラス(ティッカー・シンボル:PBR)はブラジル政府が議決権の61%を所有する石油会社です。

2012年の石油ならびに天然ガスの生産実績は260万バレル/日で、これはアメリカのシェブロン(ティッカー・シンボル:CVX)にほぼ匹敵する生産高です。

また確認埋蔵量(米国証券取引委員会基準)は123億BOEで、上場企業としてはエクソン・モービル(ティッカー・シンボル:XOM)の252億BOE、BPの168億BOE、ロイヤルダッチ・シェルの133億BOEに次いで、第4位となります。

4月29日に発表された第1四半期の決算発表では純利益が市場予想70億ブラジル・レアルに対し結果76.9億ブラジル・レアルと予想を上回りました。

売上高は725.4億ブラジル・レアルで前年同期比+10%でした。

今期は予め計画されていた保全作業のため一部の油田を休止点検したため、生産高は前年同期比-5%でした。

1月30日付けでブラジル国内のディーゼル販売価格が+5.4%、ガソリン販売価格が+6.6%値上げされました。

ペトロブラスは石油の探索・生産などの川上部門だけでなく、精製・販売など所謂、川下部門も手掛けています。売上比率で言えば川下部門の方が大きく、国内で探索・生産される石油で賄いきれない部分は輸入に頼っています。

リオデジャネイロ沖のプリサルト層に巨大な油田が相次いで発見されており、それらの油田の開発・生産に向けて高水準の先行投資を行っています。2013年から17年にかけての投資額は2,367億米ドルが予定されています。目下はこの莫大な先行投資が同社の業績を圧迫し、それが株価低迷の一因となっています。

現在、プリサルト層からの生産は全体の7%程度に過ぎません。しかし2016年頃からリオデジャネイロ沖のルラ油田の本格生産が開始されると、プリサルト層からの生産は全体の30%に達すると見られています。

それらの油田が生産を開始すれば川上・川下のバランスが改善し、収益性が改善するものと思われます。

ペトロブラス(PBR、データ出典:シー・エス・アイ)

ナショナル・スチール

ナショナル・スチール(ティッカー・シンボル:SID)は1941年に創業されたブラジルを代表する製鉄会社のひとつです。

同社は鉄鋼生産に必要な鉄鉱石やエネルギーなどを自前で供給できる、垂直統合されたビジネス・モデルです。

売上高の約55%が鉄鋼部門、35%が鉄鉱石部門、残りがセメントやエネルギー部門からもたらされています。

同社の鉄鋼部門は所謂、フラット(鋼板)ではブラジル第2位です。

同社の顧客を見ると建設・インフラが売上高の22%、自動車産業が15%、パッケージングが9%、家電やメーカーが12%、卸売が42%となっています。

なお、同社のバランスシートには157億ブラジル・レアルの負債が載っており、2012年の利払いコストだけで22.5億ブラジル・レアルかかりました。純負債対EBITDA(利払い・税・償却前利益)比率は3.47倍で、債務の負担は大きいです。

製鉄業のビジネスは極めて市況や景気に左右されやすく、景気が悪くなるとたちまち利払い能力が問題になってきます。

その意味ではナショナル・スチールは投資対象としては、片時も安心出来ない、ハイリスクな銘柄と言えます。

ナショナル・スチール(SID、データ出典:シー・エス・アイ)

バーレ

バーレ(ティッカー・シンボル:VALE)はブラジル最大の鉄鉱石の会社です。2012年の通年の売上高は465億ドルでした。

同社の鉄鉱石は主に中国に輸出されています。従って、同社の株価は中国の景気と密接な関係があります。

長期的にみて中国からの鉄鉱石の引き合いがまだまだ増大すると判断したバーレは、近年、先行投資を拡大しています。過去5年間の累積先行投資額は676億ドルにものぼります。

その関係もあって2012年末の時点で同社のバランスシート上には244億ドルもの負債が載っています。

あいにく足下の中国の景気はいまひとつで、鉄鉱石の需要も強くありません。ただ増産の判断は、ひとたび投資の意思決定をしてしまうと、簡単には翻せません。このため同社の業績はブラジル国内の景気云々に左右されるというより、拡張し過ぎてしまった事業計画をどう下方修正するかということにかかっていると言えます。

言い換えれば「ブラジルの経済成長を買う」という切り口で投資する対象としては、問題のある銘柄だということです。

バーレ(VALE、データ出典:シー・エス・アイ)

バンコ・ブラデスコ

バンコ・ブラデスコ(ティッカー・シンボル:BBD)は1943年に創業されたブラジル第3位の銀行グループで、最も堅実に経営されている銀行です。同行はまた保険部門も持っています。

同行の総資産は2013年3月末の時点で8,945億ブラジル・レアルです。ブラジル全体の要求払い預金残高の16.9%、セービング口座預金残高の13.9%、貸付残高の11.3%の市場占有率を誇っています。

支店数は4,687店舗です。

バンコ・ブラデスコの2013年第1四半期の時点での純金利マージンは7.2%、株主資本利益率は19.8%、総資産利益率は1.3%です。またティアワン・キャピタル・レシオ(バーゼルII)は11.0%です。

貸付ポートフォリオ全体に占める支払遅延(90日以上)ローン比率は4.0%で、2012年6月以来、この数字は減少しつつあります。

バンコ・ブラデスコ(BBD、データ出典:シー・エス・アイ)







最終更新日  2013年05月24日 15時23分05秒
2013年04月23日
カテゴリ:カテゴリ未分類

今日のまとめ

  1. 製造業購買担当者指数(速報値)は再び暗転
  2. 中国の製造業の活動は1月をピークとして衰えつつある
  3. 今回の数字は最近の弱い経済統計と符合
  4. 新規海外受注が50以下に
  5. 中国政府はそろそろ景気テコ入れ策を繰り出す必要アリ

製造業購買担当者指数(速報値)

中国の4月の製造業購買担当者指数(速報値)は50.5でした。コンセンサス予想は51.5でしたので、それを下回ったことになります。

製造業購買担当者指数(香港上海銀行)

中国の製造業の活動はどうやら今年の1月がピークで、再び下降局面に入っているように見えます。

これは最近発表された弱い鉱工業生産や、下げ足を速めている生産者物価指数などの経済指標が示唆している中国経済の減速の兆候と符合しています。

項目別のパフォーマンス

今回の製造業購買担当者指数(速報値)をもう少し細かく分析すると、先ず新規海外受注が再び50を割り込みました。これは悪い方向への転換を意味します。受注全体はかろうじて50を超えていますが、ペースは減速しました。

仕入れ価格ならびに出荷価格は、どちらもかなり下がっています。完成品在庫は積み上がりつつあります。また納期は短くなっています。これらのデータはいずれも需要が弱いことを示唆しています。

こうした状況を反映して雇用指数は50を割り込みました。これも悪い方向への転換です。

最近発表された中国の経済指標を見ると中国政府は何らかの景気テコ入れ策をそろそろ打ち出す必要があることを感じさせます。







最終更新日  2013年05月24日 15時18分23秒
2013年04月16日
カテゴリ:カテゴリ未分類

今日のまとめ

  1. 中国の第1四半期GDPは+7.7%と冴えなかった
  2. 3月の鉱工業生産は+9.5%と低迷
  3. 3月の小売売上高は+12.4%と市場予想を下回った
  4. 全体として冴えない数字はコモディティ市況に悪影響を及ぼしている

GDP

中国の第1四半期GDPは+7.7%でした。市場予想は+8.0%でしたのでがっかりさせられる数字でした。因みに去年の第4四半期は+7.8%でしたので成長率は鈍化していることになります。

中国のGDP成長率(%、中国国家統計局)

鉱工業生産

中国の3月の鉱工業生産は+9.5%でした。市場予想は+10.0%でしたので、こちらも落胆させられる数字でした。因みに1・2月の鉱工業生産は+9.9%でしたので成長率は鈍化しています。

中国の鉱工業生産(%、前年同期比、3カ月移動平均、中国国家統計局)

小売売上高

中国の3月の小売売上高は+12.4%でした。市場予想は+12.5%でしたので、これもがっかりさせられる数字です。因みに1・2月は+12.3%でした。この比較では少し改善したことになります。

中国の小売売上高(前年同期比%、国家統計局)

ただ基調としては未だボトムを模索するグラフであることには変わりはありません。

中国経済の足踏みでコモディティ市場が下落

今回発表された中国の一連の経済指標は中国経済が去年の景気循環的回復から再び弱含みはじめていることを確認する内容となりました。

中国は銅、鉄鉱石、原油、石炭などを大量に消費する、コモディティ市況にとって最も重要な国です。その中国の経済指標がいまひとつ冴えないため、商品相場は冴えない展開になっています。

中国政府の優先政策課題は不動産投機の抑制であり、そのような政府の意向にもかかわらず最近、再び不動産の取引は活発化しています。これは中国政府が引き続き引締め的な政策を取ることを示唆しており、株式や商品の投資家にとっては逆風の投資環境が続くと考えて良いでしょう。







最終更新日  2013年04月18日 12時06分56秒
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