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2010年12月17日
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今日のまとめ

  1. タイは事業会社の生産拠点の移転先として人気がある
  2. 株式市場は割安ではない
  3. 物価の見通しはアジア諸国の中では安定している

今回はタイの成長可能性について考えてみたいと思います。

チャイナ・プラス・ワン時代の東南アジア

これまでは日本企業が生産拠点を海外に移転する場合、中国が真っ先にその候補にあがりました。しかしこの常識が最近少し崩れつつあります。

下のグラフに見られるように製造業一般職の給与という点では中国は既に割高になっています。今後も賃金の上昇は続くでしょう。

製造業一般職の月給(ドル、2010年1月、JETRO)

一方、人民元も今後上昇が予想されます。これは中国で生産された製品の輸出競争力にマイナスの影響を及ぼします。

さらに最近は領土問題などを巡って国際間の摩擦も起きています。

これらの事から「卵をひとつの籠に盛るのはあぶない」という考え方が日本の経営者の中に芽生え始めています。つまり中国の他にもどこかに拠点を分散すべきだという考え方が出てきているわけです。

このような価値観を「チャイナ・プラス・ワン戦略」と呼ぶことが出来ると思います。

どの国が直接投資に適しているか?

中国以外のどの国が直接投資に適しているかについて経営者は思いを巡らせています。

工場移転などの海外直接投資は投資回収期間が極めて長期であるため事前調査をしっかりやる必要があります。その意味では直接投資の投資判断は我々一般投資家のポートフォリオ投資より遥かに綿密な調査に基づいて下されていると言って良いでしょう。逆に言えば直接投資のトレンドを調べることはポートフォリオ投資の投資家にとっても勉強になるのです。

下は中国、インドを除く主なアジア諸国への最近の海外直接投資の傾向を示したグラフです(なおインドネシアの2002年以前はデータがありません)。

海外直接投資(百万ドル、UNCTAD)

このグラフを見ればタイが多くの直接投資資金を集めていることがわかります。

タイが選ばれる理由

近年の政情不安にもかかわらずなぜタイは事業主の間で人気を集めているのでしょうか?

先ずは同国がインドと中国の中間に位置しアジアのどこへもアクセスが良いからです。

さらに今後発展が期待されるラオスやカンボジアなどの諸国に足がかりを作る場合にもサポート・センターをタイに設置することが出来ます。つまり地域の統括をする場所としてタイが適しているのです。

空港、港湾、道路などのアクセスも近年充実してきています。

既に自動車や自動車部品をはじめとする多くの日本のメーカーが進出しており、サプライのネットワークがしっかり確立していることも製造業の立地として同国の魅力を増している理由です。

製造業以外の経済活動

タイの製造業はこのように可能性に満ちていますが、同国の国民の約半数は農業に従事しており依然として農業は重要な産業です。また漁業、ゴム、砂糖 の生産なども盛んです。これらの産業の多くは国内の消費量を上回る収穫高を持っており、輸出する立場にあります。従って昨今の食品インフレは同国にとって マイナスよりプラス面が多いのです。

観光業は同国のGDPの6%を占めており、他の国に比べて重要です。下のグラフは海外からタイへの旅行者数を示したものです。

タイへの旅行者(千人、09年以降は予想、バンク・オブ・タイランド)

2001年には米国で9・11の同時多発テロがありました。2003年にはSARS(重症急性呼吸器症候群)が発生しました。2004年には鳥イン フルエンザが発生したほかスマトラ島沖地震による津波でプーケット島を中心に大きな被害が出ました。2006年には軍部のクーデターが発生しました。 2009年にはH1N1ウイルスの発生がありました。

このように旅行業界にとっては度重なる大きな問題に見舞われ、不運続きだったと言えます。しかしタイの観光業はそのような試練から何度も立ち直っています。今後は中国人の所得の増加や個人旅行の自由化やタイのテレビドラマの中国への紹介などを通じて中国からの観光客が増える可能性もあります。従って同国の旅行産業の未来は明るいと言えるでしょう。

タイの株式市場

タイの株式市場は東南アジアの株式市場の中ではよく整備されており、上手く機能しています

MSCIタイ・インベスタブル指数に占める主要銘柄の構成比率(%、MSCI)

セクター構成としては金融が最も大きく34%を占めており、次に石油が322%を占めています。

現在のタイ株式市場のPERは12倍です。これは過去4年間の平均である10倍に比べると割高です。歴史的にタイ市場は8倍から12倍の範囲内で取引されてきました。

タイの消費者物価指数は+3%程度で推移しています。これはアジア諸国の中では安定しているほうです。

このためインフレによる株式評価の低下(=マルチプル・コントラクション)のリスクは他のアジア市場より小さいと思われます。






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最終更新日  2011年01月14日 19時05分10秒


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