冬休みといえば宿題
北海道の冬休みは長いので、夏休み同様に図画工作の宿題が必ずあった。 僕がこどもの頃は、暇があれば何か作って遊んでいた(結構貧しかった)ので、この宿題はたいして辛いと思ったことはなかったのだが、子供たちには大変なようで。 妻「今年の冬は何を作るの?」 次男坊「ん~、将棋!」 妻「だって、お父さんよろしく!」 僕「???」 勝手に話は進んでいた。逆らうとやはり恐いので、ここは納得したふりをして何とか逃れようと考えた。ゆっくりしたい正月休みを奪われてはたまらないからである。 将棋には、将棋盤が必要である。当初、板を使って蝶番でたためる物を作るかと考えていた。ネットで大きさを確認するため検索していると、なんと!布製の将棋盤があった。 この場合将棋布なのかもしれないが。これなら、ばあちゃんに手伝ってもらえる、安心だ。何を隠そう、うちの母は洋裁学校の卒業生で、子供の頃僕はほとんど既製品の服を着たことがなかった。これは、我が家の家計を救っていた。 僕「布で作って袋にして、将棋の駒を中に入れるようにしたらいいだろう。」 妻「それはいい!」 ということで、布とミシン糸をイオンで買ってきた。思惑は成功した。 妻「将棋の駒はどうするの?」 僕「馬鹿いうんじゃない、そんなもん作れない。買って帰る!」 将棋の駒も買って帰った。そして、今日我が家に帰ると、以下のような光景があった。妻はどうしても宿題の作成に参加したいらしい。最初からそう言えばいいのに。 妻「何!触ってんのさ。」←(おいおい、次男坊の宿題じゃないのか?) 次男坊「どきぃっ。」←(ん?) 妻「ほら!曲がったじゃないの。」←(真剣だの。) 次男坊「どきどきぃっ。」←(やりおったか。) ちなみに、「」内はすべて音になっている会話である。次男坊の会話には、小学6年生になった今でも擬音語が豊富に入る。()内は僕の独白である。そして、ばぁちゃんは静かに笑っていた。 妻「もう、ビール飲んだの?兄ちゃん塾にむかえにいかなきゃいけないのに。ホント役に立たない!」 僕「どきどきぃっ!」←(やれやれ、こちらにもお鉢が回ってきた様だ。)