ディープインパクト
あいにく観なかったけれど、ロッテが抜群に強かったらしい。1、2戦10-1、10-0だという。観なかったけれど、豊騎乗のディープインパクトはとうとう無敗の三冠馬を達成したらしい。最後の直線、先頭との5馬身差を444キロの体躯を宙に浮かせいっきに躍り出たという。ロッテのリーグ制覇が31年ぶりなら馬のほうも21年ぶりの快挙だそうだ。それで神奈川の補欠選挙のほうも小泉自民党の川口順子候補が、次点民主候補に385,279票の差をつけて圧勝したそうだ。新聞二面を開くとそこでは人間に感染する鳥インフルエンザウイルスH5N1がアジアで猛威をふるい、欧州にまで飛び火して、このままゆくとどうやら世界的な大流行になるとの観測記事。うーん、ヒトも馬も鳥もディープな月曜の朝だ。そば殻の頭をたたきながら青空のもと光あふれる電車に乗って山にもどろう。大小のトンネルを10いくつかくぐり抜けケーブルカーのある駅を過ぎてしばらくすこし長いトンネルをくぐると秋の日の中に下車駅が、置き去りにされた恋人の顔で待っていた。鈍行列車だから窓を10センチほど引き上げて秋の風を吹きこませる。落ちかかった西日のむこうに連山が赤に黄色に紅葉し日にかがやいてみごとな自然の透かし彫りのようだ。わずか数日で山は紅葉に染めあげられた。がたぎぎごとんとホームになだれ込む、ぱらぱらと茶髪や青髪銀髪に金髪がケータイ片手に親指の腹で会話しながら木製の駅舎をくぐってゆく。ここから渡線橋をひとつまたぎ谷間へ降りる急坂をほとんどゴミの詰まったバッグにリュックに水と脂肪とほんのすこしの布きれ合計76キロをひきづって不格好ながに股にはき古しのコレダケトレッキング靴を埃の舞うアスファルトの舗道こすりつつ大きい橋ひとつ小さい橋ふたつ渡ってどかどか山道登って落葉と苔と熟柿の橙とマムシの死骸踏み越えて帰宅。紫の影の濃いあたりから早くも姿を見つけたコテツが駆けだしつづいてミーチャンハーチャンぴんちょんソテツダイアナが一列に並んでやってきてしまう。シーチキンの缶詰がまだあったつもりが無くて、買ったばかりの煮干しを全員にプレゼントした。さて。中一日を擱いていま(26日夕)、プロ野球日本シリーズ第四戦を観ている。ガケップチである満員の阪神甲子園、テレビ中継もなにやら熱い。しかし阪神ファンにはまことに気の毒ながら、いままでのところ(三回ウラ)、公平に見てロッテに一日の長がある、いや、甲子園に大リーグを迎える高校野球優勝チームといったら言い過ぎだろうか。岡田のポーカーフェイスがまるで阿呆にみえるほどバレンタインとロッテ選手が上回る。うーん。来春はロッテのチョコが馬鹿売れするのか。(updated 2005.10.26 19:20:23)四回で阪神は先発杉山を降板させた、と書いているそばで、代わったルーキー能見篤史が打たれて追加点を許してしまった。3-0。どーする阪神?(updated 2005.10.26 19:31:21)五回ウラ。走者を1、2塁におきノーアウトで紀州男の濱中が打席に立ったが三球三振。そしてつぎの赤星当たりは痛烈だったが併殺で絶好機もオジャン。情けない展開に解説の田淵も解説者席を立って打席に立ちたい気分だろう、きっと。こちらはひさびさにみたニッポンプロ野球に酒がすすんで仕方がない。このままゆくと、ロッテの胴上げシーンか。その前にこちらも撃沈か。いやいやようやく6回ウラ、タイガース2点を返して3-2。ナイターの照明灯に甲子園の天然芝が青い。九回ウラがすこし楽しみになってきた。(updated 2005.10.26 20:44:49)千葉ロッテマリーンズが31年ぶり大毎オリオンズから数え三度目の日本一をいま決めた。とりわけボビー・バレンタイン監督(55)はさぞ嬉しかろう。いいチームに仕上げたと思う。どうどうたる王者の勝利だった。そして…なぜだかちょっとばかり、消えた近鉄特急をおもいだした。日付が違ってしまったが、まあいいか。