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いしざきオーナー

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2015.02.24
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□◆ 田中 優 より ◇■□■□



『 未来は、「ワクワク感」から作ろう 』


■危機感からワクワク感へ


 ぼくは長年反原発の運動に関わってきた。チェルノブイリ原発事故の頃からだ
から、かれこれ30年になる。チェルノブイリの後、日本でも大きな運動の盛り上
がりがあった。しかしそれは大きな運動としては継続しなかった。そして多くの
人が忘れた頃に、福島原発事故が起きてしまった。もし継続していれば今回の事
故も防げていたかもしれない。

 なぜ継続できなかったのかと悔やまれる。そして今回の事故後の運動だ。これ
を継続できなければ、目覚まし時計のように、次の事故のタイマーがセットされ
てしまう。今回こそ継続し続けられる運動にしなければと思う。


 最大のテーマは「運動はなぜ継続しなかったのか」という問いではないだろう
か。ぼくはそこに「危機感に頼る運動」の危うさを見るのだ。危機感は重要だが、
一方で人々は長く危機感を継続できないものだ。一時的には大きな運動になるだ
ろう。しかし毎日を危機感の下に不安に怯えて暮らし続けることはできないのだ。
深刻な顔をして、眉をしかめながら毎日暮らすことができないように。


 では、長く続けられる運動原理は何だろうか。それが「ワクワク感」だと思う
のだ。今進めた一歩が未来を変えていく。毎日の暮らしを楽しみながら、未来に
期待できることの喜び、運動がポジティブであることが長続きする秘訣ではない
か。


■絵空事でない新たな仕組みを


 でもただ楽観すればいいわけじゃない。ちゃんと現実を変えられるだけのもの
がなければ意味がないからだ。そのひとつが以前に紹介した「オフグリッド」だ
と思う。

 オフグリッド、電気を自給して送電線網につながる送電線を切ってしまってし
まう試みだ。我が家はすでに約2年、電力会社につながらずに電気を自給して普
通の暮らしができている。


 そのひとつとして、価格の安い仕組みが「自エネ組(自給エネルギーチーム)」
が出しているキットだ。これまで税別で100万円だったが、円安の影響もあって
114万円からになった。一見すると値上がりしただけに見えるのだが、個別の品
が高品質なものになっている。これまで組んでいた「再生バッテリー」が高性能
なものに変わると同時に、新品のバッテリーになっている。しかもその後は二年
に一度ずつ、「ITE」の再生液を入れるだけで再生して使える。再生液の価格
も、バッテリー一個当たり二千円程度だ。


 今度のものは、おそらく20年以上使えるだろう。もちろん節電が進んでいるな
ら、キットはもっと小さなもので足りるから安くすることもできる。今の日本の
家電製品は、ものすごい勢いで節電を成し遂げている。家庭内最大消費の冷蔵庫
は、かつての消費電力のわずか3%しか使わない。二番目の照明器具もLED化
してほぼ10分の1だ。三番目のテレビも四位のエアコンも、かつての半分以下しか
電気を消費しない。五番目の温水便座も、最近になって大きく減らしている。

 このまま進めば、家庭内の電気なら、わずか6畳の大きさの太陽光発電パネル
(1.5kW)で足りるようになるだろう。


 そしてもうひとつ、電気自動車を作るのに、地域で「自動車+150万円」でコ
ンバートできる仕組みが広がってきている。毎回高性能な部品が追加されながら、
走行距離を伸ばしてきている。さらに電気自動車には不可欠なリチウムイオンバ
ッテリーの価格も急速に下がってきている。間もなく誰もが電気自動車に変える
ことができる日が来るだろう。


 そうなったら、天気が良くて発電量が多すぎて使い切れない日の電気は、電気
自動車のバッテリーに貯めよう。そうしたらガソリンすら買わなくてよい日が来
る。この電気自動車への改造に、新潟県は30万円の助成をし始めた。さらに自動
車取得税を無料にし、取得しやすいように補助している。こうした政策が後押し
することで、より高性能なものを、より低価格で手に入れられる日が来るだろう。
そうしたら軽トラを電気自動車にするといい。軽トラは軽くて便利で、しかも走
行距離も決して長くないからだ。



■未来は変えられる!


 先日、数年前の自分の講演資料を見てみた。わずか数年前、「電気を自宅で自
給できる日が来て、送電線をテープカットみたいに切れる日が来るだろう」と話
していた。それはすでに実現した。「電気自動車へのコンバートを各地の自動車
整備工場で行う日が来て、誰もが自宅で発電した電気で車を走らせる日が来る」
と話していた。それも一部は実現し、広がるまでに秒読みの段階になった。

 そしてぼくが作った講演資料はさらにこう続く。「ペレットストーブが広がれ
ば灯油を買う必要がなくなる。石油を奪わなければ成り立たなかった上から下へ
のピラミッド社会が、地域主体の下から上へと広がる社会になる」と。
 ペレットストーブはこの冬、過去最大に売れているが、その予言は正しいもの
になるだろうか。


 こうした仕組みが広がると、世界は大きく変わる。自宅の屋根で電気が足りる
ときに、原発を再稼働してまで命懸けで電気を作ってほしいと思うだろうか。ガ
ソリンすら要らず、地域の木材滓から作ったペレットで暖房できる日に、石油の
奪い合いの戦争をしたいと思うだろうか。


 化石燃料がなくても暮らせるとき、地球温暖化問題の解決は困難な問題ではな
くなる。これまでの社会の枠組みは時代遅れのものとなり、戦争するための強い
国家であることより、地域の人々の力と協力が重要になるのだ。

 車は大企業でなくても、地域の自動車整備工場やバイク屋さんで作れる。電気
自動車はモーターとバッテリーがあれば作れるからだ。木材だって自給できる。
海外から木材を輸入しなくても、日本の森で毎年育つ木材量だけで今の輸入量を
超えているのだから。


 日本は今、貿易赤字に悩んでいるが、その大きな部分が化石燃料の輸入だ。
それを地域のエネルギーで賄うとき、毎年各県から出ていっていた5000億円もの
支出が抑えられ、その分が地域に回る。地域に回る資金は雇用を増やし、誰もが
安心して地域で暮らせるようになる。


 そんな未来が眼前に広がるのだ。ワクワクしないか。
これが未来の行動原理になればいい。



( 川崎市職員労働組合様へ寄稿したものを、好意を得て転載しています。)





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Last updated  2015.02.24 16:54:59



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