新入社員のためのマネープラン
真新しいスーツ姿の新社会人を目にする季節。希望にあふれ輝いてみえる彼らを見ると、こちらまで新鮮な気持ちになってきます。会社に限らず、新しい風が周囲に与える影響は少なくありませんね。 さて、社会に出て始めての給与を手にした時のことを覚えていますか? 私の場合、残念ながら手にしたのは「給与明細」でしたが、アルバイトで得たお金とは違う感動を覚えたのを思い出します。 「平成18年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」(厚生労働省より昨年12月発表)によると、18年度の初任給は大卒196,300円、高専・短大卒168,000円、高卒154,400円。今春新しい生活をスタートさせた新社会人の皆さんも、15~20万円前後のお金を毎月自分の責任で管理することになります。「いつのまにか全部使ってしまっていた」「カードを使いすぎてしまった」なんてことにならないように、今回は社会人としてお金を上手に管理するポイントをまとめてみました。■目標を持つこと お金は自分の希望や夢を実現させるためにあります。社会人になってやってみたいことや欲しいものなどいろいろな夢があると思いますが、考えているだけではなかなか実現しません。将来(5年後10年後くらい先)の自分がどうありたいのかを考え、目標を立ててみましょう。 例えば、車を買うために5年後までに100万円貯める、一人暮らしをするための資金を3年後までに50万円貯めるなど何でもいいのです。(1)何のために、(2)いつまでに、(3)いくら貯める、という目標を目的別に立ててみましょう。複数の目標がある場合は優先順位も考えます。目標を立てることによって、夢の実現のためには何をしたらいいのかはっきりします。夢の実現という目標があればこそ、何かを我慢して貯蓄することができるのだと思います。■毎月のお金の管理は予算を立てて 月のお金を上手に管理するポイントは予算を立てること。貯蓄上手な人とそうでない人の差はここにあります。 毎月の手取り収入を、(1)生活費(生活に最低限必要なお金)、(2)貯めるお金、(3)自由に使えるお金、の順に3つに分けて予算を立ててみましょう。 (1)の生活費は、住居費(家賃など)、水道光熱費、交通・通信費(携帯やインターネットの通信費、交通費)、食費などの日常生活に最低限必要なお金(親と同居なら家に入れるお金)です。まずは1ヶ月の生活にいくらかかるのか把握することが大切です。ここで気をつけたいのが携帯電話の通信費と食費。長電話や外食、どちらも使いすぎると大きな出費になってしまいますが、上手に使えば節約できる支出です。予算が立て難い場合は自由に使えるお金の中で管理してもいいでしょう。 (2)の貯めるお金は、使った残りを貯めるのではなく、毎月一定額を貯蓄するようにしましょう。貯蓄に手間がかかるようだと長続きしませんから、給与天引きや自動積立を利用して、知らない間にお金が貯まるシステムを作っておくと便利です。ただし、社会人生活をスタートさせたばかりの1年目はスーツや身の回りの必需品を揃えるなどの出費が予想されますから、しばらくは無理をせず様子をみて貯蓄額を考えるといいでしょう。 そして残ったお金が(3)自由に使えるお金ということになります。■クレジットカードの使い方 便利なクレジットカードですが、利用には自己管理が必要です。利用するのは1回払いだけにしましょう。翌月1回で払えないものは払えるようになってから購入するのが鉄則。「クレジットカードの利用=借金」ですから、分割払いやリボ払い、キャッシングなど、利息のつかない1回払い以外の利用には多額の利息を払うことになってしまいますから要注意。 お金については、知らないで損をしてしまうことも少なくありません。金融商品や保険、税金や社会保障制度など、自分の生活に身近な問題については、ある程度理解しておくことが大切です。 環境や考え方はそれぞれ違います。自分なりのお金との上手な付き合い方が身に付けば将来きっと役立つことでしょう。(エフピー・パートナーズ/ライフプランアドバイザー:西川育恵)